THE KING OF FIGHTERS '99

発売機種発売日発売元価格
業務用(MVS)1999年7月22日発売SNK169000円
家庭用

■メインストーリー / ■ユリ・サカザキチームストーリー  / ■システム / ■コラム / ■ユリ新衣装ボツ案集
■必殺技コマンド / ■勝利メッセージ / ■敗戦メッセージ / ■ステージ5対戦前デモ / ■ステージ5対戦後デモ
■ステージ6一勝後デモ / ■ステージ6二勝後デモ / ■ユリエンディング / ■特種エンディング一覧

メイン・ストーリー

『キング・オブ・ファイターズを開催する』
 世界各地の格闘家たちへ届けられる招待状。キング・オブ・ファイターズが開催される! 
 だが、今回はいつもとは様子が違っていた。招待者の周りで、前大会のような世界規模の盛り上がりを見せる気配が一向にないのだ。不審に思う格闘家たちに、さらに輪をかけて、対戦形式にも新しいルール規定が……。
『対戦形式は3対3。ただし今大会はストライカーマッチを採用する……』
「ストライカーマッチ!?」
 聞き慣れない対戦形式に、格闘家たちはとまどいを隠せずにいた。
 一方で大会にキナ臭いものを感じたハイデルンは、ラルフたちを送り込み、大会開催の真相究明に乗り出す。
 そんな中、二階堂紅丸も招待選手で結成されたスペシャルチームの一員として、KOFに招かれる。 あらかじめ記されたチームメイトの名前にはK'(ケイ・ダッシュ)とマキシマという名前のみ。格闘界では見たこともない名前に紅丸は困惑するが……。
 釈然としないまま開催地へ向かう紅丸、そして格闘家たち。
 ストライカーマッチとは? 開催される大会には何か裏があるのか?
 様々な謎をはらみ、キング・オブ・ファイターズいよいよ開幕! 

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ユリ・サカザキ チームストーリー

「うーーん、……」
 ユリは夢を見ていた。
 どこかはわからない。
 くずれていく瓦礫に埋もれていく父タクマ。それを助けられないでいる自分。
「お父さん!!」
 ガバッと起きあがって目が覚めた。
「あー、なんて夢なんだろ……」
 いつも父の相手をするのが面倒くさいユリであったが、夢はやけにリアルで、父が本当に死ぬのではないかという生々しいものであった。
「やだやだ、変な夢は忘れて、今日も一日頑張るぞ!」
 そんな悪夢を振り払うかの様に自分に言い聞かせると、彼女は素早くトレーニングウェアに着替え、トントンと階段をかけ降りていった。
 ダーーン、ダーーン。
 朝っぱらから台所で、そばを叩きつける音が聞こえる。
 作っているのはもちろんタクマ・サカザキ。知る人ぞ知る極限流空手創始者である。
「お、起きたなユリ。今日も、そばは上出来だぞ。どうだお前も食わんか?」
「いい、いいよ……」
 こんな親父……心配して損した。
 あんな、なんべん殺しても死ぬとはとても思えない親父の最後を夢で見るなんて、そうはないなと、思いながら、ユリは朝のさわやかな風に体をまかせて、かけだしていった。
 日がもう昇り、街が動き始めた頃、一汗かいたユリが帰ってくるのを一人の男が玄関先で待っていた。
 赤い胴着の男。極限流空手師範代。リョウ・サカザキである。
「もう! お兄ちゃん! いいかげんその胴着洗いなさいよ! すごいにおいだよ!!」
「なに!? これは今まで闘ってきた男達の! い、いいや、そんな事はどうでもいい。それよりもユリ、親父が話したい事があるそうだ」
「えーーー」
「まあ、ユリちゃん。話くらい聞いてもええんとちゃうか?」
 兄の後ろから見慣れた顔がスッと出てきた。
「あ、ロバートさん!」
 ロバート・ガルシア。ガルシア財閥の御曹司。兄であるリョウ・サカザキのよきライバルであり友人である。
「ロバートさんまで呼ぶなんて……これは、まさか!」
「そうや、たぶん今年もキング・オブ・ファイターズがあるんとちゃうかな?」
「よおし! そういう事なら話を聞く価値もあるみたい。で、お父さんは?」
「今、道場にいる」
「じゃ、行きましょ」
 聞いた途端に、ユリは道場の方に足を向けた。
「あ、ユリちゃん。待ってえな。そない急がんでも師匠は逃げへんて」
 ユリは、すたすたと道場の方へ向かって歩きながら、もう今年もキング・オブ・ファイターズの季節がやって来たなと思うのであった。

