イタリアの富豪アルバート・ガルシア(※1)と妻ジュリー(※2)の長男。将来を約束された地位を嫌い、財団の後継者とすべく帝王学を叩きこもうとする父の元を飛び出し、父の友人であるタクマ・サカザキに頼み込んで極限流空手を教えてもらった(※3)。
※1
スペイン語版Wikipediaによると、「龍虎の拳1」が登場したとき、「ガルシア」という姓を見て、(少なくともスペイン語圏の)ファンの多くはロバートのことをメキシコ人だと思っていたそうである(メキシコの公用語はスペイン語)。「KOF'94」で彼が「メキシコチーム」に配属されたのもそれが理由であると考えられていた。
ロバートがイタリア出身だと知られるのはこの後のことだったそうで、熱心にストーリーや設定を読んでいなかったファンは驚いたと思われる。
なおSNK代表取締役社長の松原健二氏が2021年に就任した時点では、マーケティングは日本だけはパブリッシング機能があるが、他地域は外部に任せていた。調査してみると、ブランド認知力はアジアではある程度評価できるものだったが、欧米はまだまだまだ認知されていないという状態だったという。
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筆者註
森気楼によるSNK「龍虎の拳」販促用冊子付属の漫画では「ジュリー」、「ALL ABOUT SNK対戦格闘ゲーム1991-2000」(電波新聞社)及び「龍虎の拳の謎」(新声社)ではいずれも「シェリー」と紹介されているが、当サイトでは確実な公式資料である前者を採っている。
また天獅子悦也の漫画「ロマーリオの幸福」では、ロバートの父アルバート(作中ではアルベルト)がプロポーズした相手の名前が「カタリナ」となっており、これはこの作者にしては珍しい設定ミスなのか、それとも原作の設定が変更されたのかは不明。
(公式設定だとフレア・ローレンスの母親の名前が「カタリナ」。またこの漫画は上記の森気楼版「龍虎の拳」の後に描かれたもの)
ただし、漫画作中で「カタリナお嬢さま」が(確実にそうであろうと思わせる遠まわしな表現はされているものの)ロバートの母親であるとは明言はされていない。
(なお、「ロマーリオの幸福」の時系列(龍虎の拳外伝の後日談)では、カタリナは故人となっている。また作中でアルバートが「アルベルト」と呼ばれているのは、アルバートがアメリカに進出する前のイタリア時代が舞台だからである)
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※3
「龍虎の拳1」の公式パンフレット付属の漫画(画:森気楼)より。ただし、資料によっては「帝王学の一環として父から数々の武道を習わされたロバートだが、その中で特に極限流空手を気に入り、熱心に修行に打ち込んだ、とするものもある。
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名前の綴りは「Robert Garcia」で、本人の故国イタリア語での発音は「ロベルト・ガルシア」である。
父親が親友同士だったということもあり、リョウとユリのサカザキ兄妹とは幼馴染みであり、同い年のリョウとは終生のライバル。
また初対面で一目惚れして以来ユリに一途な想いを寄せ続けており、基本的に他の女性には目もくれない(※4)。「龍虎の拳 外伝」でやはり幼馴染のフレア・ローレンスと印象的な再会を果たし、「KOF12」のストーリーでは才媛ミス・ジュールズに巧妙なモーションをかけられるも、ユリへの想いがぶれることはなかった。
(ロバートがユリを好きな理由は、「地位や財産にとらわれず、ロバート・ガルシアという一人の人間として接してくれるから」だそうである。またユリのほうも、彼のことをかなり意識はしている)。
リョウという最強のライバルがいたせいかめきめきと実力を伸ばし、後には「最強の虎(※5)」という異名を得、リョウと共に「極限の龍虎」と並び称される。
※4
