さあ、北斗ゲーム史上に残る、究極の馬鹿ゲー双璧の一翼です。
もう一翼を担うセガサターン版の「北斗の拳」は、いわば「変化球派」。大型セットを用いた寸劇で無理やり笑わせるタイプの「お笑い」ですが、本作はその逆。「北斗の拳」をリスペクトし、もてる技術をフルに使って真正面から体当たりした結果「お笑い」になった、いわば「正統派」馬鹿ゲー。
確かに、「北斗の拳」にはもともとお笑い要素はありました。個性溢れる敵キャラクターもさることながら、ケンシロウなどに秘孔を突かれて爆死するときの、
などの悲鳴は、もうシュールを通り越してギャグの世界に突入していました。
本作は「北斗の拳」をリスペクトしながらも、そういった「北斗」の裏の世界を、真正面から全面肯定したゲームなのです。
ゲームを始めると、いきなりアニメ版のそれをフルポリゴンで再現したオープニングムービーがプレイヤーの心臓を鷲づかみ。「スタートボタンを突け!」といわれて押してみると、ケンシロウボイスで「あた!」。もう逃げられねえ!
基本的に原作のストーリーをポリゴンで再現したものを、アクションゲーム仕立てで解決していく内容で、原作のラオウ編までをコンパクトに纏めています。アニメ版に比べて声優陣が何人か変更されていますが、セリフはアニメよりも原作に忠実なのが嬉しいところ。
正直、ゲームとしての出来はイマイチです。時代を考えてもポリゴンはかなり荒いし、北斗神拳の恐怖をみんな知っているのか、キャラが常に小刻みに震えてるし、アクションゲームとしても少々修練不足を感じてしまいますが、北斗だから、ということで全解決。
というか、正直そのあたりのクンフー不足は、ゲームに集中してしまうと全く気になりません。
戦闘中に一定の条件がそろうと奥技発動モードに突入するのですが、コレが凄く面白い。コマンド入力で奥技を上手く叩き込めるとお約束で敵が爆死するのですが、「リアルタイムあべしシステム」のおかげで、ある程度自由に悲鳴を操れます。
もう、笑うしかありません。
また、一度クリアすると、ゲーム中のシーンとセリフを自由に組み合わせて遊べる「世紀末シアター」が解禁になります。要するに、北斗の世界を自由自在に弄ぶことができるのです。
こればっかりはもう、実際にプレイしてみてくれとしか言えませんが、本当に狂いまくってて、腹筋が千切れるほど笑い死ねます。
まさに、北斗ファンによる北斗ファンのためのゲームです。初回特典についてたジャギ様メタル胸像など、北斗愛が炸裂しすぎて、かなりヘンな方向に逸れちゃってますけど、それがまたいいのです!
(2007.01.08)