 道場に三人が着くと、中ではすでにタクマが正座の姿で待っていた。
「おお、三人共揃ったな。まあ、こっちに来い」
「親父、話というのは?」
 正座をしながらリョウが訪ねた。
「うむ。じつはな、道場にこれが届いた」
 タクマが差し出した物。それはまぎれもなくキング・オブ・ファイターズの招待状であった。
「やはり今年もキング・オブ・ファイターズの大会が開かれるのか」
 神妙な顔つきでリョウが答えた。
「にしては、今年はなんやテレビの宣伝もしてへんし、規模が小さくなって地味やなあ。まあ、キング・オブ・ファイターズの大会はハプニング続きやさかい、大きなスポンサーは尻込みしてもしゃあないか」
「それで今年も出場って事だろうけど、今回は私、他の人達と組みたいな」
「いや、ユリ。お前は我々極限流のチームの一員として出場してもらう」
 タクマが即答した。
「え〜どうして? だってお兄ちゃんでしょ? ロバートさんでしょ? お父さんが出たら定員オーバーじゃない!」
「実はな、今回は四人一組のチーム戦の様なのだ。」
「ゲッ! じゃあ私、今回も女性格闘家チームとして、出場できないの?」
「ユリ! お前は極限流のチームの一人だという事を忘れるな! それは……」
「はいはい。お父さんの説教はもういいです! あ〜あ、でも今回はお兄ちゃん達とは違う人達と組みたかったな……」
「まあ、ユリちゃん。ええやないか。今回は極限流空手全員出場や。こんな事めったにないで」
「それはそうだけど……」
「ユリ! 文句を言うな! お前はいつも……」
「はいはい! わかりましたよ! お父さん達と出場しますって! じゃあ、私、トレーニングの続きがあるから」
「待て、ユリ。親父の話はまだ……」
 リョウが止めるのも聞かず、ユリは道場を後にした。

 ユリは道場の裏にある松の樹の下にいた。
「もうっ、お兄ちゃん達のいいようにされるのはなんだか、しゃくだけど、まあ、大会に出られるだけでもよしとしないと……」
 それと……
 どうも、気にかかる事がある。今朝に見た夢である。
 お父さんとキング・オブ・ファイターズの大会は何か関係があるのかしら? それとも全然関係のない事なのかしら? いずれにしても大会に出れば何かわかるはず! 
 ユリは妙な不安とそれと同じくらいの期待を胸に秘め、大会に出場するのであった。
 今年の夏も熱くなりそうである。

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システム

■基本システム……ダッシュ、バックステップ、投げ外し、ふっとばし攻撃(CD同時押し)、空中ふっとばし、小ジャンプ、中ジャンプ、大ジャンプ、受け身、ストライカー呼び出し(ストライクボム1つ消費)。

■特種移動……かわし移動(AB同時or+AB同時押しで前方、+AB同時押しで後方に移動。無敵時間アリ)、かわし移動攻撃(前方かわし移動中に攻撃ボタンどれか)、ガードキャンセル緊急回避(ガード中にAB同時or+AB同時押しで前方、+AB同時押しで後方に回避。ゲージ1本消費)。

■カウンターモード……ABC同時押しで発動(パワーゲージ3本消費)。発動中は、@攻撃力が上昇・のけぞり距離増加、A超必殺技が出し放題(制限時間内・MAX超必殺は不可)、Bかわし移動攻撃がキャンセル可能になる、C特定の必殺技⇒超必殺技へキャンセル可能、Dガードキャンセル緊急回避・ガードキャンセルふっ飛ばしが使用できない、という特徴がある。

■アーマーモード……BCD同時押しで発動(パワーゲージ3本消費)。発動中は、@防御力が上昇・必殺技をガードしても削られない、A相手の攻撃を食らってものけぞらない(例外あり)、Bかわし移動攻撃にふっ飛ばし効果がつきキャンセル可能になる、C超必殺技が使用不可、Dガードキャンセル緊急回避・ガードキャンセふっ飛ばしが使用不可、という特徴がある。