ただし、スペイン語版のSNKWikiによれば、一目惚れされたユリは最初はロバートのことを信頼しようとはせず、パートナーシップを築くまでにやや時間がかかった、とある。
また同じくスペイン語版Wikipedia「ロバート・ガルシア」によれば、「ロバートはガルシア一族に属する大富豪の子孫で、根っからのレストラン経営者であったが、キングに恋をし、お金がないふりをするためにレストランのウェイターとなり、キングに激怒した」(原文ママ)という、衝撃的な一文から紹介が始まる。
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※5
「無敵の龍」と呼ばれたリョウは、幼い頃からユリの為に戦い続け、ストリートファイターとしてサウスタウンの暗黒街にもその名を知られていたため、その異名がつく下地はあった。
しかしロバートは、「龍虎の拳(1)」の公式パンフレットや「龍虎の拳の謎」(新声社)など様々な資料を合わせると、タクマに空手を師事したのは10歳の実質数ヶ月であり(それ以前はタクマが武道を教えたアルバートのボディガードに習っていた)、以降十年以上、Mr.BIGによるユリ誘拐事件の直前までサウスタウンを離れていたため、いつごろから「最強の虎」と呼ばれ始めたのかは不明。
この異名の先代である「無敵の龍」タクマ・サカザキと「最強の虎」リー・ガクスウは、壮絶な直決対決の末にこの名を得ているため、リョウとロバートにもその可能性がある。「龍虎の拳1」のときにはすでのこの異名を得ているのは事実なので、幼いロバートの才能の片鱗に驚愕したタクマがリョウとともに名付けたのか、たまたま訪れたチャイナタウンでリー・ガクスウがつけたのかもしれない。
いずれにしても、先代の「龍虎」がタクマとリー・ガクスウという事実からも、この異名の発祥がチャイナタウンであることは間違いないと思われる。
(ただし、ロバートがユリ誘拐事件まで「サウスタウンに一度も戻ったことがない」と書いた直接的な資料は発見できていないので、「ロバートとリョウが十年以上顔を合わせていない」という他の資料から予想される「結果」にも齟齬が発生する可能性はある)
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クラシック・スタイルの空手を好むリョウとは異なり、新しいものをどんどん取り入れる天才肌。その長い脚を生かした技に長け、「究極奥義」である龍虎乱舞にすら自らのアレンジを加えられる、恐るべき才能の持ち主(※6)。
そのファイトスタイルは、同じく天才肌であるユリに強い影響を与えている。
「龍虎の拳1」の設定によると、幼い頃に父親に始めさせられたのは極限流空手だけでなく「さまざまな格闘技」となっており、その時に最も気に入った極限流空手に様々な格闘技の長所をミックスさせて独自のアレンジとしたのだろう。
実は幼いころより武道(空手)に専心していたリョウに憧れを抱いていたそうで、「KOF for GIRLS」では、性格的に向いていないのに極限流空手に真摯に取り組むリョウに対し、自分は極限流を逃げ道にしていた、と独白している。
※6
ロバートがユリと同じく天才肌であることは、各作品の描写から間違いないと思われるが、中国語版「Baidu百科(百度百科)」によると、
「公式漫画『THE KING OF FIGHTERS〜A NEW BEGINNING〜』では、ユリは他人の技の本質を見ただけで理解し真似できる天才と評価されており、ロバートはリョウ・サカザキを1年で習得した」(原文ママ)
……と気になる記述が為されている。ユリが天才の評価を頂いていることを伝えつつ、ロバートがリョウ・サカザキを極めている……。当サイトではこれ以上の追及は行わないが、世界には知らない方が良いことが多いのもまた事実なのであろう。
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(直筆サイン)
