ユリサカ用語集 - ラ行

雷煌拳
名称・必殺技・全タイトル

 地上で気を練ってから飛び上がり、空中から斜めに気弾を撃ち下ろす飛び道具系必殺技。
 登場タイトルによって性能が激変する必殺技で、「龍虎の拳2」及び初期「KOF」では垂直に飛び上がって斜め下に気弾を撃ったが、「KOF96」〜「KOF98」では、斜めに飛び上がって気を込めた腕を振り下ろす突進技になり、更にそれ以降は空中入力の飛び道具になっている。

  • 本人が垂直ジャンプから弾を撃って垂直に落下したり(「KOF94」など)、
  • 斜め前方ジャンプから弾を撃って本人はそのまま真下に落下したり(「KOF98UM」の裏ユリなど)、
  • ジャンプの軌道が変わらない(本人と弾がほぼ同じ軌道で飛んでいく)(「KOF2002」など)
 など、様々なバリエーションがある。「KOF14」だと弱が「本人が一瞬滞空して球を斜め下に撃ち落とし、本人は真下に落下」、強が「ジャンプ中に斜め下に発射し、ジャンプ軌道が変化しない」と効果が異なる)
(地上と空中の両方で使える作品もある。また「KOF'98UM WEB」では「龍虎の拳2」版と「KOF'96」版の両方を使うことができる)
「SNKギャルズファイターズ」では、ジャンプしてから巨大なピコピコハンマーを振り下ろす打撃技になっている。

 気弾を撃ち落すバージョンの場合、相手の足元を狙うとしゃがみガード不能になる場合が多い。また、着弾時にあがる火柱にもダメージがあるが、見た目ほど攻撃判定が大きくない。
 作品によって性能はまちまちだが、相手の足払いや飛び道具をかわしながら撃てるため、通常技のリーチに乏しいユリにとっては、虎煌拳とともに牽制技として頼りになる場合が多い。
 ユリは攻撃力・リーチ共に欠けるため、強キャラに入るゲームはあまりないが、この「雷煌拳」と「砕破」が強めに調整されているゲームでは強キャラになる傾向がある。

「KOF'96」以降の雷煌拳は「小ジャンプから両腕を振り下ろす」タイプだが、「相手との距離によって攻撃判定の発生時間が変わる」という面白い特性がある。相手の至近距離で地上雷煌拳を出すと、相手の頭目掛けて低い位置で気弾を出す「昇り雷煌拳」になる(ただし、しゃがみガード可能で、しかも至近だと相手の反撃確定。しかもギースの当て身投げに捕獲される)。
「98UM(表)」では技の途中で相手を飛び越えても、自動で振り向いて相手を攻撃してくれる。
「98UMFE(表)」では地上雷煌拳の硬直が減少し、場合にもよるがユリ側が有利になる場合が増えた。空中版は出せる高度が下がり、小・中ジャンプからでも出すことができるようになった。しゃがんでいる相手に小ジャンプ雷煌拳(立っている相手にはジャンプAキャンセル雷煌拳)を連発するとかなりの驚異となる。
「98UM(裏)」では地上版が削除され、空中専用技になった。小・中ジャンプでは頂点付近でないと出せないが、ダウンした相手への追い打ちとして使用できる。主にMAX飛燕鳳凰脚からの追撃に使う。
「KOF2002UM」ではギリギリまでひきつけて出すと雷煌拳の着地後に立ち強Pがつながるので、「雷煌拳→立ち強P→ちょうアッパー(芯! ちょうアッパー)」という連続技が可能。
「KOF13」ではEX雷煌拳が高いガードクラッシュ値を誇り、この技を絡めた連携が高い確率で相手のガードクラッシュを誘発できる(「13」以降のEX雷煌拳は気弾が二発発射される)。必殺技「鳳翼」からの派生技としても発射可能。
「KOF14」でも「鳳翼」からの追加入力技として使用できるほか、弱雷煌拳が非常に強く、これを適当にバラまいて接近する戦法が強力。
「KOF15」では、弱・強ともに同じ角度で飛んでいくが、弱が落下途中で一瞬本人が滞空して弾を打ってから再落下、強が落下しつつそのまま弾を撃つため、弱・強の飛距離が異なる。
 ゲームボーイの「熱闘KOF'95」では気弾の角度が浅く、かなり遠くまで飛んでいく
 2020年に「時空召喚」にコラボ出演した際には、飛距離が長めなうえ、地面に巨大な亀裂が入るほどの破壊力がある。そして、なぜかビンタを一発おまけで追加することができる。
 香港製RPG「SNK FORCE:Max Mode」では、他のスキルからの追撃ダメージを与えられるほか、相手を「麻痺」状態にすることができる。
 さらに、「KOFアリーナ」では連打による基本コンビネーションで、「燕翼 → 雷煌拳 → 極限流砕破 → ちょうアッパー」という必殺技のオンパレードに混ぜて使用している。


一度のジャンプで三発発射する超必殺技(名称不明)(「KOF'98UM WEB」)。

 地上から飛び上がって気弾を打ち落とすバージョンの場合は、しゃがみ強Kにキャンセルをかけて使う場合が多い。
 空中入力の場合、ユリはキャンセルのかかる空中通常技がほぼない(※1)ので空中連続技には期待できないが、雷煌拳→(着地)しゃがみ通常技(主にしゃがみ強キック)が重要な連携となる。また雷煌拳が低くヒットした場合は地上通常技が連続でつながる場合もある。

「KOF'98」の裏ユリ、および「CAPCOM vs.SNK2」の雷煌拳は、飛び道具を反射する必殺技で返されると、普通の飛び道具と同じ高さで真横に飛んでいく。他のタイトルでは未確認。

「龍虎の拳2」でユリが初登場したときから使っている技で、同時にユリが始めて公開したオリジナル必殺技である。
「餓狼伝説」や「龍虎の拳」の世界観では、空中で気を練って撃ち込むという行為は、ギース・ハワードやリョウ・サカザキなど、一部の天才・凄腕の人物しかできない至難の芸当である。それをユリは「地上で気を練った後、それを保持したままジャンプ、空中から撃ち下ろす」という見事な逆転の発想で解決した。このあたりが、兄も感心するセンスの良さなのだろう。
「KOF MAXIMUM IMPACT 2」で登場した超必殺技「天翔覇王翔吼拳」も、このアイデアの応用と思われる。

「KOF'94」のCPUユリは、中間距離で小技を連打していると雷煌拳を誘うことができた。ゲーメストの攻略ビデオでは「(着地が隙だらけなので)連続技のいい練習になる」と、悲しいことをいわれていた。


海外版のインストカードから抜粋してみた。
「らいおうけん」と「らいこうけん」が混在している。

 名前は、恐らく「雷のように空から降ってくる虎煌拳」といったニュアンスで名づけられたものだが、「餓狼伝説3」に登場する望月双角の召喚する「雷神」に関連するという異説も、一部にはある。

 この技は、海外版タイトルではなぜか読み方が「らいおうけん」と「らいこうけん」で分かれている(右図参照)。
 恐らく引き継いだスタッフが読めなかったか、紅丸の雷光拳と混じってしまったのだろうか(「雷光拳」は「HEAVEN BLAST FLASH」でほぼ統一されているので、混じったわけではないとは思うが)。

 ボイスは「らいおうけん!」。海外版「KOF MAXIMUM IMPACT」でも、ちゃんと「ライオウケン!」と言っている。

 なお、真行寺たつや「THE KING OF FIGHTERS'94」では、vs.大門戦で、「砕破」のポーズで「虎煌拳」のような気弾を撃ちながら「雷煌拳!!」と叫んでいるシーンがある。フェイントを仕掛けたのか、素で間違えたのかは分からないが、ごっちゃになりすぎである。

虎煌拳砕破真行寺たつや覇王雷煌拳雷煌拳EX

雷煌拳EX
アクティブスキル・KOFオールスター

「KOFオールスター」の「スペシャルシグネチャー・ユリ」の使用するアクティブスキル(必殺技)で、雷煌拳の強化版。
 技名は「雷煌拳」となっているが、「ユリちょうアッパー」で空中に打ち上げた相手に「雷煌拳」二発同時発射で追い打ちする連続攻撃であり、「KOFアリーナ」でもこちらのバージョンで使用する。
 雷煌拳着弾後の火柱でも相手を追撃可能な状態で空中に打ち上げることができるが、画面端で発射すると雷煌拳が画面外に飛んで行ってしまい、敵にあたらなくなる。
 敵に攻撃力の754%のダメージを与えるほか、使用後7秒間、攻撃力が35%アップする。
 さらにスーパーアーマー(ハイパーアーマー)状態の敵に命中時、最大70%の確率で敵のスーパーアーマー(ハイパーアーマー)を解除することができる。
「スペシャルシグネチャー・ユリ」は気合が入っているのか、通常状態で常に身体が帯電しているが、残念ながら必殺技に感電ダウンの効果はない(通常ダウンである)。
 クールタイム10.6秒。

虎煌拳虎煌拳(チャージング)電撃ビンタ電神 覇王翔吼拳覇王雷煌拳ユリちょうアッパー雷煌拳

雷王原理
プロフィール・格闘技

 極限流空手の最も基本的な動き、動作。誘拐事件の後、空手を習いたいと言い出したユリに、タクマが教えたとされる。タクマはこの「雷王原理」という動作(型?)だけをユリに仕込み、後の指導はロバートに一任した。
 スペイン語版Wikipedia「Yuri Sakazaki」に記述があり、Google Chromeの翻訳機能で文章を日本語に変換すると出現する。この翻訳文章は色々と奇怪な表現があり、「龍虎の拳」について「結局、リョウとロバートはユリを人質に取ったミスター・ビッグの兵士ミスター・カラテと戦うが、ユリが自分がタクマであることを明かして阻止する」という、「変化球にも限度があるだろう」というミステリアスなストーリーが展開されている。

(実は「雷王原理」について記述があるのはスペイン語版だけではなく、タイ語版Wiki「」にも、「ユリは雷王流と呼ばれる低レベルの極源流流派を使います」とあり、海外では一定の範囲内で「雷王流(原理)」という極限流空手の基本流派が認知されている可能性が高い)

極限流空手極限流の基本タクマ・サカザキ雷煌拳ロバート・ガルシア

雷神 覇王翔吼拳
(電神 覇王翔吼拳)
名称・リーダー超必殺技・KOF

「KOF2003」に登場するユリのリーダー超必殺技。ユリをリーダーに選んだ場合のみ使用できる奥義。
 覇王翔吼拳のバリエーションの一つで、身体を帯電させながら巨大な気弾を放つ。
 普通に撃ってもガード不能という強烈さに加えて、コマンド入力後にボタン押しっぱなしで覇王翔吼拳の発射を遅らせることができる上に、ダメージと気絶値がレベル5まで上昇する。レベル3以上までためると、(気絶している相手に決めた場合を除き)相手が確実に気絶する。
(タメ時間は、ボタン押しっぱなし&レバガチャで短縮はできる)

 ただしためてしまうと技の前後の隙があまりに大きくなり、確定でヒットする状況はまずないため、CPU戦以外では使いどころが非常に難しい。
 この技はアルカディアの攻略本の数値データと実際に使用した際のダメージ感覚がまるで違っているのが特徴。アルカディアの攻略本では気絶値は高いもののダメージは悲しいほど低く、レベル5までためるとさらにダメージが下がるような記述があるが、実際に使用してみると、ボタン押しでのタメダメージはきちんとレベルごとに上昇する。

 なお、「KOF2003」に続く「KOF NEO-WAVE」に登場する「電撃ビンタ(ガード不能攻撃)」は、この「雷神 覇王翔吼拳」の基本理念を応用して開発された可能性がある。

 実はこの技は日本版が上記のように「雷神 覇王翔吼拳」とされることが多いが、アーケード版のインストカードとPS2版のマニュアルは「電神 覇王翔吼拳」となっている。
日本語版中国語版北米版

(資料によっては英語版でも「Den Shin Haoh Shokou Ken」と表記。スペイン語版SNKWikiでは「Denjin Haou Shoukou Ken」と表記。英語版SNK Wikiでは「Raijin Haou Shoukou Ken(Thunder God Supreme King Soaring Howl Fist)」との表記も確認)
 さらに「KOF OFFICIAL WEBSITE(旧ページ。現在は改装済み)」では「雷神」になっているアリサマであり、もうわけがわからない。
「雷神」と「電神」のどちらと解釈するかかなり迷ったのだが、どちらにも根拠があり「こちらが正解だ!」と断言できる強力な要素に乏しいので、当サイトでは「電神」も「雷神」も両方正解という説を採る事にした。

 名称の元ネタは「ストリートファイター3」のリュウのスーパーアーツ「電刃波動拳」。ボタン押しっぱなしの気絶に関する効果もほぼ同じだが、「ガード不能」で(「ため」という条件にもよるが)「気絶確定」という効果は、初代「龍虎の拳」の覇王翔吼拳を再現したものともいえる。
 英語版「SNK Wiki」では、「雷神 覇王翔吼拳は、リュウの電刃波動拳に対する彼女の答えである」とされている。ユリがリュウのスーパーアーツを見て彼女なりに解釈した解答が、この大技なのかもしれない。