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コラム

 大人気を博した前作からシステム一変させ、新ストーリーに新主人公を引っさげて登場した第六作。
 何よりも、最大の変更点はストライカーシステムの登場でしょう。これまでの3対3に加え、4人目のメンバーを「援護専用」と言う形で試合に乱入させることができるようになりました。ストライカーはキャラごとに特徴があり、単純攻撃型、敵ロック型、敵パワーゲージ減少、味方パワーゲージ増加、体力回復、の5タイプに分かれていました。これは「2001」まで採用されましたが、ゲームバランスを破壊するほど強すぎるストライカーが複数おり、かなり問題になりました。
 システムとしてはこれまでの「攻撃避け」や「緊急回避」にかわり、新たに「かわし移動」なるものが採用されました。これは他のシリーズでは出てこないので、本作のみの採用になりました。カウンターモードとアーマーモードは使いこなせれば面白いです。それぞれ攻防に特化しており、使用感覚は一長一短。

 また本作ではスコア(得点)が廃止され、「バトルアビリティー」というポイント制になりました。これは端的にいえば「相手に完勝するほど上昇し、てこずると下降する」ポイントで、一定の式に基づいて試合後に計算されます。要するに、最速でパーフェクト、超必殺技KOを続ければ最大値を維持できます。

 このポイントが一定以上あれば、ボスの後に八神庵か草薙京のいずれかが乱入してきます。

 ストーリーは「ネスツ編」が新たにスタート。新主人公K'を巡る複雑な人間関係など、見所はたくさんありました。
 本作のユリはほぼいつも通り。立ちB、立ちDでけん制し、しゃがみDから燕翼、雷煌拳、百烈びんたを絡めてガードを崩してダウンさせ、めくりジャンプDからの連続技を狙っていきます。

 マ、それでも確実に言える事がひとつだけ。


私、なんだかこいつが好きです(笑)

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ユリ・ボツ衣装案集

「'99」の企画段階で出ていた、ユリの新衣装のボツ案です。


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必殺技コマンド

特殊技コマンド
燕翼 + D
旋回脚 + B.B
必殺技コマンド
虎煌拳 + A or C
覇王翔吼拳 + A or C 押しっぱなし
雷煌拳 + B or D
空牙
(ユリちょうアッパー)
+ A or C
裏空牙
(ダブルユリちょうアッパー)
(強・空牙中に) + A or C
飛燕疾風拳
(ユリちょうナックル)
+ A or C
飛燕旋風脚
(ユリちょう回し蹴り)
+ B or D
百烈びんた + B or D
超必殺技コマンド
飛燕鳳凰脚 + B or D
飛燕烈孔 + A or C
滅鬼斬空牙 + B or D

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勝利メッセージ

女性格闘家チーム「お久しぶりです! この次はいっしょにチーム組んでね!」
サイコソルジャーチーム「あら、可愛い子が入ったのね! これからもよろしくね!」
エディットチーム「テスト合格よ! 極限流に入門させてあげる!」
「力より技、技より心! この気持ちを持たなくちゃ!」
「格闘人生がむしゃらって感じ! そんなに慌てたら息切れするわよ!」

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敗戦メッセージ

アンディ・ボガード「川の流れは船を運ぶが、時に舟を沈める。極限の技も使い方次第だね!」
不知火舞「駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目っ!! 全然っ、駄目!!」
キング「極限流師範は荷が重いかい? でも泣き言はなしだよ!」
藤堂香澄「空手家のあやしかたは知ってます! 予想通りの結果です!」
ジョン・フーン「風貌・言動・行動。全て化石レベルです。今時、流行りませんよ」
クリザリッド「熟成された技の数々は称賛に値する。それを扱う人格は論外だが…………」

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ステージ5 対戦前

クリザリッド『経過は』
部下「1チーム、良いサンプルが」
クリザリッド『データを見たい』
部下「ただいま」
クリザリッド『まずまずか…………。次の対戦カードは?』
部下「K'をひかえさせています」
クリザリッド『各部隊は?』
ドライバー『あと十分で到着する』
ファントムリーダー『こちらファントムリーダー』
ファントムリーダー『あと五分で積荷を降ろせる』
部下「九割はポイントに到着しました」
部下「残りもそれほど時間はかからないのではないかと…………」
クリザリッド『私もスタンバイする。後を頼む』
部下「ハッ!」

