さて、本作はソニーが出した「音楽AC+ADV」です。
後半の「+ADV」っていうあたりが大問題なんですけど、とりあえず話を続けます。
音楽アクションということで、当然のように専用コントローラーがついてるんですが、これがなんとギターピック!
これを、本物のギターを爪弾くのと同じように、テニスラケットなどで弾いて使う本格派!
……ラケットのほうは自分で用意しなくちゃいけませんケド。
さて、アドべンチャーでもある本作は、幾つかのキーワードで貫かれています。それは、『努力』『根性』『ギター魂』、そして『布袋寅泰』!!
そう、あの布袋(本作中では『HOTEI』)ですよ! あのロックでチューンな布袋ですよ!(音楽に詳しくないため、極めていい加減な表現)。
彼を取り上げるゲームというものが、熱くならない筈がありません!
音楽ゲームといっても、本作は練習に練習を重ねて、じわじわ楽しむタイプのものではありません。例えて言うなら、襲い来る困難をすべてギター対決で解決する、『クッキングファイター好』のようなゲームです。
そのため、ギター演奏のタイミングは、音楽ゲームにしては少々いい加減でもOKですし、失敗しても部屋に帰って何度でも練習しなおせます。
求道的に極めて頂点を目指すゲームではなく、ひたすらHOTEIとともに熱いギター道を驀進するゲームなのです。
オール・ロサンゼルスロケで東京と言い張る魔都っぷり全開な東京で、HOTEIを巡る数々の事件が起こります。
主人公は、時に疑われ、時に仲間と協力し合いながら、トラブルを熱いギター魂で切り抜け、誘拐されたHOTEIと、奪われたHOTEIの新曲を取り返すのだ!
このHOTEI奪還イベントが最高に熱いです!
なにせ、HOTEIの新曲を奪った犯人が、その曲をライブでヘタクソにお披露目した直後、仲間とともに乱入した主人公が、犯人よりも遥かに熱く新曲を弾いて見せ、客の前で犯人の嘘を暴くのです!
ああ、ギターやってて本当によかったです!
そして、救出されたHOTEIの言葉。
『曲を盗まれようがギターを折られようが、俺の魂は俺のモノだぜ!』
『俺に言えるのは、魂の無い音楽にパワーは生めないってことさ』
熱いぜ、熱くて死ぬぜええええええ!!
確かに、ピックを使った動作には、かなり激しい動きを要求されるし、難しいフレーズも結構あります。しかし、それを乗り越えさせる布袋の熱さとフレンドリーさが、確かに伝わってくるのです。
拳を握るならギターを握れ! 口で語るならギターで語れ!
本作は、そんな独特の熱さに満ち溢れた快作なのです。
(2005.05.30)