虎煌拳電撃ビンタ電神 覇王翔吼拳覇王翔吼拳覇王雷煌拳

リ・ヴァース
民間伝承・怪異・KOF15

「KOF15」の中ボスキャラクターで、決勝戦の終了を待っていたかのように、その場にいたイスラの「アンプスペクター」の力を媒体にこの世界に顕現すると同時に、自らとKOF優勝者を別次元のスタジアムに移動させ、そこですべてを破壊しようと暴れ始める。
 その容姿は、イスラの姿を模しているせいか、前作に出現した異次元の大男「バース」に比較してかなり小柄であるが、まるで土偶のような鎧に身を包んでいるなど、類似点も多い。
 元来、アフリカに伝わる伝承において、創造神がこの世に降臨する前に、必要な量の魂を集め、神のためにくべる役目を持っている。そのため、「14」の「バース」と「15」の「リ・ヴァ―ス」は元来、男女の容姿が異なるだけで、同じ役目を持つ存在である。本来の呼び名はどちらも「リ・ヴァ―ス」であり、「バース」は前作でハイデルンが都合上つけたもの。
 神の為に魂を集めるのが役目なので、KOFで行方不明になった者をはじめとし、「バース」と同じように複数の魂をその体内に保持しており、「バース」はアッシュ・クリムゾンやオロチ、「リ・ヴァ―ス」はレオナの父・ガイデルの魂を内包していた。
(我らとは異なる時空(次元)を生きるリ・ヴァ―スやバースが、時空と時間を曲げてしまったアッシュ事件よりも以前のKOF関係者の魂を内包していた理由は謎である)
 ドロレス(彼女も死後、バースの消滅で復活した人間である)曰く「リ・ヴァ―スがこちらの世界に現れることは絶対にありえない」そうだが、「KOF13」でアッシュ・クリムゾンが歴史を変えて消滅してしまい、その影響で空間に歪みが生じたことで降臨したらしい。
 ドロレスはさらに、「リ・ヴァ―スを倒すことはできない」と悲壮的な考えを示唆したが、イスラ自身の絶対的な自信と前向きの発言で考えを変え、KOF優勝者と共にその撃退に成功、改めて出現した「神」と対面することになる。

 担当声優はイスラとの兼役でLynn氏。

イスラオトマ・ラガバース

劉勝男
人物・グループ

 りゅう・しょうなん/リウ・シェンナン。中国・上海に本拠を置くアイドルグループ「SNH48」チームXのメンバーで、2017年のCGアニメ「THE KING OF FIGHTERS DESTINY」でユリ・サカザキのモーションピクチャーに協力した。
 中国湖北省孝感市出身。1997年9月9日生まれ。身長161cm。2015年に「SNH48」六期生のオーディションに参加し、2016年1月8日に参加が決まった。直後の4月には北京に本拠を置く姉妹グループ「BEJ48」の発足と同時に移籍、同年9月にチームEの副キャプテンとなり、2019年にはチームEのキャプテンを務めた。
 2019年4月20日、キャプテンを退任。7月27日、SNH48グループ第6回アイドル年間人気決定戦『New Journey』 に出場し、本人は35位、BEJ48は6位を獲得。2020年8月15日、SNH48 GROUP「熱い青春を創る」第7回アイドル人気決定戦に出場し、本人33位、BEJ48は4位を獲得。9月4日、SNH48チームXに移籍。
「Sylvans」というニックネームがあり、ラテンダンスを六年間習った経験からか、舞台での雄大な演技や振り付けで人気があるそうだが、本人はあまり自分の仕事に自信を持ってはいないそうである(「小樹」というニックネームもあるそうだが公式では未確認)。
 中国版のTwitterである「微博(weibo)」では自身のアイコンを頻繁に変えることでも有名。古い映画の鑑賞が趣味のようで、特に「畢業生(卒業生)」という映画は何度も見、自分の仕事と重ね合わせて考えることが多いという。
 現在は北京在住のようだ。

BEJ48THE KING OF FIGHTERS:DESTINYアランチャ・アライステギエイミー・ウォールズ加隈亜衣鮭延未可丹下桜陳奕晴山ミキ浜崎歩ベロニカ・テイラーほりえかおり

リザーブ
システム・龍虎の拳2

「技の予約」「先行入力」のこと。「龍虎の拳2」をプレーしていると、やたらと通常技や必殺技が暴発する印象があるが、この原因が「リザーブ」である。
「龍虎の拳2」では、技の先行入力をかなり豪快に受け付けており、自分がピンチになったときにあわてて必殺技コマンドを何度も入力すると、CPUがその入力を覚えていて、相手の状況に関わらず自分が行動可能になると同時に予約されたその必殺技を撃ってしまうのである。

 ややこしいのは「キャンセル」とは違うこと。
 例えばリョウ・サカザキの立ち強パンチは「暫烈拳」だとキャンセルできるが、「虎煌拳」ではキャンセルできない。しかし「立ち強パンチ→虎煌拳」と入力すると、リョウは実際に「立ち強パンチ→虎煌拳」と技を出す。
 だが、これは正確には「キャンセル」ではなく「リザーブ」である。「立ち強パンチ(キャンセル)虎煌拳」ではなく、「立ち強パンチの後に予約された虎煌拳を出した」という状態なので、リョウはちゃんと立ち強パンチを引っ込めるモーションを出すし、虎煌拳は連続では繋がらない。

「龍虎の拳2」を難ゲーにしている原因であり、初心者殺しのシステムではあるが、「龍虎の拳2」の強烈なCPUはこの「先行入力」にまで厳しく反応するので、逆にCPU対策では必須のテクニックでもある。
 なお「KOF」でもリザーブは受け付けているが1/60秒程度であり、「龍虎の拳2」のような豪快なことにはならない。

キャンセル虎煌拳リョウ・サカザキ

理想体型
人体

 理想体型の指標にも様々あると思うが、有名なものは、下着メーカーのワコールが提唱した「ゴールデンカノン(※1)」だと思われる。
 それに曰く、女性の理想的なボディラインは、

  • バスト…… 身長 × 0.54
  • アンダーバスト(20代)…… 身長 × 0.44
  • アンダーバスト(30代)…… 身長 × 0.45
  • アンダーバスト(40代)…… 身長 × 0.46
  • ウェスト…… 身長 × 0.38
  • ヒップ…… 身長 × 0.54
  • 太もも…… 身長 × 0.31
 ……だそうである。
 これを身長168cmのユリに当てはめてみると、理想体系は、バスト90.7cm、アンダーバスト73.9cm、ウェスト63.8cm、ヒップ90.7cm、太もも52.1cm、となる。

(余談だが、理想的な頭身は7.5頭身で、ヒップの高さがちょうど全体の50%の高さになるといいという。
 また、前面から見た横幅の理想のバランスは、【肩幅:トップバスト(いわゆる左右の乳首の間隔):ウェスト:ヒップ】の幅がそれぞれ【 16:8:10:14 】。
 身体を横から見たときの理想的なバランスは、【バスト:ウェスト:ヒップ】のバランスが【13:10:14】になるのが、最も美しいスタイルだそうである)

 なお、2016年の「KOF14」からはキャラクタープロフィールから「スリーサイズ」が削除された。

 体重の指標で有名なものには、BMI、ブローカ桂変法、ローレル指数、カウプ指数などが、あまり有名ではないかもしれないが他にも、トレフェゼン式BMI、トリポンデラルマス指数など、「体格指数」と呼ばれる指数は多数存在する。
 ローレル指数、カウプ指数は子供向け指数のため除外するとして、

  • BMI……体重(kg)÷(身長(m))2
    (18.5未満(痩せすぎ)、18.5〜25(標準)、25〜30(肥満1度)、30〜35(肥満2度)、35〜40(肥満3度)、40以上(肥満4度))
  • ブローカ桂変法……体重(kg)÷(身長(cm) - 100)×0.9
    (79未満(痩せすぎ)、80〜89(痩せ気味)、90〜109(標準)、110〜119(太り気味)、120以上(肥満))
  • トレフェゼン式BMI……(1.3×体重(kg))÷身長(m)2.5
    (18.5未満(痩せすぎ)、18.5〜25(標準)、25〜30(肥満1度)、30〜35(肥満2度)、35〜40(肥満3度)、40以上(肥満4度))
  • トリポンデラルマス指数……体重(kg)÷身長(m)3
    (7未満(過低体重)、8〜10(低体重)、11〜15(正常体重)、16〜18(太り過ぎ)、19以上(肥満))(資料によりバラつきが有り)
 上の基準に合わせて身長168cmのユリの「標準体重」の範囲を計算すると、おおよそ52.06kg〜71.12kgとなる。

バストブラジャーヒップ

龍が如く
ゲームタイトル

 セガが2005年・・・・・にプレイステーション2用に発売したアクションアドベンチャー。キャッチコピーは「伝説の男と100億の少女」。東京の架空の街「神室町」を舞台に、裏社会を生きる人々の抗争や生き方、人間模様を描く。
 主人公の桐生一馬を中心とした数々の人間愛憎劇はプレイヤーの心を直撃し、100万本を売り上げる大ヒットとなって以降、大人気シリーズの一つとなった。
 2024年現在、ナンバリングの最新作は「8」。他、スピンオフ作品4本の他、関連作品として「クロヒョウ」シリーズ、「ジャッジアイズ」シリーズがある。「龍が如く」シリーズの売り上げは2130万本以上。

 さて、ユリ・サカザキとは何の関係もなさそうなこの人気シリーズだが、実はそのアニメ版にユリが登場している可能性がある。フランス語版のユリのWikipediaによると、1993年・・・・・発売のOVA「龍が如く」にユリ・サカザキ(CV:浜崎あゆみ)が出演していたことになっている(Google Chromeの翻訳機能による)。
 この記述が正しければ、人気ゲーム「龍が如く」は10年以上前に発売されたアニメのゲーム化ということになる。
 当時は深夜アニメの定着や衛星放送の開始でアニメの裾野が広がってOVAのオリジナル性が薄れる一方、「神秘の世界エルハザード」などOVA・テレビアニメ・ゲームと全ての媒体で異なる設定を持たせた「メディアミックス」と呼ばれる形態の登場で、OVAの立ち位置も変化している時期だった。
 もしかしたら本作は、当時は見向きもされなかったこの名作に目をつけたセガが、自信と確信をもってお送りしたのかもしれない。さすが、大企業の先見の明と言わざるを得ないだろう。

(この記事が真実であるとの保証は一切いたしません。筆者(管理人)はあらゆる誤解に対して何ら責任を負うものではありません)

浜崎あゆみ

リュウ・サカザキ
人物・龍虎の拳

 スーパーファミコン版の「龍虎の拳」の主人公を務める謎の人物で、ユリ・サカザキの兄と見られている。
 同作を紹介した「週刊ファミコン通信」1993年7月2日号の解説で彗星のごとく登場した。このSFC版はリョウとロバート以外にも全キャラクターに超必殺技が用意される、独自解釈のエンディングがあるなどオリジナル要素が多いが、その中でも最たるものがこのオリジナル主人公の存在だろう。
 詳細は不明だが、恐らく下駄を履いたまま大型バイクを乗り回し、銃を持ったヤツが相手なら覇王翔吼拳を使わざるをえない、破天荒なところもある金髪の好青年だと思われる。

 実はリュウ・サカザキは「ゲーメスト」1992年11月号の「龍虎の拳」の紹介記事でも「ロバート・ガルシアのライバル」として紹介されており、単なる誤植にはとどまらない小さくない存在感を「龍虎の拳」の世界で放っている。

 なお、格闘ゲームファンが「リュウ」と聞けば、すぐに「ストリートファイター」シリーズの主人公を思い出すだろうが、そのリュウはガイルが主人公のハリウッド実写版映画では本名が「リュウ・ホシ」にされ、やはりガイルが主人公のアメリカ製アニメ(オープニングでブランカやT.ホークが空飛んでるやつ)では大阪にガールフレンドが、香港にいとこが住んでいることにされていたはずである(記憶違いだったらすいません)。
 SFC版「龍虎の拳」の「リュウ」がこの「ストリートファイター」の「リュウ」と同一人物かどうかは不明だが、もし同一人物なら、この妹の存在はそういった外部によるオリジナル設定の一つである可能性は低い。

 ただ、リュウとユリは全くの無関係というわけではない。というのも、アニメ映画版のファンブック「ストリートファイター2 メモリアル公式ファンブック」に掲載された漫画で、旅に出たリュウを彼の師の娘が後を追ってくるという展開があるのだが、リュウに思いを寄せるその師の娘は、

 他人の空似では済まされないほどユリにそっくりである(道着もほぼ同じである)。こうなると、リュウの師ゴウケンとタクマ・サカザキの関係が気になってくるわけだが……。

春日野さくらマリ・ナガサキユリ・サカザザキユリ・ナカザキユリ・サカニャキリョウ・サカザキ

龍虎の拳2ターボ
都市伝説

 1994年頃、関東の一部のゲームセンターで目撃されたと噂される幻の格闘ゲーム。
 当時、「ストリートファイター2」のゲームスピードをアップさせたバージョンアップ版「ストリートファイター2 ダッシュターボ」というタイトルがあったのだが、これに似たハイスピード版の「龍虎の拳2」を目撃したと真しやかに語られた。
「友達の友達から聞いたんだけど」というフレーズで語られた、典型的な都市伝説。

 ……ではなく、実は「龍虎の拳2ターボ」は実在する。
 というのも、「龍虎の拳2」のCPUレベルは1〜8の8段階で設定できるのだが、1〜4はCPUの動きの変化で難しくなる。しかし、レベル5以上は、CPUの動きはレベル4のままで、ゲームスピードがどんどん上がるかたちで難しくなるのである。
 当然レベル8ともなればとんでもないスピードになるらしい。当時のゲームセンターでは、レベル8設定の「龍虎の拳2」などほとんど見る機会はなく、偶然これを見たゲーマーが「龍虎の拳2ターボ」の噂を立てたのが真相のようだ。
 管理人が聞いたところでは、噂の発信源は東京都品川区であるらしいが、詳細は不明。

