わくわく7

1996年12月27日発売/サンソフト/83点

 7つ集めれば何でも願いがかなうという伝説のわくわくボール。偶然にもその中の1つを手にした者達の戦いが今、始まる!

 えーと、原作は鳥山明ですか?

 上で紹介している「ギャラクシーファイト」と同じスタッフが製作したという対戦格闘ゲーム。激シヴ一直線だったギャラクシーファイトとはゲームの雰囲気が180度変わり、明るくポップな下町格闘ゲーム(なんだそりゃ)になりました。

 アーケードで発売され、ネオジオとサターンに移植されましたが、いかんせんゲームセンターでの出荷数が少なく、また稼動時期が短すぎて、知名度があまりありません。
 しかし、埋もれたままにしておくにはかなり惜しい作品です。

 登場キャラクターは、小学生・爆皇雷、全身タイツ中学生・牧原アリーナ、唯一まともに見えるスラッシュ、ロボメイド・ティセ、となりのトトロまるるん(+麦ちゃん)、ポリタンクZ、ダンディーJ、そしてボスキャラの魔界大帝フェルナンデス。

 兎に角、ギャラクシーファイトに比較してキャラクターの萌え度が一気にアップ!
 女性キャラでは、牧原アリーナの全身タイツ + ジャケット + ウサ耳、ティセのメイド服に髪で隠れた瞳、動き回るまるるんの背中に必死にしがみつく麦ちゃん。男性キャラでもショタ(雷)、美形(スラッシュ)、オヤジ(ダンディーJ)としっかり基本を押さえたキャラクターのラインナップに、萌え死んだ者も少数ながらいたという(一部に間夏美にも)。
 今風に言えば「萌えを狙った」キャラクターではあるのですが、すっきりとした収まり方をしているので、決して引く事はありません。
 もちろん、低い知名度の範囲内で、ではありますが…。また、どのキャラもいい意味で個性的なんですけど、ラスボスのフェルナンデスを見たら全部吹っ飛んじゃうかもしれませんデス。

 さて、お約束設定のキャラクターが揃っているとは言え、本作は決してキャラゲーではありません。対戦格闘として、わりとしっかりと作りこまれています。
 ギャラクシーファイトではスピード感で魅せてくれましたが、本作はその爽快感がいい感じ。システム的には、空中ガードやパワーアップなど、地味ながら揃うところは揃ってるし、簡単な連続技で10ヒットくらいはすぐに出るので、そのあたりの爽快感は決してビジュアル的な明るさに引けをとりません。

 今はもう、ゲームセンターでは殆ど見ることの出来ない本作、サターン版は拡張RAMカートリッジに対応している割りに処理落ちが酷く、お勧めできません。本作独特の「わくわく感」を味わうには、やはり エミュレータ ネオジオ版が一番お勧めなのですが、ネットオークションで一時期6万円を越える価格がついていたのを考えると、手に入れるのはちょっと困難かもしれませんね。