制服伝説プリティファイターX

1996年6月16日発売/イマジニア/28点

 スーファミの「制服伝説プリティファイター」の移植版で、後の「フィスト」への進化(正確には「退化」)に続く、ミッシングリンクの一。

 なんか、どれもこれもプレイ後に麗しい感想を覚えた記憶がないんですが、なんで私はシリーズを全部プレイしてますか? ひょっとして私は、このシリーズが好きなのでしょうか?

 元々、美少女系格闘ゲームのシリーズということもあってか、映像表現に優れた次世代機への進出は大正解で、新キャラを追加し(今回の【制服】は、「ミニスカのキャビンアテンダント(この当時は「スチュワーデス」だったな)」と「スパッツのファミレス」)、スーファミではかなわなかったアニメーションをオープニングとエンディングに搭載して、煩悩男どもの財布と股間をがっちりフィィィッシュ!

 スタッフのセンスが古すぎて、キャッチできずにリリース確定!


 そこはかとなく80年代風。

 格闘ゲームとしてのデキは、スーファミ版から殆ど感触に変化は無いので、そちらのレビュー参照。
 正直、「キャラがみんな女の子」という以外にはセールスポイントはほとんどなく、しかもその点でもポイントになるかどうかギリギリのラインなのが少々悲しいところです。
 男性プレイヤーの下半身に訴える、というのも、セールスポイントとしては正解の一つだと思うんですが、おっかしーなー、なんでこうなっちゃったのか。
 後の「フィスト」にいたるまで、理想だけがエベレスト級に高いものの、登山技術が何一つ磨かれなかった一連の歴史が、涙を誘わずにいられません。
 確かに、「フィスト」に比べれば、まだいくぶん格闘ゲームの形にはなってますが……。



 エロOKだったサターンだけあって、パンチラもところどころで見れますが、驚くほど嬉しくないのはなぜだろう。(2010年代のゲームのほうがよほどエロい)

 普通、「プリティ」という単語がタイトルにつけば、もうちょっと違う方向の内容を期待しそうですが、サターンでタイトルに「プリティ」を含むゲームといえば、この「プリティファイターX」以外には実は「魔法少女プリティサミー」のシリーズのみ。
 イギリスのヒットチャートでは「エンジェル」という単語をタイトルに含む歌がヒットする、という伝説があるように、サターンで「プリティ」といえば、爆発物処理班が処理するようなデンジャラスなゲームになるという都市伝説を思わず捏造してしまいそうになります。

 全く格闘ゲームになってないわけでもないんだけど、全力でお勧めすることは難しい本作、「軽めのお色気ゲームをネタでプレイしたい」とか、「特殊なゲームを収集している」とかいった、ワケありの人向けかな。真面目にプレイするには、少々覚悟が必要です。

(2010.01.10)