幼い頃からサカザキ一家と接してきたせいか、厳しい父親に帝王学を叩き込まれたにしては気取ったところが無く、ざっくばらんに誰とでも打ち解ける性格。もっとも、その父親の帝王教育には幼いときからそうとう反発しており、同じくタクマの空手教育になじめなかったリョウとは馬が合ったのかもしれない。
厳しい父との関係はうまくいっていなかったようで、アメリカでの生活を楽しんでいるが、アルバートはアメリカを訪ねてもロバートに会うことは滅多になく、龍虎の拳外伝でロバートがイタリアに帰国するまで和解はしていなかったと思われる(
※7)。
※7
ただしアルバートは、「龍虎の拳2」のロバートステージに滞在していたり、漫画「龍虎の拳2」(天獅子悦也/新声社)ではサウスタウンに滞在しロバートとマフィアについて会話をするシーンがあるので、二人の関係が完全に破綻しているわけでもないようだ。
天獅子悦也「龍虎の拳外伝 カーマンに指令を」ではリョウがロバートとアルバートの和解について怪しむ場面があり、この時点ではまだ和解していないと思われる。ロマーリオは「結果的に会えなかっただけ」「当時のイタリアは政情不安定で、不安を感じたアルバートがロバートを新大陸(アメリカ)に避難させていた」と説明しており、カーマン・コールは「パパ・ガルシアの愛が正しかったかどうか我々は判断したくない」と発言している。
また1993年のアニメ版「バトルスピリッツ 龍虎の拳」では、リョウの口からロバートがガルシア財団を嫌っていることが語られているが、財団の窮屈な空気が苦手なのか、父親が苦手なのかは明言されていない。
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タクマ・サカザキが失踪し、リョウとユリが苦労している時代のロバートの行動には、メディアによって「家出同然に修行の旅に出ていた」「リョウは辞退したが、秘かに援助していた」という二つの説があるが、ここでは断定しない。
森気楼氏による初期「龍虎の拳」アートワークスでは、ロバートは10代前半で修行の旅に出てからユリが誘拐される直前まで戻ってきていないため、タクマの失踪事件のことも知らず、サカザキ兄妹を支援することは不可能と思われる。
ゲーメスト「龍虎の拳2」攻略ムックに紹介されたストーリーでは、タクマが失踪し極限流道場が閉鎖された際にサウスタウンを離れることを余儀なくされており(この時イタリアに帰国したのかどうかは不明)、ユリの誘拐事件の直前にサウスタウンに戻ってきたようだ。
また漫画「カーマンに指令を」(天獅子悦也/新声社)では、空手の修行の傍ら、各地の大学を遊学していたことが語られている。
(「ロバートはリョウを援助したかったようだが、リョウがそれを断った」「ロバートではなくタクマが秘かに援助していた」という説もある。半公式扱いとなっている石井ぜんじ・天獅子悦也「龍虎の拳」では、ロバートの援助の申し出をリョウが断っていたが、その代わりタクマ(と思われる人物)が名を隠してユリの進学費用を援助していた)。
「龍虎の拳2」時点ではサウスタウンの郊外にある別荘に住んでいるが、「外伝」でイタリアに帰国(※8)。父親の名代、ガルシア財団の総帥代行として世界を飛び回る多忙な日々を送ることとなる。「KOF12」ではアメリカの財団支部(北米大陸での拠点)を統率している(早朝にテロリストに銃撃されたが、軽傷でしのいで逆に足技で相手を気絶させている)。
教養はかなり高く、「君はヒーロー」では教師の才能を見せ(イタリア訛りのせいで実現はしなかったが)「Days of memories」シリーズでは高校の教師(しかも社会科)をしている。しかし、生徒のユリのことを「大好き」と公言して憚らない。
※8
スペイン語版Wikipediaによれば、リョウと協力してワイラーを倒した後、なぜかロバートはイタリアではなくハワイに飛び立ったことになっいる。
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1957年のクリスマス生まれのAB型。22歳(龍虎の拳2)、23歳(KOF'94)、24歳(KOF'95)、48歳(餓狼MOW。設定のみ登場。