 ただし、MVS基盤は海外製のコピーゲームが非常に多く、そういう意味では「龍虎の拳2ターボ」が実在しない、とは言い切れない。

龍虎の拳29
タイトル

 今はなきゲーメスト(新声社)に広告を載せていたアーケード基盤販売会社「宇宙堂」の広告に登場する謎のタイトル。
「2018年発売」となっているが、「29ということは3〜28はいつの間に出たんや」とか「ストーリーはどうなっとるんや」とか「間にまた外伝は挟まっとらんのか」とか「誰が主人公なんや」とか「ロバートはどうなっとるんや」とか、即座に100個くらい質問が出てくるが、肝心の宇宙堂が存在しないらしい現在、謎は謎のままである。
 なお、この広告は「アルゴスの戦士 価格:有るごす」など色々とすべり気味であり、どれだけギャグがあるか調べてみると面白い。

THE KING OF FIGHTERS 20008ロバート・ガルシア

龍虎の拳トランプ
景品

「龍虎の拳1」のアーケード版が登場した1992年9月に“必殺技を探せ!”というキャンペーンが行われたが、そのときの景品が、この「龍虎の拳トランプ」だった。
 これは端々で存在がほのめかされた隠し技「龍虎乱舞」のコマンドを発見して景品をもらおうというものだったが、なにせ出し方はゲーム中完全ノーヒント。またコマンド自体も「 + Cを押しながらA」という特殊なもので、さらに「 + Cを押しながらA」という別のコマンドでも出せることが途中で発覚、挑戦者は大混乱に陥ったという。
 対戦モードを一人でプレイして発見しようとした猛者もいたが、「体力ゲージが一定以上減らなければ技が出ない」という条件に気づかない者が多く、発見は困難を極めたようだ。
 結局、一万人の正解者が出るのに四ヶ月かかり、1993年初頭に雑誌で正解が発表され、キャンペーンは終了した(逆に言えば、わずか四か月で一万人も正解者(報告者)が出たのは、当時の格闘ゲームブームの一端を垣間見ることができる事実かも知れない)。

 このトランプは裏面に龍虎の拳のロゴがドーンと描かれた派手なもので、ジョーカーは今や懐かしキャラであるゲーマントだった。
 ネットオークションでもなかなか出てこない珍品であり、5000円程度の価格がつくことも珍しくない。ちなみに、任天堂製である。

必殺技を探せ!キャンペーン

龍虎乱舞EX
フィニッシュスキル・KOFオールスター

「KOFオールスター」に実装されたバトルカード。このカードを装備することで、同作に登場するすべてのユリが同名のフィニッシュスキル(超必殺技)を使用できるようになる。
「KOF14」における「ちょう!龍虎乱舞」とほぼ同じ技で、敵に攻撃力の1356%のダメージを与える。クールタイム21.1秒。
 また攻撃力10%アップ&貫通力が400アップという追加効果がある。
「スペシャルシグネチャー・ユリ」は、同作のほかのユリよりも少し丸っこく、「龍虎乱舞EX」も「KOF14」の「ちょう!龍虎乱舞」や同作のほかのユリよりややデフォルメされて漫画的表現が強くなっている。また、すべてのユリで技中の表情が微妙に異なる。
 海外版での名称は「Ryuko Ranbu EX」。

 なお、ソーシャル対戦アクション「KOFアリーナ」では、リョウ、タクマ、ロバートも「龍虎乱舞EX」を使用するが、他の二名が普通の演出の乱舞技なのに対して(背景が黒一色にはなるが)、リョウの「乱舞」は背景が黒一色になるほか水墨画風の竹林が現れ、絵画の中で相手を連続攻撃しているような特殊な演出が入る。

ちょう!龍虎乱舞ユリちょう燕舞ユリチョップ

龍神館
地名・龍虎の拳

 漫画版「龍虎の拳」(天獅子悦也)に登場する道場名で、リョウ・サカザキとMr.カラテのラストバトルの舞台。
 ゲーム版「龍虎の拳」で、リョウかロバートでMr.BIGを倒すと、「港の近くにある空手道場を捜せ!不敗の格闘家がお前を待っている」と教えられるが、その道場のことだと思われる。
 漫画ではロバートの言から、Mr.カラテことタクマ・サカザキがサウスタウンで初めて設立した道場のようだが、「龍虎の拳」の時点ではすでに廃墟と化している。
 Mr.BIGは「港の近く」と言っているが、作中の表現では市街地のど真ん中のようにも見える。

 建築様式は純和風の平屋建てで、無骨で余計なものを嫌うタクマらしい道場といえるだろう。
 これもゲーム版「龍虎の拳」の初期アートワークスでは、事故でロネットを失ったタクマの失踪後、幼いリョウとユリは狭いアパートの一室に住んでいるようで、10歳のリョウに土地の後始末ができるとも思えないので、この道場の権利をなし崩し的に失ったか、何者かに奪われたと思われる。
(この設定に従えば、ロバートは武者修行の旅から帰ってきたばかりで、リョウは何者にも頼らずに一人でユリを育て上げたことになっている。漫画の設定では、何者かが名を隠してユリの進学費用を援助していた)

 劇中では、二人の激しい戦いの末に龍神館は床や天井が崩落し、完全に廃墟と化す。

天獅子悦也極限流空手タクマ・サカザキリョウ・サカザキロバート・ガルシア

リョウ子・サカザキ
人物・SVCカオス
[ 1 ]

 2003年の「SNK VS.CAPCOM SVC CHAOS」に出現した幻の存在。儚き一夜の夢。
 吸血鬼であるデミトリの必殺技「ミッドナイトブリス」は、彼が心地良く吸血活動を行う為に男性を強引に女性に変え、女性は美しさはそのままにドレスアップさせて掴み上げ、体液を搾り出して吸い上げる。
 その間、対象となった人物はデミトリの行為が終わるまで女性のままである。元来はデミトリの出演作「ヴァンパイア」シリーズの必殺技で、そちらでは人間離れしたモンスターたちが同様の目にあっていたが、こちらでは殆どの登場人物がファンに馴染み深い「人間」であったため、より強烈なインパクトを残した。
 時間的にはわずか数秒の出来事だが、一部のキャラクターは「女性化」したその姿が人気を呼び、大量のファンアートが各所に投稿・発表されることになった。
 特に人気を得たのはゲーニッツで、普段の残虐紳士のイメージからかけ離れた清楚なシスター姿はフリー格闘ゲーム「MUGEN」でオリジナルキャラクターが製作されるほどの話題を呼び、さらに「THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online」で公式キャラクターデビューを果たすまでになった(通称・ゲニ子)。
 もちろん、この時にデミトリと共演したリョウ・サカザキにも女性グラフィックが用意されており、ファンからは「リョウ子・サカザキ」の愛称で(さすがにゲニ子ほどではないにしろ)確実な人気を得た。

マリアリョウ・サカザキ

[ 2 ]

 上記[1]のようにリョウ子・サカザキは一瞬の存在に過ぎないが、もしもその姿のままで日常生活に戻らされたら、彼の大勢のライバルがどのように反応するか、とか、意外に賑やかな彼の異性関係にどのような影響を与えるか、とか、想像の翼は広がってしまう。
 個人的な願望を言えば、担当CVは沢城みゆき氏か喜多村英梨氏か平田宏美氏。

如月影二キング沙藤真琴四条雛子藤堂香澄マリアロバート・ガルシア

[ 3 ]

 上記[1]のようにリョウ子・サカザキは一夜の幻である。E.H.カーが著書「歴史とは何か」(岩波新書/1962)の中で度々指摘しているように、歴史上の未練を話題にして楽むことはいつでも出来るが、歴史的事実の決定にはなんら関係がない(つまり、歴史に「if」はない)。
 だが、もしもリョウが女の子としてこの世に生を受けていたら、という「歴史のif」は、極限流の歴史を再確認するうえでも、興味を引く話題であることは確かだろう。
 タクマが幼い頃のユリを極限流空手に関わらせなかったという事実から、もしもリョウが女の子(リョウ子)であったなら、リョウと異なりリョウ子には空手教育を施さなかった可能性が高い。
 だがタクマが最強の空手家である事実は変わらず、彼は事故を起こされて妻を失い、子供たちの前から姿を消しただろう。その時、リョウがリョウ子であったなら、その後の歴史は丸ごと変化することになる。
 リョウ子とユリは辞書通りの意味ですべてを失い、路頭に迷うだろう。もちろんリョウ子は現状の打破を考えるだろうが、10歳の女の子にできることは少ない。どうしても他者の協力が必要不可欠である。
 正史ではロバートはリョウと十代前半で別れてからユリの誘拐まで顔を合わせないので、ガルシア財団がサカザキ姉妹を保護するのは不可能だ。姉妹とロバートは再会することなく、このドラマは全く別の方向へ進む。
 そして運良く姉妹が生き残り、ユリの誘拐事件が起こるとしても、「龍虎の拳」シリーズのストーリーは「1」から全く違うものになるはずだ。

 もしもリョウが女の子だったら。その前提でストーリーを再構築し、その後のユリ・サカザキがどのような人生を送るのかを想像しても面白いかもしれない。
 まずリョウ・サカザキの物語が始まらなければ、ユリ・サカザキの物語も始まらない。ユリにとってリョウとは、そういう存在である。

Mr.BIG援護攻撃極限流空手タクマ・サカザキリョウ・サカザキロネット・サカザキロバート・ガルシア

リョウ・サカザキ
人物・龍虎の拳・KOF・武力ONE・餓狼伝説・他



「ザ・キング・オブ・ファイターズ94外伝」(鷹岬諒著)

 極限流開祖タクマ・サカザキの長男で、ユリの四歳年上の実兄。日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフ。
「無敵の龍」の異名を持つ、現極限流師範代。後に極限流の総帥の地位と「Mr.KARATE」の名をタクマから受け継ぐ。
 母親の事故死、父親の失踪と、致命的なトラブルが続出する中で、10歳の時から4歳下の妹を10年以上一人で育て上げた、大変な苦労人。
 本来は荒事が苦手な心優しい性格で、幼いころは毎日のように続く父親タクマの容赦のない空手教育と、人を傷つける「空手」というもの自体を嫌っていたが、自分とユリの生活のためにストリートファイトの世界に身を置いたことで、才能が一気に開花。実戦の中で腕を磨き続け、また、もともと努力を苦にしない生真面目な一面があるせいか、驚くほどの速度で強さを身に付けていった(※1)。

(「龍虎の拳」の時点で179cm/68kgと、長年戦い続けた本職の格闘家としてはかなり細身で、もともと筋肉がつきにくい体質なのではないかと思われる。そのため、彼の努力は並大抵のものではなかったはずだ)

 時に下駄履きで大型バイクを乗り回すなど破天荒な一面も見せ、時に熱血が過ぎることもあるが、その実、安定した人格と包容力を持つ好青年。KOFシリーズではなぜか世間知らずとして描かれることがあるが、長年ユリを育て、自らはストリートファイターとして裏社会にも接しており、表社会でも裏社会でも通じる、社会常識は持っていると思われる。
 苦労した時期が長く心配性が身についてしまっているせいか、最近では妹のやんちゃぶりに頭を悩ませる日々。また、火引弾や溝口誠など、一癖も二癖もある格闘家から、一方的にライバル扱いされたり「パチ物」扱いされたりと、極限流をめぐる苦労は絶えない。

 ライバルのロバートが足技に長けるのに対し、リョウは正拳突きに長け、新しいものをどんどん取り入れるユリやロバートに比べて、クラシカルなスタイルの空手を好む。
 1957年8月2日生まれ。「龍虎の拳2」時、22歳(「武力 〜BURIKI・ONE〜」では1967年生まれの32歳)。
 身長179cm、体重68kg(※2)。
 日本名での表記は「坂崎亮(※3)」だが、ユリと同様、彼もアメリカ国籍を取得している可能性が高く、その場合、この表記は正確ではない(※4)。

 アニメ版「龍虎の拳」の劇中では、サウスタウン/レッドリバーストリートに住んでいる。
 日本にいた時のことを殆ど覚えていないユリと違い、得意スポーツに相撲をあげたり、日本語も流暢に話すことができ、日本のことはよく覚えている。
 手先が器用で、1928年製の大型バイクを足りない部品を自分で手作りながらフルレストアしていたり、日曜大工が得意で、家の小物はほとんどがリョウのお手製(※5)。
 また、牧場の主人から贈られた愛馬「タツマキ」の世話をこまめにしていたり(龍虎2/馬の名前は「KOF'98」から)、30歳をすぎてからは家庭菜園に精を出していたり(武力 〜BURIKI・ONE〜)、詰将棋に凝っていたり(MIA)、と意外と多趣味だが、平和な趣味が多く、彼のおおらかな性格がよくあらわれている。
 好きな料理は餅と納豆(龍虎2)、鍋料理(「MIA」二代目Mr.KARATE)で、得意なものは寒稽古(「MIA」二代目Mr.KARATE)。特技は「どこでも寝られること」(餓狼伝説SP)。
 大切なものは極限流空手の魂、父の教え、門下生たち(「MIA」二代目Mr.KARATE)。
 嫌いなもの足がいっぱいついた虫(※6)(龍虎2)、漬物全般(龍虎2)、道場破り(「MIA」二代目Mr.KARATE)。またユリの作る甘すぎるカレーも苦手な模様。

 日本のどこの出身であるかは明らかになってはいないが、「餓狼伝説スペシャル」にゲスト出演したさいのステージが高知だったことから、「高知出身」とする説がある。
 新声社の「龍虎の拳2」コミックアンソロジーに収録されたトーク・ガレオンの4コマ漫画では、この高知ステージはリョウの誕生日にロバートがプレゼントしたことになっており、現在ではプライベートビーチとしてサカザキ家が所有している可能性がある。