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ステージ5対戦後

リョウ「どこまでおりて行くんだ?」
ロバート「わけわからんな…………」
オペレーター「…………せよ! 応答せよ! ラルフ! クラーク! 返事をしろ!」
副官「ダメか…………」
ハイデルン「ロストしてどれ位だ」
副官「ジャスト三分です」
オペレーター「コマンダー! 世界各地で国籍不明車両が移動中! 不審な行動をとっています!」
ハイデルン「どういうことか?」
オペレーター「鮮明ではありませんが、衛星からの画像を出します!」
オペレーター「拡大します」
ハイデルン「これは…………草薙京!」
オペレーター「不審車両からおりたところをとらえました」
オペレーター「同じような現象が各地で確認されています」
ハイデルン「裏大会として開催されたとしか考えられない今回のKOF。各国に存在する草薙京。一体何が…………?」
副官「なんとかしてラルフ達と連絡をとれ! ロストしたポイントは?」
オペレーター「ポイント…………70599です」
タクマ「やっと止まったみたいだな」
ユリ「どれぐらいおりたのかしら?」
リョウ「さあな…………。何だ!?」
アナウンス『お待ちしておりました。ただいまより決勝戦を行います』
リョウ「どういうことだ?」
ロバート「わからん…………。だが、やらなきゃ帰してくれそうにないな」

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ステージ6(vsクリザリッド)一勝後

モニター『完了』
クリザリッド「ご協力感謝する」
タクマ「協力? お前は何者だ!」
クリザリッド「私はクリザリッド。君達の戦闘データは私達の兵器に転送させてもらった」
タクマ「データ? 兵器? 何を言っている? これはKOFではないのか?」
クリザリッド「君達を呼び寄せるのにKOFの名を使った」
.---同時刻
副官「各隊配置完了しました」
ハイデルン「よし、草薙京を全ておさえろ。ロストポイントにはアックス小隊を送れ。私も後から行く」
オペレーター「コマンダー! ロストポイント周辺で衛星が音声をとらえています!」
ハイデルン「スピーカーに出せ!!」
リョウ「俺たちのデータをどう転送したんだ?」
クリザリッド「先ほどの戦闘だ。私の体を通じて各地に転送された」
ロバート「何のためや?」
クリザリッド「私達の兵器を一気に稼動させるためだ。これを見たまえ!」
タクマ「これは…………」
タクマ「草薙京!」
クリザリッド「オロチ戦直後に捕獲した彼のクローンだ。本物には逃げられてしまったがね」
クリザリッド「世界の重要都市に配備した彼らを一斉に動かし、世界を私達の組織の元でコントロールする」
リョウ「なんだと!?」
クリザリッド「だが彼らを動かすには最後のトリガーデータを入力しなければならない」
ユリ「は? トリガーデータ? 何それ?」
クリザリッド「人をどう殺すかというデータだ。もう暫く私につきあってもらうよ」

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ステージ6(vsクリザリッド)対戦後

クリザリッド「負けた? この私が!?」
クリザリッド「!!」
ネスツ幹部『しくじったか…………』
クリザリッド「いや…………しかし! 配置したクローンを無理にでも動かせば!」
ネスツ幹部『もう手遅れだ』
ネスツ幹部『各地のクローンはおさえられてしまった』
ネスツ幹部『何者かによってな。ここも時間の問題だ』
クリザリッド「クッ!」
ネスツ幹部『我々はここを放棄する。ご苦労だった」
クリザリッド「私はどうすれば?」
ネスツ幹部『クローンにデータを転送することには成功した。今回はここまでとしよう」
ネスツ幹部『あとはその証拠となるものたちを消すだけだ』
クリザリッド「ば…………馬鹿な!」
ネスツ幹部『さらばだ、クリザリッド』
クリザリッド「馬鹿な…………!」

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エンディング

ネスツ幹部『我々は<ネスツ>。世界に新しい秩序をもたらす力だ。新しい世界をお見せできないのは残念だが、安心して眠りたまえ…………」
ロバート「逃げるんやー」
ユリ「あっ、お父さん!」
リョウ「親父―――!!」
ロバート「師匠―――!!」

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特殊エンディング

 ネオジオCD版、及びPS版では、特定のエディットチームでクリアすると、特別な一枚絵が表示されます。
■チーム■組み合わせ
新旧KOFチーム京、庵、真吾、K'
オール餓狼チームテリー、アンディ、ジョー、舞、キム、マリー、香緋のうち4人
オール龍虎の拳チームリョウ、ユリ、ロバート、タクマ、キング、香澄のうち4人
ウィップと愉快な下僕チームウィップ、京、庵、紅丸
人間急降下爆弾チームラルフ、チャン、包、マキシマ
美髪チーム紅丸、アンディ、ジョン、チャン
お子様チーム真吾、包、香緋、ケンスウ
師匠チームタクマ、鎮、キム、ジョン
帽子チームテリー、クラーク、包、チョイ
真吾ウハウハチーム真吾、京、京-1、京-2
ヘソ出しチーム紅丸、マリー、レオナ、アテナ
ショートカットチームウィップ、アテナ、キング、マリー

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