身長180cm、体重85kg(93年のアニメでは79kg。海外版「龍虎の拳」では72インチ(182.88cm)/187ポンド(84.82kg))と、リョウよりもやや骨太(※9)。国際競技空手協会(ISKA)の階級だとクルーザー級にあてはまるが、これは68kgのリョウよりも四階級も重い(リョウはスーパーウェルター級。ただし、ISKAの体重別は軽量になるほど細分化し、軽い選手は多くの階級にバラける仕組みになっている)。
※9
「龍虎の拳の謎」(新声社)では、リョウが筋肉隆々の日本人体型、ロバートはスレンダーに見えるヨーロッパ体型であるから(この体重差はおかしい)、となっているが、ゲームを見る限りロバートも筋肉隆々であるし、実際に測定上17kgの体重差があるのだから、そこに異を唱えるのは考察本としてはどうかと思わないでもない。
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一人称は「オレ」もしくは「わい」。好きな服のブランドはアルマーニ。
好きな食べ物は寿司とヤキソバ。特にサカザキ家で食べるユリ手作りのヤキソバが大好物。
嫌いなものは幼い頃にリョウに食べさせられたラッキョウで、「KOF'96 NEOGEO COLLECTION」の時点でも「なんやねんあれは!」と怒りは収まらない様子。
髪は基本的に長く伸ばしており、若い頃は首の後ろでくくっているが、年齢を経るにつれて髪にカールがかかっている。
好きな歌手は「a-ha」で、毎朝名曲「Take On Me」で目覚めるのが日課。また自分でも楽器をたしなむのか、「KOF'98UMOL」のカードにはバイオリンを弾いているシーンのものがある。また「SNK All Star Brawl」では街で「KOF」の次に大規模な音楽イベントを自ら開催している。
好きな言葉は「真実一路」。
ただし「SNKオールスター」日本語版の公式サイトでは、
「男装の麗人でムエタイの使い手。女性格闘家たちのリーダー的存在」と、全く異なる人物像で紹介されている(
※10)。
最強の虎48歳、衰える様子無し。
(「餓狼-MOW-」より)
趣味は車のコレクションだが、「龍虎外伝」の公式ストーリーで乗っている車がACコブラ、「龍虎2」の自分のステージ(ガルシア家の別荘)にあるのがフェラーリF40であることを考えると、半端ではない入れ込みようである(※11)
※11
どちらもマンションが買えるお値段。フェラーリF40は日本で1987年末に登場したときのディーラー価格は4650万円でありバブル期には2億6000万円を超えたこともあるが、実は近年(2023年)はさらに価値が上がっており、良コンディションのノーマル車だと3億円をつけるときもあるという。また、ACコブラMKV S/Cセミ・コンペティションは世界で最も希少な車種のひとつで、1億5000万円という価格がつけられたことがある。
その他の車のコレクションはこちら。
フェラーリ | ランボルギーニ | 他 |
512BB(ベルリネッタ・ボクサー)
DINO(ディーノ)
デイトナスパイダー
テスタロッサ・ケーニッヒ
F-40 |
カウンタックLP500S
カウンタック・クワトロバルボーレ
イオタ
チータ |
ランチャ・ストラトス
ACコブラ
トヨタ2000GT
……等、30台ほど所有。 |
(「龍虎の拳の謎」より)
「君はヒーロー」のコラボストーリーでは、愛車ごと異世界に飛ばされてしまい、しかも如月影二によって事故を起こされ廃車にされてしまったが、ロバート自身はあまり気にしていなかった。
ただし「大事なものは車のコレクション」というのは表向きで、本人は「KOF'96 NEOGEO COLLECTION」で「本当に大事なものちゅーたらユリちゃんに決まってるやろ」と言っている。