 サウスタウンの闇を牛耳る大物マフィアのMr.BIGとは、実は「龍虎の拳(1)」のストーリーが始まる以前からの宿敵である。
 金に物を言わせて裏社会を操っていたMr.BIGだが、リョウはいくら金を積んでも思い通りにならず、苛立ちを覚えていた。一方のリョウも、私腹を肥やすためにストリートファイトの大会を利用していたBIGに敵対心を覚えていた。
 つまりユリの誘拐事件がなくても、いつ激突してもおかしくない関係だったのである。
 結局、Mr.BIGはタクマ・サカザキを無理やり従わせるためにユリを誘拐。これにはリョウをも手下にしようとする思惑があった。しかしリョウはMr.BIGに反抗し、彼を打倒、タクマとの決戦の末にタクマと和解、父と妹を取り戻した(※7)。

 また「KOF ALLSTAR」に「リョウ・サカザキXIV」として参戦した際には、ギース・ハワードと間に「最初の征圧者」という絆バフがあり、悪の大御所ギースを最初に倒したのがリョウである可能性が示唆されている(恐らく1979年)。
(相手が「プリティーギース」だと、「最初の征圧者…?」と、名前と効果が変化する)

 プレイステーションのADV「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」では「十種神宝とくさのかんだから」の一つ「八束剣やつかのつるぎ※8)」を司る存在とされている。
 また空手家として円熟期を迎えている「ネオジオバトルコロシアム」では、開催一か月前に突如として参戦を表明し、周囲を驚かせている。その後、「餓狼伝説 WILD AMBITION」では、忘れられたサウスタウンの伝説の英雄「Mr.KARATE」として登場。

(直筆サイン)


「カーマンに指令を」(天獅子悦也著)

 基本的にオレンジ色の胴着を愛用しているが、これは子供の頃、今は亡き母親から初めて贈られた胴着がオレンジ色だったため。今でもその色に愛着を持ち、胴着を新調するたびに同じ色にしているという(※9)。
 父親から「Mr.KARATE」の名を受け継いだ前後から、黒い胴着を着用するようになる。
 アニメ「バトルスピリッツ 龍虎の拳」では、黒髪で、胴着の上にジャケットを羽織って登場。これは「声優の別所哲也氏をモデルにした」という説と、「妹のユリが黒髪なのに兄が金髪ではわかりづらいから」という説と二説が存在する。
 ちなみに、黒髪の父と金髪の母から金髪と黒髪の兄弟が生まれる確率はかなり低いため、父のタクマも純粋な日本人ではなくハーフかクォーターの可能性があり、天獅子悦也「龍虎の拳2」でも触れられている(※10)。

 初登場時より、ロバート・ガルシア、キング、藤堂香澄、如月影二、不破刃、テリー・ボガード、火引弾(※11)、溝口誠など、実に多くのライバルに恵まれている。
 また、武道に対する誠実さが共鳴するのか、リュウ(ストリートファイターシリーズ)や結城晶(バーチャファイターシリーズ)など、別会社の主役級の人物とも交流がある。

 本人が意図しないところで異性関係が意外に賑やかで、「龍虎の拳外伝」では藤堂香澄に関心をもたれ、「KOF」シリーズではキングとの関係が発展し、「Days of Memories」では沙藤麻琴(ゲーム上では「あなた」)に尊敬されており、「KOFクロニクル」の2019年のイベントでは記憶を失った状態で藤堂香澄をドギマギさせており、ロバートから「ジゴロの才能あるんか?」と疑われていた。
 しかし17年ぶりに「龍虎の拳」の名を冠した2013年の新作パチスロ「龍虎の拳」で、なんとマリアという婚約者らしき女性がいることが発覚。
 しかもオジサン趣味のナガセ(MI2)からは、リョウ・サカザキとしては「ださい!」と蔑まれるが、年齢を経た「二代目Mr.KARATE」として対戦すると「私が勝ったら付き合ってください!」と思い切り告白される。
 さらに「KOF15」では、四条雛子から「いっしょにチームを組んでみたい」と興味を向けられている。
 その後、上記の「リョウ・サカザキXIV」としては、「スペシャルシグネチャー・キング」との間に、その名もストレートに「愛情関係」という名の絆バフを所有していることが判明。
 今後、昼ドラなみの波乱がありそうで見逃せない。


「パチスロ龍虎の拳」

 格闘家として全盛期を迎えたのは40歳と比較的遅めで(「餓狼伝説 WILD AMBITION」に「Mr.カラテ」として登場したとき)、48歳で既に前線からは退いている(「餓狼 MARK OF WOLVES」)ので、リョウが完成した拳を前線で振るった期間は意外なほど短い。
 それは裏を返せば、リョウが若いころから理想としていた空手のかたちが、それだけ高みにあったということだろう。

 今も昔も変わらず、ユリ・サカザキにとってもっとも影響力の強い人物であることは間違いない。
 特に極限流空手を始めて以降、ユリは多数のオリジナル技を開発する一方、リョウが「KOF11」で「ビール瓶斬り」を使い出した途端に自分も「KOF MI2」で「超ビール瓶斬り」を使い始めたり、「ちょう!龍虎乱舞」では「オラオラオラ〜!」と叫んでみたりと、リョウに影響されている部分も大きい。
 貧しかった幼少時から、リョウ自らサンタに扮してユリとクリスマス祝っていたほか、ユリの誕生日には毎年プレゼントを贈っているが、何故か近年は怒らせることが多いらしく、三峯ゆかりに助言を求めている(「KOF for GILRS」)。
 ユリに対しては「俺はユリを信頼しているが、裏切っているのはユリの方」と発言してユリを泣かせたことがある(ただしウソ泣きだった)。そして、ユリがロバートと自然に仲睦まじくしているのを見て「やっぱり俺、邪魔なんじゃないか」と一人ごちている(いずれも「龍虎の拳外伝」アレンジサウンドトラックス)。
「君はヒーロー」コラボで出演した際には、飛ばされた異世界でもその実直さが信頼されヒーロー学園の空手部の指導をしているほか、超ハロウィン武闘会の守護者にも選ばれた。
「KOF14」以降、タクマが設立した飲食店「極限焼肉」には、一定の理解を示しながらも、自ら積極的に関わることはなく、現役世代であるロバートやユリが積極的に運営に関わっているのも「空手家の本分ではない」と、あまり良い目で見ていない(※12)。

「龍虎の拳」のストーリーデモでリョウがつぶやいた「武器を持った奴が相手なら「覇王翔吼拳」を使わざるを得ない」というセリフは、元ネタから離れて様々な場でパロディされた結果、今ではすっかりインターネットを代表するミームの一つとなっている。
 テリー・ボガードが「大乱闘スマッシュブラザーズSP」にゲスト出演した際には、リョウ本人の出場はならなかったが、ステージ「KOFスタジアム」で背景キャラの一人として参加。またMiiファイターコスチュームの一つとしてリョウの帽子と服が配信されており、リョウの技の大半が再現可能である。

「龍虎の拳」「龍虎の拳2」の当時は、主人公然とした威厳と荒々しい格闘家というイメージを持っていたが、「KOF」シリーズに登場するようになってからというもの、「KOF MI2」でプロの作家がストーリーを書き下ろすようになるまで、極限流丸ごとお笑い空手のイメージを定着させる極めて頭の悪いストーリーが続き、また既存の技が不細工にされたり、不細工な新技が追加されたりと不遇で、ファンとしてはもどかしい時期が長く続いていた。
 ダンや溝口などの「社外のライバルには恵まれていない」というよりは、もっと根本的なところで「社内で最もセンスのない、かつ非常識なデザイナーに毎回弄ばれている」という印象が強い。「KOF11」のエンディングではルパン三世みたいな外見にされていた。
 また、2013年のパチスロ「龍虎の拳」では、思いっきり金髪のケンシロウにされてしまい、ファンの期待と予想のはるか斜め上に飛んでいった。荒ぶりすぎである。
(なお、このパチスロ版のリョウは、バイクで走るときにちゃんとヘルメットをかぶっている……が、なぜか選んだのがハーフタイプのもの(125cc以下のバイクでしかかぶれない。3000円くらいで買える)。そして、そこまでして交通法規を気にしているのに、ゲタばきのままギースタワーにバイクで突撃する)
 リョウが公式に本来の性格に戻り始めたのは、格闘ゲームよりも、むしろ近年に多数発表されたソーシャルゲームだろう。


正義の味方は交通法規を守るのだ。

そのままギースタワーにダイレクトアタック!


「バトルスピリッツ 龍虎の拳」。黒髪で登場。


「THE KING OF FIGHTERS 〜A NEW BEGINNING〜」(あずま京太郎著)

 極限流がお笑い流派にされかけていた時期に登場した「武力 〜BURIKI・ONE〜」で「坂崎リョウ」として出場した時は、黒道着+無精ヒゲ+凶悪な眼差しでファンの度肝を抜いたが、十分に男前であった(そのためか、上のキャラクター解説は、かなり筆者のヒイキが入ってます)。
 実は、ゲスト出演である「餓狼SP」「餓狼WA」や「CAPCOM vs」なども含めると、登場タイトルはユリよりも更に多い。「KOF14」「KOF15」に登場したことで、また記録を伸ばしている。
「リョウ・サカザキ」「坂崎亮」「Mr.KARATE」「二代目Mr.KARATE」「坂崎良」「坂崎」「坂崎」と、同一人物が七つの名前で別々の作品に登場しているのも、ネオジオ・キャラクターとしてはおそらく最多記録。ソーシャルゲームや設定だけのものを含めれば、更に記録が伸びる(「二代目Mr.カラテ MIA」「爆裂車手」「リョウ・サカザキXIV」など)
 また、初登場となった「龍虎の拳」シリーズで22歳までのエピソードが示され、「武力 〜BURIKI・ONE〜」「餓狼伝説 WILD AMBITION」「KOF MAXIMUM IMPACT」シリーズを経て、「餓狼 MARK OF THE WOLVES」のマルコ・ロドリゲスのストーリー時に48歳、「KOF MIA」で「二代目Mr.KARATE」として49歳で登場するなど、誕生から半世紀に及ぶエピソードが、何らかのゲームの設定やストーリーの隅々で語られている。これも、格闘ゲームの一人のキャラクターとしては、例外的なことだろう。

 ゲームでの担当声優は、

  • 臼井雅基氏(「龍虎の拳」以降(「KOF12」「KOF14」「KOF15」以外の)全格闘ゲーム、及び「KOF'98」を原作とソーシャルゲーム)
  • 小崎正義氏(「KOF12」)
  • 高倉大輝氏(「パチスロ龍虎の拳(※13)」「KOF14」「KOF15」、及び「KOFオールスター」等上記以外のソーシャルゲーム)
  • 木村昴氏(「KOF for GILRS」)
  • 別所哲也氏(TVアニメ版「バトルスピリッツ龍虎の拳」)
  • 劉北辰氏(アニメ「THE KING OF FIGHTERS DESTINY(中国語版)」)
  • 神谷明氏(電撃CD文庫「KOF'94」)
  • オールデン・クルーズ氏(Alden Crews)(海外版OVA「BattleSpilits Art of Fighting」)
  • ジャック・クーペ氏(Jack Coupe)(北米版「KOF MAXIMUM IMPACT 1」)
  • カート・ゲブハート氏(Curt Gebhart)(北米版「KOF MAXIMUM IMPACT 2」)
  • パトリツィオ・プラタ氏(Patrizio Prata)(イタリア語版アニメシリーズ)
 電撃CD文庫の「KOF'94」ドラマCDでの声優はなんと神谷明氏。ケンシロウみたいなイメージだったのだろうか?まさかの冴羽でした。
 外見のモデルは、映画「ゴースト ニューヨークの幻」などで有名な俳優、故パトリック・スウェイジ(1952-2009)。

 なお、ハリウッド実写映画版「KOF」では直接的には登場しなかったが、草薙京が「日米のハーフ」「バイク整備が得意」「金髪」など、リョウの設定をほぼそのまま流用したキャラクターにされている。というか、草薙京を演じたショーン・ファリスがリョウにそっくり。

YRS援護攻撃お兄ちゃん、ごめ〜ん!絆バグ極限の光極限無双極限流空手キングキング・オブ・ファイターズサカザキ一族沙藤麻琴四条雛子修行バカシリウスの瞳タクマ・サカザキ藤堂香澄藤堂竜白バトルスピリッツ 龍虎の拳火引弾ブラザーコンプレックスマリア三峯ゆかりリュウ・サカザキリョウ子・サカザキロネット・サカザキロバート・ガルシア

リリカルラブミーハートアタック
龍虎の拳2・必殺技

「虎煌拳」のこと。漫画「キュートでGOGO!」(D・F・K/ゲーパロ4コマグランプリA(新声社)収録)に登場。
 ユリが独自に命名したが、タクマに制止された。ユリ側は「ロバートさんだって「龍撃拳」ってつけてるのに」と、全面的に争う姿勢である。
「気」のためかた、発射のフォーム、弾の形状などは、通常の虎煌拳と変化はない。要はユリが放つときのテンションの問題のようだ。

 なお、類似した名称の必殺技(というか能力)に「シアーハートアタック」(「ジョジョの奇妙な冒険」第4部の登場人物、吉良吉影の特種攻撃)がある。小型の戦車のようなデザインの「動く爆弾」で、対象の「熱」を自動追尾して爆発する。強固な装甲と強烈な突破力を併せ持つ極めて危険な「爆弾」。
「リリカルラブミーハートアタック」が相手をサーチして飛行し、弾自体が非常に頑丈な耐久力を持っていたとしたら(画面外に飛んでいくまで接触した相手にダメージを与え続け、他の飛び道具等でかき消されたり反射されたりしない)、それはそれで非常に強力で厄介な必殺技になったであろう。

