ゼーガペインNOT

2006年12月7日発売/バンダイ/9点

 セレブラム最強のパイロット、トガ・ヴィタール。月面侵攻作戦からの撤退戦で最後まで戦場に残って戦い続けたトガは、乱戦の末、地球に墜落してしまっていた。トガは敵であるガルズオルム陣営に捕らえられ、彼のゼーガペインも回収・コピーされてしまう。
 記憶を失った状態で目覚めた彼は、ガルズオルムのエースパイロット「トガ・デュープ」として、かつての同胞たちとの戦いに身を擲っていくのだった……。

 タイトルからして「NOT」と否定形ですが、ゲームの内容は、本当にプレイヤーに全否定を強制しますので、そのつもりでプレイしてください。
(タイトルのNOTは違う意味がこめられているそうですが)

 7月に発売された「ゼーガペインXOR」の続編。基本システムはほぼそのままに、前作では敵であったガルズオルム側の視点でのストーリーとなっているので、続編というよりは「対」になる作品、と言ったほうがいいかもしれませんね。
 原作ものの宿命である、「アニメ見ていないと設定とか人物とかチンプンカンプン」という不満を持たせないためか、初回特典にはアニメのダイジェストDVDがついてました。シズノさんがナレーターやってましたが、明らかにこっちのほうがゲームより価値あります。
(あくまで「新カットを含む再編集」なので、期待のしすぎはいかんけど。15分しかないし)

 やたらとツッコミどころが多かった前作を流石に反省したのか、不満点をいくつか解消してあります。出撃前のブリーフィングで無理に全員に話しかけなくても出撃できるようになり、難易度も「XOR」に比べて大幅に上がりました。
 また、本作もXboxLive対応ですが、前作「XOR」を持っている人とも対戦できる「クロスディスクネットワーク対戦」仕様が大きな特徴。同シリーズとはいえ、異なるタイトルでの対戦を実現したのは本作が初めてで、野心的なシステムの搭載はスタッフのやる気を感じさせてくれます。

 ……って書くと、「お、ひょっとして良作?」と思えてきそうですが、本作も開発はキャビアですので、まともなものは最初から期待しないように。

 確かに前作が異様に難易度が低かったので、それへの反発が大きかったのはわかるんですが、いきなり難易度上げすぎなんJAAAAAAAAG!
 前作でSSが取れたからって、残念ながら本作ではまったく通用しません。陣営がアニメ版の主人公側から敵方に変わったゆえの「勧善懲悪」をそのまま持ち込んでしまったのか、敵が強いのなんの!
 普通にクリアするだけなら、前半はまだなんとかいけますが、中盤辺りからホーミングミサイルが雨あられ。またロックシステムが特殊で、近接攻撃も異常に当たりにくく、常に防御しっぱなし状態で攻撃ができません。防御を固めておいて一発逆転に賭ける「亀作戦」は「はじめの一歩」でも有効性が描かれていましたが、亀状態のまま削り殺される幕之内一歩は出てませんでしたよね、たしか?

 しかも、今回は相棒となる「ウィザード」の能力の差が激しすぎ。カームだとコルデュアクスを落とすことができず、そこで停滞してたんですが、ネモンに交代したら驚くほど呆気なく撃沈。

 いやさ、この「わかりやすさ」を、もっと別の方法で表現できんか?

ネモン「ちゃんと避けてよトガ!」

 あんなミサイルの雨、避けられるかああああああ!
 誰かホロボルトグラビティを敵に撃ち込む方法を教えてくれ。二連戦のミッションで、二戦目で死んだら一戦目からやり直しって聞いたときの絶望感ったらないです……。

 また、今回はクリアランクの判定も非常にキツく、1面はノーダメージでもSSは無理、クリア時間が2分を切ってもタイムボーナス0なんてステージもあります。ランクアップのこつがタイムアタックに偏っているので、ノーミス当然、速攻上等。

 関係ないけど、攻略キャラ以外全員アホの子にするナフシャって……。

 とにかく、慣れるまでが非常に辛く、慣れてからもそれが快感に転化することはありません。
「面白い」とは、口が耳まで避けて頭のてっぺんで繋がって、顔面がズリ落ちても言いません。1000万円くらいくれたら言いますが。改善点が幾つかあるにはありますが、それ以上に、輪をかけて酷くなっている部分が多すぎ。
 前作の売り上げは3000本前後だったが本作の売り上げは1000本行かなかった、という根も葉もない噂がありますが、ゲームの出来から言えば、寧ろ納得してしまいそうです。

 バンダイの販促のお約束パターンではあるんですが、正直Xbox360で出す必要があったのかなー、これ。操作性は悪いし、ぶっちゃけ絵も普通。三面とか、異様にガクつきます。ライブ対戦ができるのが、唯一360らしい特徴といえば特徴なんですが。
 ま、「ゼーガペイン」プロジェクトそのものが、元々マイクロソフトとの共同企画なんだそうで、360以外の選択肢が無かったのも事実ではあるんですが、そもそも、これだけアニメとの関連が薄いメディアミックス企画って、なんの意味があるんだ?

 なお、「XOR」「NOT」の登場キャラクターは、アニメ22話でめでたく全員登場と相成りました。約一名、「お前誰や」状態でしたけど。

(2007.01.07)