ジュエル03

 深夜の騎士団養成学校の寮は、静かに沈黙を保っていた。
 月明かりがカーテンの隙間から差し込み、部屋の隅々を柔らかく照らしている。
 アルノの部屋は質素で、剣の練習道具が散らばり、洗濯物の樽が無造作に置かれていた。
 あの樽の中でジュエルが自分の秘密の行為に耽っていたのを発見して以来、二人の関係 は微妙に変わっていた。
 気まずい沈黙が続いた時期もあったが、ジュエルが自ら初体験を望んできたことで、アルノは覚悟を決めた。
 自分は雄弁ではないが、仲間を励ますのが役目だ。
 ジュエルを傷つけないよう、優しく導く。
 それが今夜の使命だった。
 ベッドの上に座った二人は、互いに視線を交わした。
 ジュエルは普段の明るい笑顔を少し崩し、?を赤らめている。
 身長168cmの彼女の体は、訓練で鍛えられたしなやかな筋肉と、女性らしいふくよかな曲線が調和し、ナイスバディを形成していた。
 少し日焼けした黒い肌が、白いショートヘアとコントラストをなし、グリーンの瞳が緊張で輝いている。
 彼女は処女で、異性とのセックスという話題になると照れまくって逃げてしまうほど恋愛に奥手だった。
 それなのに、今ここでアルノに身を委ねようとしている。

「アルノ……本当にいいの? 私、初めてだから……何もわからないよ」

 ジュエルが小さな声で囁く。
 彼女の心臓が激しく鼓動しているのが、アルノにも伝わってきた。
 アルノは静かに頷き、彼女の肩に優しく手を置いた。
 言葉は少ないが、その眼差しは信頼を語っていた。

「大丈夫。俺に任せて。ゆっくりやるよ」

 彼の声は低く、落ち着いている。
 内心では、過去の記憶がよぎっていた。
 養父の命令で熟女たちの慰み者にされていた時期。
 あの経験が、女体の扱いや性感帯の知識を与えてくれた。
 だが、それは決して喜ばしいものではなかった。
 ジュエルとは違う。
 彼女は純粋で、信頼してくれている。
 アルノは心の中で誓った――彼女を大切に、優しく導く。
 二人はゆっくりと服を脱ぎ、裸同士になった。
 ジュエルの肌は月明かりの下で輝き、ふくよかなバストが柔らかく揺れる。
 アルノの視線が彼女の体をなぞるように動き、ジュエルは恥ずかしさで体を縮こまらせた。

「きれいだよ、ジュエル」

 アルノが素直に呟く。
 彼女の肢体は訓練生とは思えないほど柔らかく、触れるだけで心が温かくなる。
 ジュエルは真っ赤になって目を逸らした。

「バカ……そんなこと言わないで。恥ずかしいよ……」

 でも、心の中では嬉しかった。
 アルノが自分を見てくれている。
 それだけで胸が熱くなる。
 彼女の秘密――男性のにおいを嗅ぎながらオナニーする趣味――を彼に見られてしまった時、最初はパニックだった。
 でも、アルノが誰にも言わず、黙って守ってくれた。
 それが信頼の証だった。

「情報の共有」

 を約束したあの日から、ジュエルはアルノを特別に思うようになった。
 明るいムードメーカーとして振る舞う自分だが、本当は恋愛に臆病だ。
 でも、アルノなら……彼なら大丈夫。
 アルノはジュエルを引き寄せ、ゆっくりとキスをした。
 唇が触れ合う感触は柔らかく、甘い。
 最初は軽く、探るように。
 ジュエルは目を閉じ、アルノの肩に手を回した。
 キスが深くなると、彼女の息が少し乱れる。

「ん……アルノ……」

 小さな吐息が漏れる。
 アルノの舌が彼女の唇を優しく舐め、絡みつく。
 ジュエルは初めての感覚に体が震えた。
 心の中で思う――これがキスか。
 想像よりずっと温かくて、心地いい。
 アルノのにおいが近くて、秘密の趣味を思い出させる。
 でも、今は本物だ。
 生の彼がここにいる。
 キスを終え、アルノはジュエルをベッドに優しく横たわらせた。
 彼女の体を上から見下ろし、手を伸ばして柔らかなバストに触れる。
 掌で優しく包み込み、指先で乳首を撫でる。

「あっ……」

 ジュエルが小さな声を上げる。
 恥ずかしさと快感が混じり、彼女のグリーンの瞳が潤む。
 アルノは経験から知っていた――急がないこと。
 ゆっくりと体を慣らしていく。