 見ての通り名称は「ラブミー」であり「ラブリー」ではないことに注意。

虎煌拳覇王翔吼拳

リリリゥム
人物・グループ


八神庵の異世界無双
八神庵の異世界無双2

 2019年7月発売の、八神庵が主人公の異世界転移小説「THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双」の登場人物。
 主人公の八神庵曰く「サカザキという女格闘家に似ている」らしい。

(註!以降、物語のネタバレを少し含みます)

 物語の語り手アルテナ・ヴィークトリアスの出身エサーガ公国の隣国、ヒガツミ魔導王国の出身の十五歳で自称「超級魔法少女リリリ」。ヒガツミの住人は姓を持たないため、「リリリゥム」でフルネームである。
 魔法立国であるヒガツミにおいて通常存在する、初級・中級・上級・特級の各魔法学校のさらに上のランクである、高い素養を認められた一部の選抜された者のみが入学を許される「超級魔法使い養成学校」を、魔力の高いエルフたちを抑え、しかも史上最年少で主席で卒業。
「極限流攻撃魔法」という絶大な破壊力を誇る独自の攻撃魔法の他、解毒、治癒、防御障壁、召喚、肉体変換(後述)とあらゆるジャンルの魔法に精通。通常の魔法使いが道具を使用して砕く「光貨(魔力を秘めた石)」を素手で砕いてしまう超握力と、前もって圧縮しておいた呪文の詠唱を他の呪文に組み込む独自で考案した積層詠唱技術を使用するなど、魔法にかけては自称どおりの超エキスパートである。
 また八神庵の異世界転移に独自の推論を展開するなど頭の回転が速く、知識量もあるようであり、アルテナをして「魔法使いがいるだけで戦闘がこうも変わるのか」と言わしめた。
 ただ、八神庵やアルテナ(騎士)などの肉弾戦の専門家に比べて体力に劣る描写が見られる。また「サカザキという女格闘家」に比べて体格は小柄で華奢であるらしく、身長はアルテナより頭一つ低く、敵からも「貧乳」などと呼ばれている。
(アルテナ曰く「下着はかなり大胆」「スカートが短い」)

 大人びた慎重な言動の多いアルテナに比較して喜怒哀楽がはっきりしており、好意も嫌悪もストレートに表現する。好意的な相手には抱きつく癖があるが、前述の超握力のため、抱きつかれた相手は「かなり痛い」らしい。八神庵に対しても好意を隠そうとせず、アルテナをいつも振り回している。
 やや子供っぽいところもあるためかおだてに弱く、持ち前のドジっ子属性も合わさってとんでもない事件で八神庵と出会い、「魔法攻撃から頭部を守る絶対魔法防御のマント」の上から「弐百拾弐式・琴月 陰」で頭を掴まれて爆破された。
 仲間になって以降は偽光貨の問題でなかなか真の実力を発揮できなかったが、ラスボスからもその実力に関しては一定の評価を得ている。
 趣味はアルテナのおっぱいを揉むこと。また「極限流攻撃魔法」には「相手と自分のバストを入れ替える」という怪しげな魔法があるらしく、(物語中で具体的には語られていないが)ある程度の肉体変換の技術も持っているようだ。

 昔のことは自分からは語ろうとしないが、外国に「お兄ちゃん」と呼ぶ義理の兄がいる。

「少し属性をてんこ盛りにしすぎだろう」と思わないではないが、個人的にはかなり好きなキャラクター。この小説は八神庵が初登場時の「KOF'95」のイメージに近く、またアルテナやリリリゥムなども原作のモチーフになったキャラクターに限りなく(しかも嫌味にならない程度に)寄せてあるため、読んでいてその長さが余り苦にならなかった。
 リリリも一度だけ「よゆうッチ!」をやっている。
 物語も続きを暗示する形で終わっているし、もし続編があるのなら是非読んでみたい。
 なお、この小説は八神庵が「死亡して転生」するわけではないので、正確には「異世界転移」小説であると思われる。

麻宮アテナミスX

ルガール・バーンシュタイン
人物・KOF



(直筆サイン)

 空母ブラックノアを駆り、戦場の闇から闇に邂逅する、巨漢で隻眼の武器商人。正体をかくすためか、「R」と名乗ることが多い。
 常に一癖ある美人秘書を侍らせ、赤い正装で客人を迎えるが、強者に対しては上着を脱いで本気を出す。
 その正体は、自ら洗練させた総合格闘技を操る第一級の武人であるが、残虐な趣味をいくつも嗜むなど、人格者とは程遠い。
 空母の艦橋に自らの肖像画を掲げるなど、ナルシストの一面もある。

 ギース・ハワードやウォルフガング・クラウザーが闇社会から撤退をやむなくされた時期に「KOF'94」を開催。3対3というまったく新しいルールを提唱して格闘家たちを驚かせ、警戒させたが、その真の目的は自分で破った格闘家たちをブロンズで塗りこめて立像にするためという、常人には理解し難いものだった(女性格闘家チームの面々は剥製にしようとしていた)。
 ただし弱い格闘家には興味がないらしく、「CAPCOM vs.SNK2」ではダンのことを「下品すぎる」と評して銅像にするのを拒んだ。
 しかし本人の強さは本物で、ギースやクラウザーの必殺技をこともなげに連発し、しかも無敵時間の長い対空技「ジェノサイド・カッター」で相手のあらゆる技を切り裂いた。

 このときは敗れたが、翌年、地球意思オロチの力を手に入れて「オメガ・ルガール」として復活。再び「R」名義で大会を開催した。前年の自爆のさいに失ったのか片腕が義手になっており、そのぶん体重が増加している。
 草薙京の父・柴舟を洗脳して相手の様子見に利用するなど、ここでも戦術眼を発揮したが、オロチの力を御しきれず、戦いに敗れた後、力の暴走に巻き込まれて消滅した。

 その後、98年、2002年にも復活してKOFを開催し、参加者に恐怖を与えるほどの強さを誇ったが、いずれも優勝者に破れて自爆、死亡した。
 2022年には、リ・ヴァ―スの出現による時空の変動の影響で復活、「KOF15」に乱入して大会を混乱させた。

 やや気取った性格をしており、演劇めいた言い回しをすることがあるが、その性根は残虐で、前述の趣味のほか、若い時分にはハイデルンの傭兵隊を襲って彼の部下と妻子を皆殺しにした挙句、ハイデルンの片目を奪っている。
 しかし自分も25歳のとき、オロチ八傑衆のゲーニッツに片目を奪われている(1973年)。
 エンターテインメントというものを理解しているようで、「KOF'98」の時には、律儀に選手インタビューに答えている。また「KOF for Girls」でもサンタクロースの格好をして凄む場面がある。

 強大な力を欲する傾向にあるのか、「CAPCOM vs.SNK 2」に乱入した際には、殺意の波動に興味を示して豪鬼を襲撃。しかし、オロチの暗黒パワーと殺意の波動の両方を同時に制御することはできず、自制心を失って「ゴッドルガール」として暴れ周り、大阪市街を破壊しつくした。
 その他、ベガのサイコパワーに興味を示したり、「KOFオールスター」のイベントでは「鉄拳」の三島一族のデビル因子に目をつけ、KOFを利用して彼らを拉致したこともあり、一部の格闘家からは「中途半端に技をかじっている」と評されている。
「KOF'98UM」でオロチに勝利したときには「地球意思には興味はなく、欲しいのは力のみである」と発言している。
「SNKオールスター」では、自ら大会を開催する傍ら、サウスタウンの格闘家を一掃しようとしたギースに武器を横流しし、大会を自ら大混乱させた。
「SNK All Star Brawl」では、表の世界では現在のバトルシティで最も有名な人物(企業家)であり、大会のスポンサーとして各チームにマネージャーを派遣し、優勝者の草薙京にも1,800,000LKBもの賞金を支払っている(※1)。しかし、裏では非合法の手段で選手を紛れ込ませたり、正体不明のクリーチャーを人工知能「ノア」にしむけたりもしている。そして目的のためには天敵であるはずのゲーニッツと共闘するなど、手段を選ばない。

 アーデルハイド、ローズ兄妹と何らかの関係があると思われている。アーデルハイドは「父」の生き様を好ましくは思っていないらしく、自分を破った相手に復讐することの無意味さ、むなしさを説いている。
「アーデルハイド」は女性名であるが(一般的なあだなは「ハイジ」)、女の子を欲しがっていたルガールが生まれた長男にそのままつけてしまったらしい。
 むしろ長女のローズがルガールの尊大な性格を色濃く受け継いでいるが、最終的には敗者の地位の堕ちた父のことは見下している。
 なお、「ルガール・バーンシュタイン」という名前は「何百年も前から海上を彷徨い武器を売り捌き続けている伝説の武器商人」の名前だということが判明している(「ゲーニッツ外伝 THE KING OF FIGHTERS'96 ミレニアム・ゼロ」(天獅子悦也)。

 2月10日生まれ(年齢不明だが、上記のゲーニッツとの事件から1948年生と思われる/)。身長197cm、体重95kg(KOF'94)→103kg('95以降)。血液型不明。
 趣味は格闘家の銅像コレクション、世界征服、復活、読書。嫌いなものは正義、とりあえず自分の邪魔をする奴。
 ペットとして黒豹のロデムを飼っている。春日野さくら曰く「歩く格闘技辞典」。

 ストーリーに絡んでくるのは「KOF'94」「'95」のみだが、初登場以降その特徴的なキャラクターから人気となり、ストーリーのないタイトルでボスキャラクターとしてたびたび復活している。
 ボスキャラクターとしてはインチキくさい強さに設定されることが多く(というか、SNKの格ゲーのボスは大体インチキ臭いが)、「'94」ではパターンにはめないとなかなか倒せず、「2002UM」では異常なほどの体力をほこり、超必殺技を何発当てても体力が減らないアリサマだった。
「KOF'94」のときはCPU専用キャラクターだったが、攻略本「ALL ABOUT KING OF FIGHTERS '94」で投げ技のやられ役で2Pカラーが紹介され、「実は使用できるのではないか」と一部で話題になった。
 後の作品では隠しコマンドなどで使用できるが、通常モードのルガールを使用できるのはカプコンの「CAPCOM vs.SNK」シリーズのみで、SNK作品では基本的にオメガ・ルガールしか使えない。当然、CPU時よりも性能が劣るが、それでも「空中追い打ちでジェノサイドカッター×5」などの強烈な連続技を持つことも多い。

「KOF'94」冒頭で招待状の封筒が空中でゆっくり回転しながらその内容がテキストメッセージとして表示されるオープニングは実に印象的で、21世紀に入ってもKOFが別のタイトルとコラボするときにはパロディで用いられることがあるほか、怪しい中国製格闘スマホアプリ「Kung Fu Do Fighting」ではそのシーンをそっくりをのまま剽窃され、「R」の代わりに「赤」と大きく描かれた招待状が回転している。
(なお、このゲームにはジョー東とキムが名前を変えてそのまま出演している)。

 2010年のハリウッド版DVD映画では、変態的な快楽殺人者として描写されている。エンターテインメント性が向上しており、様々なおふざけで対戦相手を愚弄した挙句に洗脳したり馬鹿にしたりと、悪趣味の限りを尽くした挙句、最後は木っ端微塵になってしまった。
 2017年の「KOF DESTINY」ではマチュアに命じて米軍から謎の物体「黒晶」を強奪。格闘家たちを洗脳して同士討ちさせて楽しむなど、ここでも悪趣味ぶりを発揮した。
 スマホアプリ「KOF ALLSTAR」では、ルガール戦の途中でフリーズしたときにゲームを復帰させると、なんとルガールが二人に増殖するバグがある。体力が二倍になるのも厄介だが、左右から挟まれて同時にジェノサイドカッターを食らうとほぼ即死である。また衣装違いの上着ルガールを倒すとその瞬間に消滅してしまい、ゲーム進行が不可能になることがある。
「KOFクロニクル」(2019)のクロニクルモードでは、第一部でタクマ・サカザキを洗脳して草薙柴舟を倒させたほか、その後にはその柴舟を洗脳して草薙京らを苦しめた。
 また同作のキャラインタビューイベントで、見られては不都合なPCデータを見られたときのためにすべてを吹き飛ばす「ジェノサイド爆弾くん」という新商品について自慢げに語ったが、アテナに論破されて自爆して逃亡。
 また2019年の「SNKオールスター」では、とある重大な疑惑が持ち上がっている。

(この件は部下のマチュアも「ルガール様は女には興味がない」と断言している)

「KOF'94」の前日譚となる「電撃CD文庫 KOF'94」では全体的にギャグ要素が強く、「私は完璧を求めるルガール・バーンシュタイン……」と海原雄山のような独り言をことあるごとに呟く癖がある(しかも部下に自分のことをフルネームで呼ばせている)。
 しかし残虐な性格で、自室の清掃時に髪の毛を落としていた担当者を烈風拳で、ベッドのシーツの色を間違えたリネン担当者をカイザーウェーブで抹殺した。
 ……が、鏡に映った自分の鼻から鼻毛が飛び出していることに驚愕して、ジェノサイドカッターで鏡を破壊している。
(なおこのドラマCDでは、銅像にした折角の最強の格闘家を、ろくな使い方をしていないことが判明している)
 自分のオヤジギャグに大爆笑したり、ファミレスで無意味に自爆したこともある。

 自分でも趣味にあげていることからも分かるとおり、世界でも屈指の自爆・復活マニアであり、管理人が独自に調査した結果、最初となった1980年12月から2022年11月にかけて、実に200回を超える自爆・消滅からの復活を果たしている(自爆173回、消滅44回)。
 そのためか、「KOFオールスター」で「KOF XV Ω・ルガール」で登場した際には、「Boss Syndrome ルガール」との間に「復活中毒者」という絆バフがある。
 あのイグニスでさえ、自爆は42回である(1982〜2019)。脱出マジック専門のマジシャンでも、これだけ長期間にわたって復活を果たすのは不可能だろう。しかも、この回数は増えることはあっても、減ることはない。