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フェラーリについてはこだわりがあるらしく、「SNKギャルズアイランド 戦艦バトル 撃沈しちゃうぞ!」に出演したときには「フェラーリ599」という戦艦に乗艦している。フェラーリにわざわざ作らせたのか、名前を借りただけなのかは不明(フェラーリ599という車種は実在する)。
またニューコンセプトカーの開発に自ら乗り出したり、モータースポーツに積極的に参加するなど、平和な趣味の多いリョウとは異なりアクティブな一面がうかがえる。ただモータースポーツの成績は本人曰く「ボチボチ」のようで、単純に車の運転が好きなだけで、そこまで極めようという意思はないのかもしれない。
「ネオジオバトルコロシアム」ではモータースポーツに加えてゴルフにも手を出している。
「KOF14」以降、タクマが経営する飲食店「極限焼肉」には、ユリと共に積極的に運営に参加しており、修行の時間を削ってでも店に入っているらしい描写がある(KOF15)。
ただし、タクマが「極限焼肉」の前に蕎麦屋を始めると言い出した際には、運営資金の調達の難しさを理由に慎重な選択を求めており、結局この店は開店はしたもののすぐに閉店している(KOFオールスター)。
蕎麦屋から焼肉屋に至ってロバートの態度は180度変わっているが、彼にどのような心境の変化があったのかは不明。
93年のアニメ版ではかなり酒好きであるらしい描写があったが、2017年のCGアニメ「THE KING OF FIGHTERS:DESTINY」ではなぜか下戸にされており、やはり酒の飲めない二階堂紅丸と酒の飲み比べをして悪酔いしていた。
勝利ポーズで、指で真上にはじいたコインを気取ってキャッチするポーズがあるが、このコインについてのエピソードが「龍虎の拳外伝」の初回限定版に付属していた冊子で公表されている。
またかなりの映画ファンでもあるのか、KOF2000の英語版では勝利メッセージに「Little Shop of Horrors」というB級ホラーからの引用がある。
2013年登場のパチスロ「龍虎の拳」では、通常時にリョウと二人で黄昏ていたり街中を歩いているシーンがあるが、公式でこのツーショットは実は貴重かもしれない。
わいの愛を受け取ってやー(「KOF11」より)
プレイステーションのADV「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」では「十種神宝」の一つ「蛇比礼(※12)」を司る存在とされている。
※12
神話の時代から伝わる神器。
天璽瑞宝十種の一つで、神事の際に魔除けに使用される布。大国主の神話に登場する「比礼」と関連があるともされる。
古代鑪製鉄の神事で、溶けた鋼鉄から下半身を守るための前掛けだったものが魔除けに転化したものと思われる。
蛇のように這い、地から這い出して来る悪霊の他、名前にもある「蛇」に関する悪霊に特に強い。また虫による害を癒してくれるとも。
なお、キングの項目でも書いたが、「比礼」とは女性が両肩に後ろから掛けて前に垂らす
一幅または
二幅仕立ての細長くて薄い、白い絹布。肩巾、領巾ともいう。
大阪市平野区の式内楯原神社には「十種神宝」とされるものが祀ってあるようだが、真贋のほどは不明。
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ちなみに、イタリア訛りの強い英語を表現するために日本語表記では【関西弁】を喋るとされているが、当初、実際に彼が話していたのは【関西弁】ではなく【河内弁】だったらしい(関西方面でも特に語調のきつい方言である)。
そのせいか93年のアニメ版ではそうとう口が悪いキャラクターにされており、天獅子悦也版コミック「龍虎の拳」でも普段は笑顔で義理堅い性格だが、怒らせると一変、フェラーリで相手に躊躇なく突撃したり、相手が苦し紛れに持ち出した機関銃つき装甲車を正面から素手で撃破するなど、かなりドスの効いた怖さ・強さを見せる。
