個性溢れる女性ファイターが登場する、まぁ、格ゲーである前にギャルゲーですな。
思いっきりぶっちゃけますが、これに凄く期待を寄せて、発売日に定価で買った大馬鹿野郎は私です。
若かったんや、私も。リビドーの魔眼に勝てなかったんや……。
登場するキャラクターは八人。セーラー服が二人、あとはブルマ、看護婦、婦警、柔道少女、和服、ジュリアナ(死語)が一人ずつ。
少なくとも半数は、戦う動機が完全に不明デス。どうでもいいんだけど、柔道とジュリアナは「制服」か?
最初から確信犯で製作してるだけあって、お色気を全面に出そうと努力しているのは理解できるんですが、残念ながらそこはスーファミの限界。パンチラなど望むべくも無く、真琳のヘソ出しと涼子のふとももが限界のようです。
また、これまた狙ってはいたのでしょうけど、必殺技の技名がまた痛い。「痛いムチ」「ハート拳」「おしりペンペン」「7年殺し」とまぁ、この辺ならまだ瀬戸際で残ってるんですが、「ブルセラアッパー」「ぱっくり旋風脚」「ハメハメドライバー」ってのは、最近のゲームならアウトじゃなかろうか。
(「ハメッハメドライバーッ」と女性声優に叫ばせるのも、一種の羞恥プレイのようにも思えますが)
素直にPCで「ヴァリアブル・ジオ」を作ってりゃいいものを……。
肝心のゲーム内容は……残念ながら、発売直後で即死。
なんとか最低限、格ゲーの様式をとってはいますが、バランスはイマイチだわ、動きはガクガクだわ、レスポンスは悪いわ、判定はいい加減だわ。正直、頑張って描き込んであるタイトル画面以外、褒められたところがありません。
「今から3000万年前、まだ大陸が一つの塊だった頃、現世人類とは異なった種族が栄えていた。彼等はパンゲア(古代大陸)に巨大な帝国を築きその栄華を誇っていた。温暖な気候に芽生えた文化は魔法と科学が混然一体と化した優雅な物であった。(以下略)」
などという、荘厳で大げさなストーリーは、ゲーム中ではまるで触れられないし(八人のキャラクターは、八人の王女の転生という設定らしい)。
せめて「ビキニ・カラテ」や「ブリーフ・カラテ」くらい徹底的にイっちゃってくれると笑い話で済ませられるんですが、こういうストーリーを読むと、スタッフの中途半端な本気度が読み取れてしまって、逆に痛いです。
ちなみに、よほど強烈だったのか、私はマニュアルにあった技表のうち、主人公・青木真琳の超必殺技「ポケベル・フラッシャー」が「ポケベル・フラァシャー」に誤植されたのを、今でも憶えてます。ああ、この記憶容量を学業に向けてれば、テストの5点ぶんくらいにはなったかも知れません。悔やんでも悔やみきれぬ。
この後、サターンで「プリティファイターX」、サターンとプレステで「FIST」と、何故か続編がシリーズ化され、その度に新たな伝説を作ることになるのですが、それはまた別のお話。
どっとはらい。
実は「ギャル格闘ゲー」という一点だけでそれなりに対戦で遊んでた、などという事実は、口が裂けたから言える。