 2020年に「KOF」が「シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK」とコラボした際には同作のキャラクター・凛がルガール衣装で登場したほか、麻宮アテナがストーリー中でルガールスーツを着用して(させられて?)いる。

 担当声優は、

  • 新居利光氏(「KOF'94」「95」「98」「98UM」「2000」「2002UM」「CAPCOM VS SNK」シリーズ、「NEOGEO HEROES」)
  • 若本規夫氏(「2002」「NEO WAVE」)
  • 銀河万丈氏(ドラマCD「ザ・キング・オブ・ファイターズ'94」)
  • 手塚ヒロミチ氏(ハリウッド版吹き替え)
  • 最上嗣生氏(「KOF15」「KOF DESTINY」「KOFオールスター」)
  • 劉風氏(Liu Feng)(「KOF DESTINY(中国語版)」)
  • レイ・パーク氏(Ray Park)(ハリウッドDVD映画「KOF」)

Mr.BIGTHE KING OF FIGHTERS DESTINY麻宮アテナギース・ハワードキング・オブ・ファイターズノア[3]マネージャー

レイ
人物・グループ

 1993年のアニメ「バトルスピリッツ 龍虎の拳」の登場人物。
 直属かどうかは不明だがMr.BIGの部下で、サウスタウンのチャイナタウンの宝石商から「シリウスの瞳」というダイヤモンドを盗み出した。
 しかし、それをMr.BIGに渡さずに横領するつもりだったようで、自分の部屋にダイヤを巧妙に隠していた。
 外出先で待ち伏せしていたジャック・ターナーに追われ、偶然、リョウとロバートが自室に不法侵入したタイミングで帰宅、家具を投げ飛ばしたりトレーニング道具で暴れまわるなど抵抗したものの、ジャックの部下に射殺された。
 ジャックは居合わせたリョウとロバートが宝石について知っているのではないかと勘違いし、今度は彼らを追うことになる。
 ある意味では、Mr.BIG一味によるユリ誘拐事件の直接的な原因をつくった人物と言える。

 本名は不明。「レイ」というのが名前か苗字かもわからない。
 ウェイトトレーニングに興味があったようで、自室はトレーニング用具だらけ、かつ愛読誌もボディビルの専門誌だったが、見ての通り小太りの男性で、トレーニングの効果はかなり怪しい。
 部屋は散らかり放題のため、家事は苦手のようだが、電気を止められても平気で生活しているので、サバイバル能力は高いと思われる。かなりの酒好きで、メモをテープで壁に張る癖がある。
 叫び声と悲鳴のみボイスがあるが、担当声優は不明(エンドロールにもクレジットされていない)。

Mr.BIGジャック・ターナーシリウスの瞳組織バトルスピリッツ 龍虎の拳

レオナの判定は弱者チーム
人物・グループ

「KOFオールスター」で2019年11月の更新で追加された「チーム効果」。チームに編成されたファイターの攻撃力5%アップし、各種レオナを攻撃時、与えるダメージの3%を追加ダメージで与えることができる。
 現在、この効果がつくキャラクターは、ユリ・サカザキ、八神庵、麻宮アテナ、ジョー・東、ラルフ・ジョーンズ、チョイ・ボンゲ(プリティー・チョイ含む)、椎拳崇の各種キャラクター(出身タイトルは問わない)。
 他にもいるかもしれないが、レオナの判定基準がかなり謎である。
 戦場で生きていたレオナから見て、ユリやアテナが弱者判定になるのは理解できる。八神庵もオロチの血を克服しようとしない面が「弱い」と見なされているのかもしれない。
 ラルフやジョーは、性格的に軽薄なところがそう見られているのだろうか?

レシオ
システム・CAPCOM VS.SNK
[ 1 ]

 ratio。英語で「比率、割合」という意味。
 バイク業界では、エンジンのパワー1馬力ごとの負荷を「パワーウェイトレシオ(kg/PS)」であらわし、トランスミッションのシフトポジションのギア比のことを単に「レシオ」という(ギア比が小さく狭い場合を「クロスレシオ」、広く設定すると「ワイドレシオ」。和製英語)。
 証券業界では、市場参加者の過熱感(強気か弱気か)を示す罫線表を「騰落レシオ」という。単に「レシオ」という場合は株価収益率(PER。Price Earning Retio)のことを言う場合が多い。
 また、銀行が保つべき現金比率を示す「キャッシュレシオ」、航空機(翼)や船舶(舵)の縦横比を示す「アスペクトレシオ(アスペクト比)」など、基本的に数学的な意味で用いる。

[ 2 ]

「フレキシブルレーションシステム(flexibleration system)」の略で、「CAPCOM vs.SNK」(カプエス)シリーズの根幹ともいえる重要なシステム。1人のキャラクターごとに振り分けられる1から4までの特定の数値。
 チーム制を採用した「カプエス」では、チームの人数は固定ではなく、1〜4人(「2」では1〜3人)で自由に変更できるが、キャラクターに振り分けられた「レシオ」(要はコスト)の合計が4になるように調整しなければならない(この4という合計値の変更はできない)。

 レシオの数値はそのままキャラクターの強さの指標でもあり、レシオが高くなれば高くなるほど攻撃力や防御力も高くなるように設定されている。
 その代わり、チームの合計値は4なので、レシオ1のキャラクターは最大4人でチームが組めるが、レシオ4のキャラクターは強大な性能を得る代わりにチームが組めなくなり、一人で複数のキャラクターの相手をしなければならなくなる。
(そのハンデを考慮しても、レシオ4の攻撃力は脅威である。また「カプエス2」ではチームの最大人数が3人に固定されたので、「レシオ1×4人」が不可能になった)

「カプエス1」では概ね、レシオ1が線が細い軽量級や腕が未熟とされるキャラクター、レシオ2が各タイトルの主人公格やそれなりに強者とされるもの、レシオ3が各タイトルのボスキャラクター、レシオ4は隠しボス(暴走庵、殺意リュウ、豪鬼など)などに設定される。人数が最も多いのはレシオ2。
「カプエス1」では、キャラクターごとにレシオの数値が決まっており、変更ができない。ユリ・キング・春日野さくららはレシオ1、リュウ・ケン・リョウ・不知火舞はレシオ2で固定されていた(ただし、隠しモードである「ペアマッチモード」では全員が2に固定される)。
「カプエス2」ではフリーレシオ制となり、最大3人のチームでレシオを好きに振り分けられるようになった。
 チームとしてもっともバランスの良いのは、「レシオ2×2人」、もしくは「レシオ1×2人+レシオ2×1人」といわれている。

 対戦でレシオ4を選択する人はあまり見たことがないが、レシオ4ザンギエフのスーパーコンボなどは、初めて見たときにそのあまりの破壊力に呆然とできる。
 一方、高レシオで使うことが前提のボスキャラクターは低レシオだと防御力(体力)が極端に低くなる傾向にあり、レシオ1(神人)豪鬼などはスーパーコンボを絡めた連続技を一発食らうと、それだけでほぼ即死に近い惨状となる。

「カプエス1」には多くの隠し要素「シークレットファクター」があるが、その34〜61が「エキストラキャラクター(いわゆる裏キャラ)」となっている。CAPCOMキャラならCAPCOMグルーヴで、SNKキャラならSNKキャラならSNKグルーヴでアーケードモードをクリアすると購入できるようになるが、それぞれレシオ1→2000ポイント、レシオ2→3000ポイント、レシオ3→4000ポイント、レシオ4→7000ポイントが必要となっており、レシオ4だけ飛びぬけて高い。それだけレシオ4は強烈な強さを持つということである。
(「カプエス2」ではキャラクターの性能が表裏なく統合されたため、エキストラキャラクターは廃止された)

 なお「フレキシブルレート」は単純には「変動相場」「屈伸相場」という意味で、為替レートを外国為替市場における外貨の需要と供給の関係に任せて自由に決める制度のこと。

[ 3 ]

 上記【2】との関連だが、本来レシオ制を採用していない格闘ゲームで、チーム制の大会を開催する際に、キャラクター間の強弱のバランスに極端に差がある場合、開催者及び出場プレイヤーの任意によって、前もって全キャラクターに【2】同様のレシオを振り分け、その制限内でチームを組むこと。
 例えば「戦国BASARA X」(2008年)では、事実上の主人公である伊達政宗が余りにも弱すぎて、前代未聞の「レシオ0」を割り当てられたことがあり、
「絶対にチームに入れてはいけない」「ランダムセレクトで政宗を引き当てたら周囲から「ざまぁ」の大合唱」
 ……などの逸話を残し、「農民」「バナナ」他、大武将とは思えぬいくつもの愛称がついた。
 また、このゲームの愛好者はすでに悟りを開いている状況であり、「灰皿に1万円分の硬貨山積み」「40連敗しても笑顔」「東京までたった三駅です(新幹線で)」「布教の為に家庭用を5つ所持」「対戦が楽しすぎて全財産20円」など、数々の伝説を残した。

 なお、レシオ制を導入した格闘ゲーム大会は現在でも多数行われており、その優れたシステムは現在でも通用し続けている。

 参考:「ゲームカタログ@Wiki 戦国BASARA X

レバガチャアーカイブ
漫画

 ヤングエースUPで2018年1月から2019年11月まで連載されたWEBコミック。原作:鯨武長之介、漫画:カネコマサル。単行本全二巻。

 女子と接するのが苦手な中学二年生の平凡ゲーマー男子の江陶えとう貫敬やすたかは、クラスでも可愛い部類の女子・かしわおりに突然相談があると放課後に呼び出され…。90年代のSNKゲームが実名で登場する、100メガショックラブコメ!!
(公式サイトより)

 上記のとおり、内容は厳しめに言えば「ハイスコアガール」(押切蓮介/スクウェア・エニックス)の パク 二番煎じである。
「ハイスコアガール」でスクエニとトラブルがあったSNKが、憂さ晴らしにパク 対抗して始めたのかも知れないが、登場人物に嫌味がないし、絵も上手なので、こちらのほうが楽しく爽やかに読める。
 ヒロインに最初に好きな人がいるうえに、主人公が良い人過ぎてちょっと前途が多難だが(笑)、当時のSNKとネオジオ周辺にマニアックに踏み込んだ知識を優しく解説してくれることもあり、当時を懐かしむ層もコンシューマの「アケアカNEOGEO」などでネオジオを知った層にも無理なく楽しむことができるだろう。
(正直に言えば、管理人も古すぎるネオジオネタの大半はわからない)

 また、青春真っ盛りの素直で甘酸っぱいラブストーリーを読みたい人にもお勧め。管理人はこの漫画を主人公の成長とネオジオの歴史にあわせ「高校編」→「大学編」→「結婚編」→「社会人編」→「老後編」→「未来編」→「来世編」と、手塚治虫の「火の鳥」なみの大河ドラマにして欲しいと願っているファンの一人である。
 なお、主人公の名前の読み方を変えると「すえけい」であり、その彼がライバル視している「あらしお歩陸あゆむ」は「ネオジオリーク」のモジリである。ヒロインの「柏芽香織」もあるネオジオネタのモジリになっているが、「ひゃくショック」と、ちょっと解読にコツがいる。

 残念ながらクラスメートとして、ADKくんや、夢工房さんや、ゲーメスト君や、電撃ゲームスさんや、ファミコン通信さんや、ゲームコング君や、マル勝ファミコンさんや、MSX・FANさんや、ファミマガ君が登場することはなかった。

■原作者Twitter→【鯨武 長之介】レバガチャアーカイブ(原作)
■漫画家twitter→カネコマサル

ロニー・ギブソン
人物・KOF'94(漫画)

 1995年の漫画「THE KING OF FIGHTERS'94外伝」(鷹岬諒/新声社)に登場する人物で、褐色の肌を持つ長身のムエタイ戦士。元WKF(世界キックボクシング連盟/実在)欧州クルーザー級チャンピオンで、キングから最大級の賛辞を贈られ、二階堂紅丸もその名を知っている通り、作中でも出色の実力者である。
 三年前(91年?)に協会側ともめ事を起こし無敗のまま引退していたが、現役には未練があったようで、「KOF'94」のイギリス予選にグリフォンジムの所属として出場、チームメイトにも敵にも目もくれず、圧倒的な強さで決勝まで進出した。
 誰に対してもニコリともせず、威圧するような言動を繰り返すが、これには理由があり、本来は寡黙で母思いの好青年。
 グリフォンジムから多額の金銭で雇われた「傭兵」として参戦したのも、「本選まで勝ち残れば現チャンプのジョー・東と戦えるかもしれない」とそそのかされたからだった。
 女性格闘家チームとは決勝戦で対峙。グリフォンジムが悪辣な強硬手段で女性格闘家チームの弱みに付け込んでいたことは知らず、やむなくほぼ無抵抗に徹したユリを破るものの、ジムがキングの弟・ジャンを誘拐しそうになっていたことを知ると逆上して裏切り、チームメイト二名と関係者を瞬殺、改めてキングと向き合う。
 そして試合開始直後のダブルストライクを無抵抗で腹に受け、自戒しながらKO負けを喫した。

キングジャン鷹岬諒デニス・ジェナム

ロネット・サカザキ
人物・龍虎の拳(設定)

 タクマ・サカザキの妻で、リョウ・サカザキとユリ・サカザキの実母。故人。
 剛毅さにあふれたタクマとは対照的な、理知的な表情の美人。ロングの金髪をアップにしている。