(普通の格闘家は装甲車を見て「おもろい玩具繰り出してきたやんか!」「勝負したるどコラ!」と笑いながら言わない)
また「君はヒーロー」に出演した際には、飛ばされた異世界で英語の臨時講師になるはずだったが、キングとユリにそのイタリア訛りのきつさを指摘され、残念ながら断念し、空手部のコーチに就任した。
ロバートが関西弁になった理由は諸説ある。SNKによれば「イタリア訛りの英語と関西弁はイントネーションが近いようなので、あえて日本語表記は関西弁にした」とのこと。
ただし、最も初期に公開された「龍虎の拳」販促用冊子付属(森気楼)では、標準語を話している。
「龍虎の拳」初登場時は、ケツアゴでがっちりしたいかにも「ガイジーン!」という感じの風貌だったが、「龍虎の拳2」でマッチョながら態度や行動がスマートになり、「KOF」や「龍虎の拳外伝」などを通して年々「スマートでオシャレな伊達男」というイメージを築いていった。
(逆にリョウは「KOF14」「KOF15」で明らかに筋肉量が増大しており、ロバートよりも筋肉質な体型になっている)
「龍虎の拳」から、すでにリョウとは似た技を使いながらも個性化がはかられていた。「KOF」シリーズではスタンダードな性能であるリョウとは異なり、ややクセのある性能になることが多い。龍撃拳がダンの我道拳になったり、技全体がそのまんまガイルにされたり、挙句にためキャラにされたりと、ほぼ毎年、ユリ以上に派手なマイナーチェンジを加えられている。「KOF2003」では、「グラップラー刃牙」シリーズに登場する斬撃空手家・鎬昂昇の必殺技「紐斬り」の構えから龍撃拳を蹴りだし、一部で「ロバートがついに壊れた」と噂されたが、「KOF12」以降、ようやく落ち着いている。
(「KOF2002UM」ではコマンド技仕様の表ロバートとタメ技仕様の裏ロバートの両方を使用可能)
「龍虎の拳2」で彼の使う「幻影脚」は、シンプルな意味で格闘ゲームで最も格好いい技の一つ。
またかなり後になって判明したようだが、「龍虎の拳2」の特殊技「スライディング」が、実は追加コマンドで猛烈な勢いで連発できるうえに、一発はいるとそのまま相手が死ぬまで入り続ける即死連続技になるので、実質「龍虎の拳2」ではロバート一強状態である。
時には師匠の店を宣伝する心優しき一面も。
「KOF A NEW BIGINNING」(あずま京太郎)
「KOF13」設定資料より。ガルシアグループ系列のブランドロゴ。
(「龍虎の拳2」では、「リョウが身軽な体格を生かして空中虎煌拳を編み出したのに対し、ロバートはリョウより骨太な体格を生かして体ごと相手に突撃する「飛燕龍神脚」を開発した」というエピソードがあるが、KOFスタッフはそんなこと知らないだろう。
「KOF2001」のスタッフインタビューでは、メインビジュアルを務めたイラストレーターがロバートを「マフィアの息子で女たらし」と呼んだことで、ファンから凄まじい反発を買い、後に「このときは現場が混乱していてスタッフから正しい情報が伝わっていなかった」と釈明する羽目になった)
また、「CAPCOM vs.SNK」では「大会のスポンサーの御曹司」という同じ立場でありながら、ケン・マスターズは出場したのにロバートは出場できなかったり、「ヴァイスシュヴァルツ」ではリョウが「竜」属性なのに対してロバートは「動物」属性でひとまとめにされちゃったり(たしかに「虎」=「動物」だが……)、「KOF」では微妙にユリに相手にされていなかったりと、意外と報われない立場である。
「KOF」のユリは、「兄に自分の実力を認めさせる」という設定がよりクローズアップされており、リョウに執着を見せる一方で、ロバートとの関係にはあまり言及されない。PS2版「KOF11」では、ロバート、ケンスウ、ラモンでクリアすると「片想いチーム」という特殊エンディングになるが、ヴァネッサがラモンに苦笑し、アテナがケンスウに照れ笑いで誤魔化しているのに対し、なぜかユリだけは微妙に嫌な顔をしている。他の二人より花の数が少ないのが不満なだけだろうか?
