このレビューは、かなり感情的な文章を含んでいます。ご注意ください。 |
今や新世代機でブイブイ言わせる、セガの青いスピードスターの登場です。
個人的には、ソニックは有り余るほどのスピード感、疾走感さえ感じることができれば、充分にそれで満足なんですが、開発陣が色気を出しまくって色々と無駄にチャレンジしてくれるおかげでクソゲー率が異様に高いのもまた事実。
本作ではそのチャレンジ精神がソニック以上に暴走しまくって、よりにもよって「ゴッド・オブ・ウォー」をパクッてきちゃいました。
後述しますが、さすがにこれはあかんやろ……。
以前に別のソニックのレビューで書きましたが、飲酒運転もほどほどにしとけというか。
今回のソニックには昼夜の概念があり、まったく別の世界(ゲーム)と化します。
昼はこれまでの「ソニック」に近いつくり。
最近のソニックにありがちだった謎解き要素なども殆どなく、「グローバル・イルミネーション」を採用した凄まじいグラフィック技術のおかげで、スピード感はこれまでとは比較になりません。
そんじょそこらのレースゲームなんか相手にならないくらい、文字通りの「音速」を体験することができます。
何もかもが何らかの要素の発展系であり続ける昨今、真の意味で「オリジナル」の名を冠することができる、数少ない疾走感。素晴らしいの一言です。
特に新技「ソニックブースト」のおかげで、その爽快感は更に倍増。なにげにホーミングの性能が向上してて、前作のようにターゲットが動いてるのに、その元いた場所に突っ込んで事故死、といったことが随分と少なくなりました。
さて、気分よくお楽しみになりたい方は、ここで読むのをやめていただいて結構です。
そして、「ソニックワールドアドベンチャー」の昼のステージだけをプレイして、さっさとやめてしまいましょう。
上に書いた要素意外は、全て標準以下で、その要素が半分以上を占めますので、覚悟が必要です。
最大の問題は、「昼」に対する「夜」にあたるパート、「ウェアホッグ」。
もう「ゴッド・オブ・ウォー」の劣化コピーとしか表現しようがない、物凄い有様。
まぁパクリ自体は、褒められないながらもよくある業界ではあります。
が、パクるならパクッたで、普通は自分たちだけの要素を何か突っ込んで、少しでもそう見せない程度の頭は働かせると思うんですが、特に基本動作なんかは、気持ちがいいほどそのまんま。
いや、確かに「ゴッド・オブ・ウォー」は売れたし、面白いし、売れたものを参考にしようと言う気持ちはわかるんだけど、参考の時点で止めときゃいいのに、中途半端な能力でそれを体内に取り込もうとしたせいか、もうどう書いても悪口しか出てこないような結果に。
詳しく書いたら思い出して腹が立ってきそうなんですが、スピード感がウリのはずのソニックで、1ステージ一時間とかアホじゃねーの?
また、悪意満点のトラップが多いくせにカメラ固定視点が多いとか、ソニックに比べて無闇に操作性が悪いように感じるとか、処理落ちがかなり酷いとか、一部の判定が異常に分かりづらいとか……。
たぶん、優秀なスタッフを連れてきて「わざと悪質なクソゲーと作れ」と指令を出したら、これができると思います。それくらいに酷いです。
昼パートもまぁ、欠点があるにはあるんですが、それにしても、この夜パートの足の引っ張り具合があまりにすばらしくて、笑えてきます。
各ステージにはソニックではおなじみのコインが多数配置してあるんですが、普通ならスコアアップくらいにしか使わないそのコインを、本作ではなんとストーリーを進めるために集めなきゃいけません。
それまでに獲得したコインの数が足りないと、ストーリーが先に進まないんですが、これまた物凄く悪質と言うか、いやらしい場所に配置してあるので、強制的に集めさせられるのにかなりストレスがたまります。
(正直言うと、そのシナリオも前作以下なんだけど)
あと、ホーミングとブーストが同じボタンって、どう考えたらこんな馬鹿みたいな仕様を考え付くのか?
「ソニック」という素体はすばらしいものの、毎回毎回、それに乗っかる要素が酷すぎる感じのある「新ソニック」。
コレ作った人、ひょっとして「自分は凄いんだ」とか、絶望的な勘違いしてませんか?
なんか、邪悪な波動がビンビン感じられるんですが……。
(2010.01.10)