 夫であるタクマと出会う前のエピソードは不明だが、1957年には長男リョウを、1961年には長女ユリを、日本で出産している。
 1965年、一家で渡米。サウスタウンに居をかまえ、夫の空手道場を支えながら、二人の子供を育てる。

 そして1967年8月2日。タクマと同乗していた自動車が、大型トラックに追突されるという大事故に巻き込まれ、この交通事故で不帰の人となった。
 この事故は、タクマの自動車が原型を留めぬほど大破していたにもかかわらず、事故を起こしたトラックはその場から逃走、捜査も殆ど行われないなど、多くの不審点を残したまま、未解決となっている。
 ロネットの死後、サカザキ家は離散・崩壊してしまい、タクマ、リョウ、ユリにとって苦難の10年が始まることとなった。

 生年、享年、共に不明。身長167cm、血液型A(いずれも推定)。

 サカザキ一家のみならず、「龍虎の拳」のストーリーにおける、最大のキーパーソンの一人。
 だが、彼女の死に関しては未だに謎が多く、「龍虎の拳2」のストーリーから、ギースやMr.BIGの「組織」が関わっている可能性もあるが、真犯人は不明のままである。
 スーパーファミコン版「龍虎の拳」では、エンディングで、サカザキ一家の過去についてある程度フォローされているが、そこにもこの事故についての言及はほとんど無く、指示者がMr.BIGやギース・ハワードである、という確たる証拠は示されていない。

(森気楼によるオフィシャルコミックでは、長男のリョウは事故当時から、真犯人は父を逆恨みする者だと確信している。
 また、天獅子悦也版「龍虎の拳」では、そのギースが「10年前、その(タクマの)強さゆえに恨みを抱いた男達によって、おまえの妻ロネットが殺されたことも……」と語っており、やはり個人的な怨恨の可能性を指摘している)

 ユリは、この母のことを尊敬しており、残されたパールのイヤリングを、形見として大切に保管している。またリョウも、母から贈られたオレンジ色の空手胴着に愛着を持ち、以降もずっと同じ色の胴着を着ている。
(漫画「リョウの朝ごはん外伝」(田原朋美)によると、道着をオレンジ色にしたのは「タクマの好きな色だから」とのこと)

 墓所はアメリカにあるものと思われるが、舞台が日本である「Days of Memories 〜僕と彼女の暑い夏〜」の後日談の小説では、ユリのお墓参りのエピソードがあり、日本にも分骨・埋葬された可能性が示唆されている(アメリカは土葬文化だが、日本人であるタクマが火葬にした可能性もある)。
 タクマと生活し、二人の子供をもうけた日本という国は、ロネットにとっても大切な土地なのだろう。

 なお中国語での表記は「羅内蒂・坂崎」だが、中国語版「Baidu百科(百度百科)」の「坂崎良」の項目では、数か所で「久美子」という名で表記されている。原因・理由は不明。

Mr.BIG極限流空手サウスタウンタクマ・サカザキママの形見のパールのイヤリング村上大地リョウ子・サカザキリョウ・サカザキ

ロバート・カルシア
架空の人物・龍虎の拳外伝

 藤堂香澄が「龍虎の拳外伝」において、リョウを追いかけてグラスヒルバレーを放浪中、出会ったロバートを見てこう呼んだ。
「ガルシア」のつづりは「Garcia」であるため、慌てて「G」と「C」を間違えてしまったのかもしれない。
 一説には「KOF2000」に登場した「アナザー・ロバート」の本名ではないかとも言われており、またロバートの影武者の一人ではないかとも言われているが、真相は不明で、たぶん香澄の単なる間違い。

―――以下、管理人による勝手な推定―――


 ロバート・カルシア。

氏名:ロバート・カルシア
本名:ガブリエル・ウォード
出身:トリニダード・トバコ/ポート・オブ・スペイン
誕生日:12月25日
身長:243cm
体重:215kg
血液型:AB
職業:タイムトラベル技術官代行
格闘技:オキチタウ+ングニ棒術
好物:親友のリャウに死ぬほど食わせたシュールストレミング
苦手:チャネラーの幽門括約筋、ダウザーの下腿三頭筋、しっとり八兵衛の縦走筋
趣味:マルスの闘衣集め、ハッピー・チン・シンザン(ボードゲーム)
得意スポーツ:ハイスピード全裸笑点、アクロバティック全裸しりとり、エクストリーム空中赤ずきん
宝物:シリウスの瞳
好きな言葉:「A broken clock is right twice a day.(壊れた時計も1日に2回は正しい)」
家族:アベル・ブラッドレー・ハンフリーズ(父)/グラディス・イングラム(母)
尊敬する人:シェリー・ガルシア
担当声優:大市爆太郎(日本語版)/ティモツー・ローウェノレ(英語版)
備考:
 トリニダード・トバコでカーマン・コールがスカウトしてきたロバート・ガルシアの影武者。
 ドレッドへアのソフトモヒカンだが、顔立ちはロバートにそっくりなので、ロバートの影武者を大過なく勤めている。
 昔、親友のリャウ・ナガザギに死ぬほどシュールストレミングを食わせ、原因不明の食中毒で失って以来、仲間を非常に大切にするが、利害関係を計算し、他人を冷静に観察している計算高い一面もある。
 政治的な駆け引きに長けており、密かにロバートを追い落として自らがガルシア財団のトップになるために暗躍している。
 リャウの妹であるユノノに想いを寄せているが、ユノノはすでに人妻であり、許されざる恋に心を痛めている。

カーマン・コール藤堂香澄ロバート・ガルシア

ロバート・ガルシア
人物・龍虎の拳・KOF

 イタリアの富豪アルバート・ガルシア(※1)と妻ジュリー(※2)の長男。将来を約束された地位を嫌い、財団の後継者とすべく帝王学を叩きこもうとする父の元を飛び出し、父の友人であるタクマ・サカザキに頼み込んで極限流空手を教えてもらった(※3)。

 名前の綴りは「Robert Garcia」で、本人の故国イタリア語での発音は「ロベルト・ガルシア」である。

 父親が親友同士だったということもあり、リョウとユリのサカザキ兄妹とは幼馴染みであり、同い年のリョウとは終生のライバル。
 また初対面で一目惚れして以来ユリに一途な想いを寄せ続けており、基本的に他の女性には目もくれない(※4)。「龍虎の拳 外伝」でやはり幼馴染のフレア・ローレンスと印象的な再会を果たし、「KOF12」のストーリーでは才媛ミス・ジュールズに巧妙なモーションをかけられるも、ユリへの想いがぶれることはなかった。
(ロバートがユリを好きな理由は、「地位や財産にとらわれず、ロバート・ガルシアという一人の人間として接してくれるから」だそうである。またユリのほうも、彼のことをかなり意識はしている)。
 リョウという最強のライバルがいたせいかめきめきと実力を伸ばし、後には「最強の虎(※5)」という異名を得、リョウと共に「極限の龍虎」と並び称される。

 クラシック・スタイルの空手を好むリョウとは異なり、新しいものをどんどん取り入れる天才肌。その長い脚を生かした技に長け、「究極奥義」である龍虎乱舞にすら自らのアレンジを加えられる、恐るべき才能の持ち主(※6)。
 そのファイトスタイルは、同じく天才肌であるユリに強い影響を与えている。
「龍虎の拳1」の設定によると、幼い頃に父親に始めさせられたのは極限流空手だけでなく「さまざまな格闘技」となっており、その時に最も気に入った極限流空手に様々な格闘技の長所をミックスさせて独自のアレンジとしたのだろう。
 実は幼いころより武道(空手)に専心していたリョウに憧れを抱いていたそうで、「KOF for GIRLS」では、性格的に向いていないのに極限流空手に真摯に取り組むリョウに対し、自分は極限流を逃げ道にしていた、と独白している。



(直筆サイン)

 幼い頃からサカザキ一家と接してきたせいか、厳しい父親に帝王学を叩き込まれたにしては気取ったところが無く、ざっくばらんに誰とでも打ち解ける性格。もっとも、その父親の帝王教育には幼いときからそうとう反発しており、同じくタクマの空手教育になじめなかったリョウとは馬が合ったのかもしれない。
 厳しい父との関係はうまくいっていなかったようで、アメリカでの生活を楽しんでいるが、アルバートはアメリカを訪ねてもロバートに会うことは滅多になく、龍虎の拳外伝でロバートがイタリアに帰国するまで和解はしていなかったと思われる(※7)。

 タクマ・サカザキが失踪し、リョウとユリが苦労している時代のロバートの行動には、メディアによって「家出同然に修行の旅に出ていた」「リョウは辞退したが、秘かに援助していた」という二つの説があるが、ここでは断定しない。
 森気楼氏による初期「龍虎の拳」アートワークスでは、ロバートは10代前半で修行の旅に出てからユリが誘拐される直前まで戻ってきていないため、タクマの失踪事件のことも知らず、サカザキ兄妹を支援することは不可能と思われる。
 ゲーメスト「龍虎の拳2」攻略ムックに紹介されたストーリーでは、タクマが失踪し極限流道場が閉鎖された際にサウスタウンを離れることを余儀なくされており(この時イタリアに帰国したのかどうかは不明)、ユリの誘拐事件の直前にサウスタウンに戻ってきたようだ。
 また漫画「カーマンに指令を」(天獅子悦也/新声社)では、空手の修行の傍ら、各地の大学を遊学していたことが語られている。
(「ロバートはリョウを援助したかったようだが、リョウがそれを断った」「ロバートではなくタクマが秘かに援助していた」という説もある。半公式扱いとなっている石井ぜんじ・天獅子悦也「龍虎の拳」では、ロバートの援助の申し出をリョウが断っていたが、その代わりタクマ(と思われる人物)が名を隠してユリの進学費用を援助していた)。

「龍虎の拳2」時点ではサウスタウンの郊外にある別荘に住んでいるが、「外伝」でイタリアに帰国(※8)。父親の名代、ガルシア財団の総帥代行として世界を飛び回る多忙な日々を送ることとなる。「KOF12」ではアメリカの財団支部(北米大陸での拠点)を統率している(早朝にテロリストに銃撃されたが、軽傷でしのいで逆に足技で相手を気絶させている)。
 教養はかなり高く、「君はヒーロー」では教師の才能を見せ(イタリア訛りのせいで実現はしなかったが)「Days of memories」シリーズでは高校の教師(しかも社会科)をしている。しかし、生徒のユリのことを「大好き」と公言して憚らない。

 1957年のクリスマス生まれのAB型。22歳(龍虎の拳2)、23歳(KOF'94)、24歳(KOF'95)、48歳(餓狼MOW。設定のみ登場。
 身長180cm、体重85kg(93年のアニメでは79kg。海外版「龍虎の拳」では72インチ(182.88cm)/187ポンド(84.82kg))と、リョウよりもやや骨太(※9)。国際競技空手協会(ISKA)の階級だとクルーザー級にあてはまるが、これは68kgのリョウよりも四階級も重い(リョウはスーパーウェルター級。ただし、ISKAの体重別は軽量になるほど細分化し、軽い選手は多くの階級にバラける仕組みになっている)。

 一人称は「オレ」もしくは「わい」。好きな服のブランドはアルマーニ。
 好きな食べ物は寿司とヤキソバ。特にサカザキ家で食べるユリ手作りのヤキソバが大好物。
 嫌いなものは幼い頃にリョウに食べさせられたラッキョウで、「KOF'96 NEOGEO COLLECTION」の時点でも「なんやねんあれは!」と怒りは収まらない様子。
 髪は基本的に長く伸ばしており、若い頃は首の後ろでくくっているが、年齢を経るにつれて髪にカールがかかっている。
 好きな歌手は「a-ha」で、毎朝名曲「Take On Me」で目覚めるのが日課。また自分でも楽器をたしなむのか、「KOF'98UMOL」のカードにはバイオリンを弾いているシーンのものがある。また「SNK All Star Brawl」では街で「KOF」の次に大規模な音楽イベントを自ら開催している。
 好きな言葉は「真実一路」。
 ただし「SNKオールスター」日本語版の公式サイトでは、「男装の麗人でムエタイの使い手。女性格闘家たちのリーダー的存在」と、全く異なる人物像で紹介されている(※10)。


最強の虎48歳、衰える様子無し。
(「餓狼-MOW-」より)

 趣味は車のコレクションだが、「龍虎外伝」の公式ストーリーで乗っている車がACコブラ、「龍虎2」の自分のステージ(ガルシア家の別荘)にあるのがフェラーリF40であることを考えると、半端ではない入れ込みようである(※11

 フェラーリについてはこだわりがあるらしく、「SNKギャルズアイランド 戦艦バトル 撃沈しちゃうぞ!」に出演したときには「フェラーリ599」という戦艦に乗艦している。フェラーリにわざわざ作らせたのか、名前を借りただけなのかは不明(フェラーリ599という車種は実在する)。
 またニューコンセプトカーの開発に自ら乗り出したり、モータースポーツに積極的に参加するなど、平和な趣味の多いリョウとは異なりアクティブな一面がうかがえる。ただモータースポーツの成績は本人曰く「ボチボチ」のようで、単純に車の運転が好きなだけで、そこまで極めようという意思はないのかもしれない。
「ネオジオバトルコロシアム」ではモータースポーツに加えてゴルフにも手を出している。

「KOF14」以降、タクマが経営する飲食店「極限焼肉」には、ユリと共に積極的に運営に参加しており、修行の時間を削ってでも店に入っているらしい描写がある(KOF15)。
 ただし、タクマが「極限焼肉」の前に蕎麦屋を始めると言い出した際には、運営資金の調達の難しさを理由に慎重な選択を求めており、結局この店は開店はしたもののすぐに閉店している(KOFオールスター)。
 蕎麦屋から焼肉屋に至ってロバートの態度は180度変わっているが、彼にどのような心境の変化があったのかは不明。