「キング・オブ・ファイターズ'94」(真行寺たつや/角川書店)では「あんなの」呼ばわりされ、同じく「キング・オブ・ファイターズ'94外伝」(鷹岬諒/新声社)では恋人扱いを全力で否定されたり、「KOF13」のvs.ユリの試合前デモではデートに誘っただけで病院送り宣言されるなど、さすがにちょっと可哀想になってくる。
また「龍虎の拳」の漫画化でも、天獅子悦也版では理性的に、ゴッセージ版ではやや浮かれてユリへの思いをたびたび口にするが、ユリからははっきりとした返事がないことが多い(※13)。
※13
「KOF A NEW BEGINNING」(あずま京太郎/講談社)では言及すらされない(が、息があったコンビ芸を披露している)。
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「電撃CD文庫 KOF'94」では、ロバートがユリとの新婚生活を妄想している(よりによって丹下桜(が演じるユリ)に「二ヶ月なの……」などと不埒極まりない台詞を言わせている)一方、ユリの方はロバート本人に言及する台詞がまったくない。
2019年にKOFファンを阿鼻叫喚の渦に叩き込んだ「SNKオールスター」では、ついにユリの手下に成り下がった。さらに、ユリからは「彼氏!? えっ? ロバートさんのこと? 嫌だわ、誰があんないやらしい奴!」と、絶対にユリが言わないであろうセリフが公式に存在し、ファンを驚愕させた。
さらに「KOF'98 ULTIMATE MATCH Online」では、リョウが「オトコマエ」、タクマが「ダンディ」という「宿命」を持っているのに対し、ロバートの宿命は「イロモノ」であり、ド直球にお笑い要因にされてしまっている。
また、女性が主人公でロバートが攻略対象の一人となる2019年の恋愛ADV「KOF for GIRLS」では、ユリとの関係は最初からまったくなかったことになっており、ロバート自身がユリについて言及するのは、全ストーリーを通して「(リョウの)妹」の一言のみである。
ユリが態度ではっきりとロバートへの好意をあらわしているのは、CD「龍虎の拳外伝 アレンジサウンドトラックス」に収録された短編ドラマと、サイトロンアンドアートの「龍虎の拳外伝」の攻略ビデオくらいだろう。
なお、漫画「龍虎の拳」(ゴッセージ)ではリーパイロンの毒の爪からリョウを守って一度死亡しているが、リョウの放った「極限流肝撃拳」によって蘇生している。
「KOF for GIRLS」のバトルソングアルバム「KING OF FIRE」では同じチームのリョウ、包とともに「不撓不屈」という歌を歌っている。
担当声優は、
- ジェームズ・W・ホーヴ氏(James.W.Hove)氏(「龍虎の拳」)
- 稲毛一弘(Kay稲毛)氏(「龍虎の拳2」「KOF'94」「95」「11」〜「13」「ネオジオ・バトルコロシアム」)
- 小市慢太郎氏(「KOF'96」〜「2003」、「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」)
- 四宮豪氏(「KOF14」「KOF15」「KOFオールスター」)
- 岡本和浩氏(「KOF for GIRLS」)
- グレッグ・アーウィン氏(Greg Irwin)(「KOF12」)
- 池田政典氏(アニメ「バトルスピリッツ 龍虎の拳」)
- 石川英郎氏(電撃CD文庫「KOF'94」)
- ニック・サリバン氏(Nick Sullivan)(海外版OVA「BattleSpilits Art of Fighting」)
- 金峰氏(アニメ「THE KING OF FIGHTERS DESTINY(中国語版)」)
初代「龍虎の拳」のエンディングで、ユリとリョウが日本語で深刻な会話をしている中、突然ロバートがイタリア語で「ユゥリィ……」とつぶやくシーンは、(笑っちゃいけないのだが)どうにも笑えてしまう。
イメージモデルはスティーブン・セガール、外観モデルは「特攻野郎Aチーム」の「フランキー・サンタナ(エディ・ベレツ)」だが、むしろ「龍虎2」のテレビCMでロバートを演じたティモシー・ローウェル氏が、恐ろしいくらいに似ていた。
また「KOF14」以降はイギリスの俳優オーランド・ブルームがモデルとなっている。
なお、米国には同姓同名の元政治家ロバート・ガルシア氏(1933-。下院議員1978-1990)がいる。
TVCM「龍虎の拳2」のメイキングより。ユリ役の浜崎歩(当時15)とロバート役のティモシー・ローウェル(当時24)。
今(年)から年前、アニメ版「バトルスピリッツ 龍虎の拳」で、行方不明の猫を追って見知らぬ人の家にリョウと共に侵入し「スコッチをすこっち(少し)いただきまひょか」と言って、アニメ開始5分で窃盗(盗み飲み)に走った姿を知っているファンはもう少ないと思われる。
(リョウは少なくとも仕事で、自身も「仕事だから仕方ないよな?」と疑問を持っていたが、ロバートは無関係であるうえに「仕方ない!
