はるか昔の話だ。私の両の眼まなこは常に未来だけを見ている。過去になどなんの興味も無い。

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　上の項目の繰り返しになってしまうが、これもはるかな過去の話だ。私にとっては365分の1日にすぎぬ。
　あいにく、一年の最終日だからとセンチメンタルな感傷に浸るような精神も持ち合わせていないのでね。私の鋭敏な感覚はすべて、未来の事象をとらえるように前を向いている。

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　もうかなり以前のことだが、実は一度、体重が120kgを越えてしまったことがある。
　普段は貞淑で物静かな我が妻もさすがに怒り「もう一度120kgを越えたら離婚だ」などとヒステリックに迫られたな。完全に無視したがね。
　そのときも体脂肪率は13％を越えてはいないはずだが、多少ダイエットの必要も感じてね。私が現在の、しなやかさと剛健さを併せ持つ鋼の肉体を手に入れたのはそのときだ。
　現在は101kgのはずだ。地球人的な言い方が癪だが、決して脂肪で増えているわけではない。筋肉である。
　しかし、私が現在居住しているニューヨークのジャンクフードが、思いのほか美味で困っている。日本に滞在したときに食した「懐石料理」とやらも美味であったが、こちらは少し美味の方向性が違うな。日本食は秩序を感じるが、ジャンクフードは逆に無秩序さが私を魅了してやまない。
　妻の作るヒムネジア・アーサラーとどちらが上か、私の食知識では判断に困るな。こんなことは妻には言えないがね。

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　……なにかね、その意外そうで、かつ私を怪しむような表情は。
　失礼な話だ。私とて人並みの高等教育は受けているのだよ。でなければ、人の上に立ち、正しく組織を統べることが出来ると思うかね？
　人間界には人並みの教育を受けられぬ身より立身して人を導く立場になった者もいるが、それらの多くと彼らの臣民がどのような末路を得たか、今さら歴史書を紐解いてみることもあるまい。
　……私の妻子だと？　それこそ、君がそんなことを知ってどうしようと言うのかね。
　まあいい。自ら進んで知識を得ようと言う者に対して門戸を閉ざすほど、私は狭量ではないつもりだ。だが、多くを語るつもりはない。

　左から我が妻、長女、次女だ。興味があるのかね？　やめておくのだな、君たち絶命童貞の手に負える相手ではない。

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　そう「肉体」「肉体」と連呼しないでほしいものだ。私は確かに、ある目的のために完成度の高い肉体を求めてはいるが、決して性的に倒錯した趣味を持っているわけではない。
　また誤解があるが、私は自身の修練にそのように時間をかけてはいない。前述したように多少ダイエットはしたが、我々と地球人とでは、根本的に時間の概念が違うものでね。
　ただ完成度の低い肉体には、なんらの価値も見出せないのも確かだな。
　バイタリティの欠如はすなわち知性と品性の欠如でもある。知性の乏しい肉の塊など、路傍の石よりも無価値だ。いっそ死ねばよいが、その無様な生命の終焉に手を貸すほど私も暇ではない。
　勝手に死滅してくれれば、むしろ人類にとっても幸福ではないかね？
　食べ物に関しては前述したので繰り返さないが、私が真に欲するのはユーダイムとの絆の修復だな。今でこそ事故で記憶を失い、あのように地球の色に染まってしまっているが、私の敬意に値する存在がこの世に何人いると思うのかね？
　ジャランジへの敬意とは異なる。私のユーダイムへの敬意は、混じり物の無い純粋なものだ。彼が戻ってくればアデスはさらに強靭になり、我々の目的の成就も確実なものとなるだろう。
　彼がいるべきは、こんな薄汚い星の地べたではない！　彼を取り戻すためならば、私はどんな巨大な障害でも取り除いてみせよう。たとえラキアと言えどもな！

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「ギラ目ギラリ」というタイトルは、応援されているのかね、それとも茶化されているのかね。
（小声で）ギラ目ギラリ〜頭プチッとな〜元気に制裁でALL OK〜♪

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　君たち絶命童貞の知性では図（はか）りかねることかもしれぬが、私は本来、人々の耳目の集まる場所に煌（きら）びやかに登場すべき立場ではない自覚はあるのでね、理解を強制するつもりはないが、四作でも目立ち過ぎたと思っている。
「KOF」を開催したのは決して気まぐれではないが、ユーダイムを求めるあまりに気が急（せ）いていなかったか、再考の要は感じるな。

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　待て、私は何も聞いていないぞ。

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