首都高バトルX

2006年7月27日発売/元気/18点

 首都高バトルシリーズは、元気が製作している公道レースゲーム。1994年の初代スーパーファミコン版以降、丸13年に渡り6機種で計9本が発売された長いシリーズです。
 初期作品では土屋圭市が監修を担当していたことでも有名ですね。本作はその記念すべき10作目に当ります。

 グラフィックは……正直に言って期待はずれではありました。元気の看板シリーズであるからには手を抜くことなど考えもしないでしょうが、以前にプレイした「PGR3」などと比較してしまうと明らかに劣っているように見えます。道路公団が全面協力しただけあって、道路に設置されたカメラだのアスファルトの凸凹だの、異常とも思えるほどのコダワリは垣間見えるんですが……。360のレベルだと、もうちょっと上に行けるよなと、いうのが本音ですね。
 あと肝心の自動車のモデリングがラジコンみたいに……あわわわわ。

 遊べるモードは5つ、シリーズ御馴染みの「クエストモード」、他に「タイムアタック」「フリーラン」「オンライン対戦」「オフライン対戦」。
 本作の肝は何と言っても「クエストモード」。300万CPを元手にマシンを購入し、公道でバトルを繰り返しながら車をチューンナップしていきます。首都高は走る時間帯によって対戦するライバルはもちろん、一般車の数まで違うという拘りよう。チューンナップ出来るパーツは19箇所にのぼりますが、ワンダラーと呼ばれる特別なライバルとの遭遇条件にはチューンナップの仕方が含まれている場合も多いので侮れません。
 勝負に明確なゴールは無く、抜きつ抜かれつしながらお互いのSP(スピリットポイント=精神力ゲージ)を削りあい、先にゼロにした方が勝ちというシステムがレースゲームにしては面白いです。

 ただ、レースゲームとはいえ、同じところをぐるぐる回るだけなので、飽きが早いのも確か。
 というのも、前作「首都高バトル01」と比較すると、明らかにボリュームダウンしているのです。
 走れるコースに新宿線と渋谷線の二つが追加されたものの、逆に向島線、中央環状線、高速湾岸線、阪神高速、名古屋高速、東名阪自動車道の六路線が抹消。消されたコースの方が三倍も多いとはどういうことよ? 特に向島線、中央環状線、高速湾岸線の三つは人気が高かっただけに、けっこう反発食らったみたいですね。
 追加された新宿線と渋谷線にしてもコースとしては行って帰るだけの単調なもので、実質的なコースは新環状とC1の二つだけ。発売前の宣伝ではコース追加を華々しく謳ってましたが、結果的にコースが減ってるんだから、明らかにJAROに通報されてもおかしくないほどの誇大広告だろ、これは。

 でもまぁ、それはそれとして選択できる車種が多ければなんとか相殺できなくもないんですが、それすら減っているとはどういうことよ?
 クエストモードの最初にハチロクが消えていることにまず驚きましたが、その他にも前作から消えた車種も多く選別の基準がかなり謎。
 また前述のワンダラーとの遭遇条件には自動車の車種もある場合があるのですが、三菱車への乗車が条件なのにその三菱車がランサーエボリューションしかなかったりと、もう中途半端もいいとこ。

 まあね、レースゲームの業界にも色々と苦労がありまして、ホンダは企業イメージの問題から公道レースのゲームにはライセンスを提供しないし、ポルシェのライセンスはエレクトロニック・アーツが握っているために、それ以外のメーカーがゲームにポルシェの車種を出すにはサブライセンスを取得しなきゃいけなかったりと、裏で大人の事情がいっぱい働いていることは解ります。
 ただね、それを置いておいても、少々ゲームとしてのデキは微妙です。
 コースの数は少ないのにライバルだけはわんさかいたりとか、ボイスチャットはできないし、車の挙動や音もなんだか違和感アリアリです。更にクエストモードを幾ら遊び倒してのノーマルカーの種類は増えません。シリーズの伝統と言えばそうなんでしょうけど、少なくともXbox360のマシンパワーを駆使できれば、もっといいものが作れたはず。良い例は既に何本も目の前にあります。
 発売前の某イベントで設置された試遊台は、製作に協力した道路公団の方々が占拠同然にプレイしまくって一般プレイヤーがプレイできなかった、などという香ばしいエピソードもあるようで、どこでどう間違っちゃったのかねぇ。

(2006.10.02)

