あの「スターゲイト」のローランド・エメリッヒが監督し、ジャン・クロード・ヴァン=ダム、ドルフ・ラングレンが主演した映画に「ユニバーサル・ソルジャー」というのがあります。
ベトナム戦争が影を落とす設定の作中で、二人の強化戦士がドンパチしあうという、まぁよくあると言えばよくある設定の映画です。
この「ギャラクシー・ファイト -ユニバーサル・ウォリアーズ-」は、その副題からも解るとおり、主人公や設定の一部にその「ユニバーサル・ソルジャー」から影響を受けています。
とにかくまぁ、その世界観からキャラクター、BGMまで激シヴ!
登場キャラクターは、強化戦士(?)ロルフ、忍者カズマ、ロボットのムサファー、衣装も足技も際どい(?)ジュリ、宇宙生物ギュンター、薄幸王子アルバン、地味激シヴ1000歳・ゴールデンドーン。そして、一人だけ浮きまくりな萌え系少女・ルーニ(馬だけど)。
ロルフは明らかに「ユニバーサルソルジャー」に主演したドルフ・ラングレンがモチーフでしょうね。
ゴールデン・ドーンの名前の元ネタは、20世紀初頭にアレイスター・クロウリーやマクレガー・メイザース、アーサー・エドワード・ウェイトといった錚々たる“魔術師”たちが集っていた魔術結社(日本訳では「黄金の暁会(「黄金の夜明け団」とも)」)。「ゴールデンドーン・タロットデッキ」といえば、タロットカードの知識がある人なら聞いたことはあるはず。そんな名前、まんま使ってよかったの?(汗)
グラフィックは少し暗い色調ながら凄まじく描きこんであり(ゆえに、ちょっと荒く見えるが…)、キャラクターもよく動きます。操作は実質3ボタンで、扱いやすいのは好印象。
本作最大の特徴は、スクロール端のないステージでしょう。行けども行けども無限ループで、画面端に張り付いて攻防、というのは難しく設定されています。
そしてそれに対応するように、ダッシュ攻撃が超強力! ダッシュ攻撃はそれだけで削り効果がつき、ダッシュもバックダッシュもガードキャンセルから行えるなど、とんでもないスピード感が味わえます(ダッシュを絡めた攻防を覚えれば、対戦ではそれなりに遊べてしまいます)。
CPU戦は正直、自分の無力さを思い知らされるくらい強烈な難易度ですが、本作は全ての必殺技がガードキャンセルが可能なので、ひたすら待ちまくってガードキャンセルで技を出すことを憶えれば、ラスボス・フェルデンまでは行けるようになれます。
ただ、あまりのスピード感ゆえかキャラクター間のバランスが悪く、決して対戦で遊びやすいとは言えません。
また、やはり渋過ぎた。これが最大のウィークポイント。
渋いのは大きな特徴なのですが、それが地味さに繋がってしまいました。なんとかルーニで世界観を壊さない程度に(?)明るさを盛り込もうとしたみたいですが、そこだけブラックホールになってしまい、逆に全部吸い込まれちゃいましたね。
ロルフやゴールデンドーンのエンディングを見た後でルーニのエンディング見たら、絶対にひっくり返るよ(笑)。エンディングで、ルーニの歌「スターパンチャー」が流れるのですが、
「パンチ、パンチ! パンチ、パンチ! パンチは虹色レインボー 星が飛び散るの スター、スター、スターパンチャ〜」
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そういえば、本作の発売は95年。もしシリーズ化していれば、ルーニが「KOF」の麻宮アテナと(色んな意味で)張り合ってたかもしれませんね。