 93年のアニメ版ではかなり酒好きであるらしい描写があったが、2017年のCGアニメ「THE KING OF FIGHTERS:DESTINY」ではなぜか下戸にされており、やはり酒の飲めない二階堂紅丸と酒の飲み比べをして悪酔いしていた。
 勝利ポーズで、指で真上にはじいたコインを気取ってキャッチするポーズがあるが、このコインについてのエピソードが「龍虎の拳外伝」の初回限定版に付属していた冊子で公表されている。
 またかなりの映画ファンでもあるのか、KOF2000の英語版では勝利メッセージに「Little Shop of Horrors」というB級ホラーからの引用がある。
 2013年登場のパチスロ「龍虎の拳」では、通常時にリョウと二人で黄昏ていたり街中を歩いているシーンがあるが、公式でこのツーショットは実は貴重かもしれない。


わいの愛を受け取ってやー(「KOF11」より)

 プレイステーションのADV「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」では「十種神宝とくさのかんだから」の一つ「蛇比礼おろちのひれ※12)」を司る存在とされている。

 ちなみに、イタリア訛りの強い英語を表現するために日本語表記では【関西弁】を喋るとされているが、当初、実際に彼が話していたのは【関西弁】ではなく【河内弁】だったらしい(関西方面でも特に語調のきつい方言である)。
 そのせいか93年のアニメ版ではそうとう口が悪いキャラクターにされており、天獅子悦也版コミック「龍虎の拳」でも普段は笑顔で義理堅い性格だが、怒らせると一変、フェラーリで相手に躊躇なく突撃したり、相手が苦し紛れに持ち出した機関銃つき装甲車を正面から素手で撃破するなど、かなりドスの効いた怖さ・強さを見せる。
(普通の格闘家は装甲車を見て「おもろい玩具オモチャ繰り出してきたやんか!」「勝負したるどコラ!」と笑いながら言わない)
 また「君はヒーロー」に出演した際には、飛ばされた異世界で英語の臨時講師になるはずだったが、キングとユリにそのイタリア訛りのきつさを指摘され、残念ながら断念し、空手部のコーチに就任した。
 ロバートが関西弁になった理由は諸説ある。SNKによれば「イタリア訛りの英語と関西弁はイントネーションが近いようなので、あえて日本語表記は関西弁にした」とのこと。
 ただし、最も初期に公開された「龍虎の拳」販促用冊子付属(森気楼)では、標準語を話している。

「龍虎の拳」初登場時は、ケツアゴでがっちりしたいかにも「ガイジーン!」という感じの風貌だったが、「龍虎の拳2」でマッチョながら態度や行動がスマートになり、「KOF」や「龍虎の拳外伝」などを通して年々「スマートでオシャレな伊達男」というイメージを築いていった。
(逆にリョウは「KOF14」「KOF15」で明らかに筋肉量が増大しており、ロバートよりも筋肉質な体型になっている)
「龍虎の拳」から、すでにリョウとは似た技を使いながらも個性化がはかられていた。「KOF」シリーズではスタンダードな性能であるリョウとは異なり、ややクセのある性能になることが多い。龍撃拳がダンの我道拳になったり、技全体がそのまんまガイルにされたり、挙句にためキャラにされたりと、ほぼ毎年、ユリ以上に派手なマイナーチェンジを加えられている。「KOF2003」では、「グラップラー刃牙」シリーズに登場する斬撃空手家・鎬昂昇の必殺技「紐斬り」の構えから龍撃拳を蹴りだし、一部で「ロバートがついに壊れた」と噂されたが、「KOF12」以降、ようやく落ち着いている。
(「KOF2002UM」ではコマンド技仕様の表ロバートとタメ技仕様の裏ロバートの両方を使用可能)
「龍虎の拳2」で彼の使う「幻影脚」は、シンプルな意味で格闘ゲームで最も格好いい技の一つ。
 またかなり後になって判明したようだが、「龍虎の拳2」の特殊技「スライディング」が、実は追加コマンドで猛烈な勢いで連発できるうえに、一発はいるとそのまま相手が死ぬまで入り続ける即死連続技になるので、実質「龍虎の拳2」ではロバート一強状態である。


時には師匠の店を宣伝する心優しき一面も。
「KOF A NEW BIGINNING」(あずま京太郎)



「KOF13」設定資料より。ガルシアグループ系列のブランドロゴ。

(「龍虎の拳2」では、「リョウが身軽な体格を生かして空中虎煌拳を編み出したのに対し、ロバートはリョウより骨太な体格を生かして体ごと相手に突撃する「飛燕龍神脚」を開発した」というエピソードがあるが、KOFスタッフはそんなこと知らないだろう
「KOF2001」のスタッフインタビューでは、メインビジュアルを務めたイラストレーターがロバートを「マフィアの息子で女たらし」と呼んだことで、ファンから凄まじい反発を買い、後に「このときは現場が混乱していてスタッフから正しい情報が伝わっていなかった」と釈明する羽目になった)

 また、「CAPCOM vs.SNK」では「大会のスポンサーの御曹司」という同じ立場でありながら、ケン・マスターズは出場したのにロバートは出場できなかったり、「ヴァイスシュヴァルツ」ではリョウが「竜」属性なのに対してロバートは「動物」属性でひとまとめにされちゃったり(たしかに「虎」=「動物」だが……)、「KOF」では微妙にユリに相手にされていなかったりと、意外と報われない立場である。
「KOF」のユリは、「兄に自分の実力を認めさせる」という設定がよりクローズアップされており、リョウに執着を見せる一方で、ロバートとの関係にはあまり言及されない。PS2版「KOF11」では、ロバート、ケンスウ、ラモンでクリアすると「片想いチーム」という特殊エンディングになるが、ヴァネッサがラモンに苦笑し、アテナがケンスウに照れ笑いで誤魔化しているのに対し、なぜかユリだけは微妙に嫌な顔をしている。他の二人より花の数が少ないのが不満なだけだろうか?
「キング・オブ・ファイターズ'94」(真行寺たつや/角川書店)では「あんなの」呼ばわりされ、同じく「キング・オブ・ファイターズ'94外伝」(鷹岬諒/新声社)では恋人扱いを全力で否定されたり、「KOF13」のvs.ユリの試合前デモではデートに誘っただけで病院送り宣言されるなど、さすがにちょっと可哀想になってくる。
 また「龍虎の拳」の漫画化でも、天獅子悦也版では理性的に、ゴッセージ版ではやや浮かれてユリへの思いをたびたび口にするが、ユリからははっきりとした返事がないことが多い(※13)。

「電撃CD文庫 KOF'94」では、ロバートがユリとの新婚生活を妄想している(よりによって丹下桜(が演じるユリ)に「二ヶ月なの……」などと不埒極まりない台詞を言わせている)一方、ユリの方はロバート本人に言及する台詞がまったくない。


 2019年にKOFファンを阿鼻叫喚の渦に叩き込んだ「SNKオールスター」では、ついにユリの手下に成り下がった。さらに、ユリからは「彼氏!? えっ? ロバートさんのこと? 嫌だわ、誰があんないやらしい奴!」と、絶対にユリが言わないであろうセリフが公式に存在し、ファンを驚愕させた。
 さらに「KOF'98 ULTIMATE MATCH Online」では、リョウが「オトコマエ」、タクマが「ダンディ」という「宿命」を持っているのに対し、ロバートの宿命は「イロモノ」であり、ド直球にお笑い要因にされてしまっている。
 また、女性が主人公でロバートが攻略対象の一人となる2019年の恋愛ADV「KOF for GIRLS」では、ユリとの関係は最初からまったくなかったことになっており、ロバート自身がユリについて言及するのは、全ストーリーを通して「(リョウの)妹」の一言のみである。

 ユリが態度ではっきりとロバートへの好意をあらわしているのは、CD「龍虎の拳外伝 アレンジサウンドトラックス」に収録された短編ドラマと、サイトロンアンドアートの「龍虎の拳外伝」の攻略ビデオくらいだろう。

 なお、漫画「龍虎の拳」(ゴッセージ)ではリーパイロンの毒の爪からリョウを守って一度死亡しているが、リョウの放った「極限流肝撃拳」によって蘇生している。
「KOF for GIRLS」のバトルソングアルバム「KING OF FIRE」では同じチームのリョウ、包とともに「不撓不屈」という歌を歌っている。

 担当声優は、

  • ジェームズ・W・ホーヴ氏(James.W.Hove)氏(「龍虎の拳」)
  • 稲毛一弘(Kay稲毛)氏(「龍虎の拳2」「KOF'94」「95」「11」〜「13」「ネオジオ・バトルコロシアム」)
  • 小市慢太郎氏(「KOF'96」〜「2003」、「ザ・キング・オブ・ファイターズ京」)
  • 四宮豪氏(「KOF14」「KOF15」「KOFオールスター」)
  • 岡本和浩氏(「KOF for GIRLS」)
  • グレッグ・アーウィン氏(Greg Irwin)(「KOF12」)
  • 池田政典氏(アニメ「バトルスピリッツ 龍虎の拳」)
  • 石川英郎氏(電撃CD文庫「KOF'94」)
  • ニック・サリバン氏(Nick Sullivan)(海外版OVA「BattleSpilits Art of Fighting」)
  • 金峰氏(アニメ「THE KING OF FIGHTERS DESTINY(中国語版)」)

 初代「龍虎の拳」のエンディングで、ユリとリョウが日本語で深刻な会話をしている中、突然ロバートがイタリア語で「ユゥリィ……」とつぶやくシーンは、(笑っちゃいけないのだが)どうにも笑えてしまう。
 イメージモデルはスティーブン・セガール、外観モデルは「特攻野郎Aチーム」の「フランキー・サンタナ(エディ・ベレツ)」だが、むしろ「龍虎2」のテレビCMでロバートを演じたティモシー・ローウェル氏が、恐ろしいくらいに似ていた。
 また「KOF14」以降はイギリスの俳優オーランド・ブルームがモデルとなっている。
 なお、米国には同姓同名の元政治家ロバート・ガルシア氏(1933-。下院議員1978-1990)がいる。

 TVCM「龍虎の拳2」のメイキングより。ユリ役の浜崎歩(当時15)とロバート役のティモシー・ローウェル(当時24)。

 今(年)から年前、アニメ版「バトルスピリッツ 龍虎の拳」で、行方不明の猫を追って見知らぬ人の家にリョウと共に侵入し「スコッチをすこっち(少し)いただきまひょか」と言って、アニメ開始5分で窃盗(盗み飲み)に走った姿を知っているファンはもう少ないと思われる。
(リョウは少なくとも仕事で、自身も「仕事だから仕方ないよな?」と疑問を持っていたが、ロバートは無関係であるうえに「仕方ない! 」となぜか彼が断言していた)(※14

YRSTHE KING OF FIGHTERS DESTINY援護攻撃カーマン・コール絆バグ極限の光極限無双極限流空手クリスマスの少女シリウスの瞳タクマ・サカザキバトルスピリッツ 龍虎の拳飛燕旋風脚火引 弾フレア・ローレンスリョウ子・サカザキリョウ・サカザキロバート・カルシアロバートさん! わざわざ私のために?ワイラー

ロバートさん! わざわざ私のために?
演出・龍虎の拳2

「龍虎の拳2」のユリ・サカザキのエンディングで、ユリのために祝福に来たロバート対するユリの発言。
 実はこの発言、言葉は同じでも移植された機種によってまったくユリの感情が異なるという、なかなか稀有なことになっている。


 こちらはアーケード版の忠実移植であるネオジオ版。ユリの表情から分かるとおり、自分を祝いに来てくれたロバートに対し、「予想していなかった嬉しさ」で素直に驚いていることがわかる。


 一方、こちらはスーパーファミコン版。もう一目瞭然だが、「げぇー! なんでこんな嬉しい時にこいつがくるのー?」という、招かれざる客に対する露骨なまでの嫌悪感を隠そうともしていない。
ロバートさん! わざわざ私のために? なら死ね!」と続いても全く不自然ではない。

 このあと、どちらも突撃してきたユリの友人達にロバートが踏み潰されてしまうのだが、スーパーファミコン版の場合、「もしこいつが来たら、みんなで踏んじゃってよ」と予め仕込みをしておいた可能性が非常に高いのである。
 スーパーファミコン版のユリがなぜそこまで徹底的にロバートを嫌うのか、理由は不明だが、ロバートが微妙にユリに相手にされていない「KOF」が、はたしてどちらの流れを汲んだエピソードなのか、非常に気になる。

 ……と、大げさに書いてしまったが、スーパーファミコン版は容量の関係で立ちグラフィックの枚数が削られている、というのが真実である。
 だからといってなぜあの驚き顔のグラフィックを削って、なぜこのシーンで舌を出した威嚇顔を入れてしまったのか、その理由は不明。

友達ロバート・ガルシア

ロンドン柔術アカデミー
組織・KOF'94(漫画)

 1995年の漫画「THE KING OF FIGHTERS'94外伝」(鷹岬諒/新声社)に登場する、イギリスの格闘技の道場。
 父・タクマから「KOF'94」極限流チーム入りを許されなかったユリは、キングを頼って渡英するも、当初はキングものり気・・・ではなく、チーム結成に「自分たちにふさわしい、あと一人のメンバーを見つけてくること」という条件を出した。
 そのためにユリはこの道場を訪れるが、道場生たちの実力はユリにはるかに及ばず、メンバー推薦とはならなかった(少なくとも五人がユリに破れている)。
 なお、ユリはこの騒ぎで複数の道場を訪れて、結果的に全て道場破りとなってしまったが、同様の事件を起こした不知火舞と違って、道場施設の破壊まではおこなっていない。

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