解説 WANDERER出現条件

ホーム状態条件
ガレージハルオC1代々木全てのチューニングパーツがレベル1以上
ロンリーウルフC1汐留100戦以上
カミカゼ晃司C1巡回3日に一度出現
不死身の道化師C1巡回水曜日にバイナルを貼っている
サイレントバーバリアンC1京橋4ドアセダンに乗車
ローリングマスターC1巡回「ローリング野郎0号」のカスタムカーを使用
マスターポジションC1巡回CAT×CATとバトル
イエローデスペラードC1汐留オドメーターが200キロ以内の車に乗車
ツッコミブレイカーC1巡回白銀の貴公子を撃破後、イルミネーション系のドレスアップをしている
キューティーヒップC1汐留リアルボイラーをつけていない車を使用
ブラッディマリーC1巡回ホーンの音を変更している
湘南アフェアーC1巡回木曜日にREマシンに乗る
ホープレスホーム3号渋谷渋谷線入り口から3回以上スタートする
鳳仙花エタニティ3号巡回月曜日
焦燥の迅姫3号渋谷トリップメーターが20キロ以内
鋼の三角定規3号巡回5の倍数日にミツビシ系の車に乗車
シェパード猫沢3号巡回2回キャンセルされる
ラズベリーキッス3号渋谷カーボンボンネットを装着
クラフトマン真鍋3号巡回火曜日、エアロを改造している
真夜中の銀狼3号巡回10の倍数日に90年代の車に乗車
下北沢2000CC3号巡回土曜日と日曜日
イリュージョンB3号巡回金曜日、テールランプをチューンしている
無知の知新環状辰巳カスタムカーに乗車
ワイルドハーツ新環状芝浦100勝以上
孤独なニヒリスト新環状巡回有明からコースイン
仮面のエトランゼ新環状巡回2のつく日にガルウィング
限界エレジー新環状辰巳車高を限界まで下げる
ジェットスケーター新環状巡回4の倍数日、ナイトロを装着
マッドファット新環状巡回90日以上経過
テクニシャン小野新環状芝浦最長バトル時間2分以上
辻斬りギャンブラー新環状巡回経過日数の各桁の合計が9の日
緑の野生児新環状巡回なにわナンバーの車に乗車
アンバランス石井新環状巡回前後で違うホイールを装着
フリートゥリー新環状芝浦ノーマルマフラーを装着
狼の鎮魂歌4号巡回フルノーマルの車に乗車
モスキートレモン4号巡回車を二回以上売っている
アイアンレーサー4号巡回BGMの音量をオフ
キング・オブ・エデン4号巡回オドメーターが100キロ以下のRX-8に乗車
忠節の騎士4号代々木オドメーターが1000キロ以上
ジェントルレイン4号巡回ボディのチューンを最大
ラストフライト4号巡回最短バトル距離が5キロ未満
横羽の重爆撃機4号代々木400PS以上の車に乗車
クライベイビー4号代々木ターボ車に乗車
ストーキングハンマー4号巡回同じ車種の車を2台所持
疾走のファンファーレC1汐留3台以上車を購入
ゴッドイヤーC1巡回NAマシンに乗車
俊足のワルキューレC1京橋バトル中の最高速300キロ以上
死神ドライバーC1巡回死神ドライバーの噂を聞いている
スピードドランカーC1京橋バトル中の平均速度160キロ以上
スタートダッシュ改C1汐留ナイトロを装備していない車に乗車
ゴールドライセンス新環状巡回イエローデスペラードを倒す
カフェイン×3新環状芝浦3のつく日、ナンバーに3が四つ以上つく車に乗車
マシン・オブ・インフェルノ新環状芝浦所持金1000万CP以上
ウェイスト博人新環状辰巳マシンの所有台数5台以上
不屈のアレキサンダー新環状巡回3連勝した状態でレインボーブリッジ通過
SPEED BOX新環状巡回チームTOP LEVELの「幻の美少女」とバトル
悲劇のマッターホルン3号渋谷Z系の車に乗車
トゥモローアゲイン3号渋谷レベル5以上のマフラーチューン
嵐のストリーマー3号渋谷ノーマルタイヤ装着
魁のシンジ3号巡回DAY BREAKを一週間連続で走行
煌きのエイジ3号巡回魁のシンジと同時に登場
西新宿アッセンブラー4号代々木追加メーターをつけている
初代・又七4号代々木チームPHANTOM9を一人以上倒す
二代目・又七4号巡回初代・又七を倒す
フリの前橋4号巡回チームTHE BONEのステッカーを貼っている
オチの平西4号巡回フリの前橋を倒す