」となぜか彼が断言していた)(※14)
※14
――――――事件の一部始終――――――
ロバート「ぎひひひひ、ナイスバデェなかわい子ちゃんが着替え中〜……てなことは、ないか」
リョウ 「この場合、猫を連れ戻しに入るのなら不法侵入にはならない、って解釈はなりたつと思うか?」
ロバート「思う。覗きでも泥棒でもない」(※15)
※15
たしかに覗きでも泥棒でもないが、不法侵入であることに間違いはない。日本では3年以下の懲役、又は10万円以下の罰金である(刑法130条)。不法侵入は未遂でも罪になるので注意(窃盗罪なら10年以下の懲役、又は50万円以下の罰金)。
また、出ていくよう勧告されても従わず不法侵入を続けた場合は「不退去罪」となり、こちらも3年以下の懲役または10万円以下の罰金である(刑法132条)。
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――――
リョウ 「おいおいおい、そのへんのもの、やたらと触るなよ」
ロバート「ナイスバディには違いないけど、男のようやの」
リョウ 「おーい、子猫ちゃーん、500ドルー」
リョウ 「おーい、お嬢さーん、おーい」
ロバート「なんや、電気とめられとんのか」(
※16)
※16
実は、この一言が物語の伏線となっていた。
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ロバート「ん? おお〜、珍しいスコッチがあるでぇ。この場合、のどがかわいているという自然の欲求に従うべきやな」
ロバート「
スコッチを、すこっちいただきまひょか〜。なーんつって」
ロバート「一杯どうや?」
リョウ 「やめとけやめとけ。ったく、酒ときたら目がないんだからな、お前は」
――――突然飛び掛かって来た猫に驚いて、窓の外にグラスの中身をぶちまけてしまうロバート。
――――と、そこに美女発見!
ロバート「! やあ〜、こんにちは。お名前は? このあたりにお住まいですか? あーそやそや、オレの車であの、一緒に海でも見に行きませんか? あの! 電話番号は!? あん、電話ばんご……!」
――――車で去る美女
ロバート「あれこそ、ナイスバァディーや」
リョウ 「なにが「オレはユリちゃん一筋」だ……まったく!」
ロバート「ああ〜〜〜」
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YRS、
THE KING OF FIGHTERS DESTINY、
援護攻撃、
カーマン・コール、
絆バグ、
極限の光、
極限無双、
極限流空手、
クリスマスの少女、
シリウスの瞳、
タクマ・サカザキ、
バトルスピリッツ 龍虎の拳、
飛燕旋風脚、
火引 弾、
フレア・ローレンス、
リョウ子・サカザキ、
リョウ・サカザキ、
ロバート・カルシア、
ロバートさん! わざわざ私のために?、
ワイラー