「気持ちいいか?」

 彼が尋ねる。
 ジュエルは頷きながら、声を抑えて答える。

「うん……でも、変な感じ……ドキドキする」

 彼女の想いが溢れ出す。
 アルノは特別だ。
 騎士団の鬼教官グレンの厳しい訓練で音を上げる仲間を励ます彼の姿が、いつも心を支 えてくれた。
 今、そんな彼に触れられている。
 信頼と愛情が、恥ずかしさを上回る。
 アルノの手はさらに下へ移動し、ジュエルの腹部を撫で、太ももを優しく開く。
 彼女の秘所はすでに少し湿り気を帯びていた。
 アルノはまるで多数の女性を扱ったことがあるような手つきで、ゆっくりと愛撫を始める。
 指先で外側をなぞり、敏感な部分を探る。

「ここ、優しくするよ」

 彼の声は穏やかだ。
 ジュエルは体をくねらせ、息を荒げた。

「あんっ……アルノ、何これ……気持ちいいよ……」

 初めての愛撫に、彼女の体が反応する。
 心の中で思う――彼は上手い。
 どうしてそんなに知ってるの? でも、聞かない。
 今はただ、感じていたい。
 アルノの指が徐々に内側へ入り、優しく動く。
 ジュエルの体が熱くなり、快感が波のように押し寄せる。

「もっと……アルノ、もっと……」

 彼女が無意識に囁く。
 アルノは彼女の反応を見ながら、ペースを調整した。
 過去の経験が活きるが、今はジュエルだけを思う。
 彼女を傷つけないよう、優しく。
 やがて、ジュエルは最初の絶頂を迎えた。
 体がびくんと震え、声を抑えきれず小さな叫びを上げる。

「あぁっ……!」

 波が引くと、彼女は息を切らしてアルノを見つめた。
 瞳に涙が浮かんでいる。

「すごかった……アルノ、ありがとう」

 彼女の想いが吐露される。
 秘密を見られた時、怖かった。
 でも、今は嬉しい。
 アルノが自分を受け入れてくれている。
 処女の不安が、少し溶けていく。
 アルノも興奮が高まっていた。
 自分の男性器は硬く張りつめ、ジュエルを欲している。

「ジュエル……いいかい?」

 彼が尋ねる。
 声に優しさが込められている。
 ジュエルは頷き、目を閉じた。

「うん……来て、アルノ。
 私、覚悟決めたよ」

 彼女の心は決まっている。
 彼と一つになりたい。
 明るい性格の裏で、恋愛に臆病だった自分を変えたい。
 アルノはゆっくりと体を重ね、男性器の先端をジュエルの女性器に当てた。
 湿り気が助けとなり、徐々に入っていく。
 ジュエルは痛みを感じ、眉を寄せた。

「んっ……痛い……でも、止まらないで」

 彼女が言う。
 アルノは動きを止めず、しかし優しく押し進める。

「ゆっくりだよ。息を吐いて」

 彼の経験がここで活きる。
 完全に繋がると、二人は互いの体温を感じた。
 アルノは動かず、ジュエルを抱きしめる。

「大丈夫か?」

 ジュエルは頷き、涙を拭う。

「うん……アルノの温かさ、感じるよ。好きだよ、アルノ」

 想いが溢れ出す。
 ムードメーカーとして振る舞う自分だが、本当は孤独だった。
 アルノがいてくれてよかった。
 アルノはゆっくりと動き始めた。
 腰を優しく振り、ジュエルの反応を見る。
 痛みが徐々に快感に変わり、ジュエルは声を漏らす。

「あっ……いい……アルノ、もっと」

 二人の体が絡み合い、リズムが生まれる。
 アルノの心も吐露される。

「ジュエル、俺も……お前が好きだ。守りたい」

 言葉は少ないが、真実だ。
 過去のトラウマを乗り越え、今ここで彼女と繋がっている。
 動きが激しくなり、二人は同時に絶頂を迎えた。
 ジュエルは体を弓なりにし、声を上げ、アルノは彼女の中に熱を放つ。
 息を荒げて抱き合い、余韻に浸る。

「アルノ……幸せ」

 ジュエルが囁く。
 アルノは頷き、彼女の髪を撫でる。

「俺もだ」

 深夜の部屋に、二人の絆が深く刻まれた。
 初体験は、優しく、しっとりと終わりを迎えた。



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(2025/11/24)


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