鋳薔薇 (いばら)

2006年2月23日発売/タイトー/29点

 そのランクッ! 薔薇バラ死(DIE)ダイス!!

 縦スクロール・シューティング。つーか、まんまガレッガ(どっちかというとバグレイドか?)。一部ガンフロンティアだけど。
 発売はタイトーの本作ですが、製作はケイブです。

 えー、まず本作の第一印象を、できるだけオブラートに包んで申し上げますと。

 画面が超絶にキタネぇ!

 ……ごめん、無理だった。
 ぶっちゃけて言えば、「バトルガレッガ」と同じ描き方。こういったタイプの描き方で人気が出た作品も、過去にあるにはあったんだけど……。
 絵が下手とか画質が悪いとかそういうのじゃなくて、わざとこういう表現方法をしてると思うんだけど、その価値は一体どこにあるの?
「アンダーカバー・コップス」のような「ドット絵の芸術」と言えるようなものではなく、ただひたすら視神経に厳しい絵です。
 というか、この女の子満載の世界観なら、もうちょっと綺麗に仕上げようとは思わないかな、普通。

 私など、「アルカディア」に掲載されてたキャラクターカットが思いのほか綺麗で、敵キャラクターである女の子達(各ステージのボス機に搭乗)もかなり可愛い子ばかりだったので、ちょっと硬派ではあってもそういう方向からも入れるかな〜とか思ってたんですが(ただし、ヘンなうんこヘアーの主人公は除く)。
 ……考えが甘かった。
 シューティングとしてのデキは、画面の悪さを除くと、普通レベルと駄作のギリギリの線。
 性能の違う二種類の機体(1Pと2Pで違い、選択は出来ません)、種類が豊富なオプション、続けて獲るごとに得点がアップしていくアイテムなどお約束は踏襲しているものの、こちらもケイブシュー(というか矢川シュー)お約束のランク制による激烈な難易度。
 矢川忍が関わっている、と聞けば、古いファンはファミコンの「シューティングキャラバン」からおなじみの「ランクゲー」(ボムを使うなど、一定の行動で難易度が上がるシステム)を思い起こすでしょうが、本作は特にそれが極端。とにかく、プレイヤーがなにをしても、それがランクの上昇に繋がる(生き残っているだけでランクが上がる)という壮絶な鬼仕様で、正直、鞭ばかりで飴がいっさい無し。
「ボスがやたら硬い」とか「ひたすら物量で押してくる敵弾」とかいうのは兎も角、「敵弾が消える(見えなくなる)」っていうのはアリなのか? たぶんケイブのシューティングによく搭載されている「処理オチ」の再現だと思うんですが……。
 また、敵が破壊されたときに機体の破片がばら撒かれるのは、普通は快感なはずなんですが、このグラフィックでやられると、ただ邪魔になるだけ。マジで敵弾が隠れてしまうので、全然意味無し。一応、散らばっていく敵機の機体をとれば得点になるようですが。

 グラフィックと同様、音楽や効果音もキンキンと耳に突き刺さるようなものが多いのですが、これは店側の筐体管理のせいもあったのかな?

 例え、激烈な難易度のゲームであっても、どこかに魅力的なファクターがあれば「ちくしょー!」とか思いながらコインを投入してしまうものです。残念ながら、このゲームには、そういう要素を感じられませんでした。

 なお、本作には「ピンクスウィーツ」という続編があります。……が、私の周りではついぞ「プレイした」という話を聞かないんですが、評判はどうだったんだろ?
 後に「鋳薔薇黒(ブラックレーベル)」というのも出ています。

(2005.10.01)