■ THE KING OF FIGHTERS XI
業務用
2005年10月26日発売
SNKプレイモア
207900円
プレイステーション2
2006年6月22日発売
SNKプレイモア
7140円
プレイステーション2(SNKベストコレクション)
2007年6月28日発売
SNKプレイモア
2940円
■ メイン・ストーリー
オロチの封印の解除に成功した、謎の組織の一員、『無界』。
その混乱に乗じ、『八咫の鏡』の力を奪ったアッシュ・クリムゾン。
それらは大会主催者でもあった神楽ちづるの負傷という結果をもたらし、前回のキング・オブ・ファイターズは混乱の中でその幕を下ろした……。
季節が巡り、時が流れ、今年もまたKOFの開催が宣告された。
新たな顔ぶれを加えつつ、次々に明らかになってゆく参加者たち。
如月影二の復帰を筆頭に、初参加者では、オズワルド、B.ジェニー、ダック・キング、桃子、そしてエリザベート・ブラントルシュ。
鍛え抜かれた戦士たちは、かつてない秘密と脅威に渦巻く世界最高の格闘大会に何を求めて集うのか。彼らを加えて、大会は例年以上に熱く盛り上がろうとしていた。
華やかな格闘大会という、KOFの表向きの顔。
それとは別に、うら側では数々の思惑が交差する。
『遥けし彼の地より出る者』と名乗る謎の組織は、これからどう動くのか。
封印を解かれたオロチの力の行末は。
一角を欠いた三種の神器は攻勢に転じることが出来るのか。
そして、アッシュ・クリムゾンの真の目的とは……。
キング・オブ・ファイターズXI、いよいよ開幕。
今、戦いの扉が再び開く。
■ ユリ・サカザキ チームストーリー
「すまないなユリ。わしがこんな体じゃなかったら」
「お父さん、それは言わない約束でしょう」
「心残りはただひとつ、極限流三代目の顔を見ずに……。うっゴホゴホ」
「師匠、無理したらアカンやないですか」
全開のKOF開催中にタクマ・サカザキが襲われてからしばらく経った。
悪いことは重なるもので、今回の開催時期にガルシア財団の重要なプロジェクトが進行することとなり、ロバート・ガルシアのKOF参加までもが不可能となった。
このままではリョウとユリの参加も、事実上不可能である。
「というわけだ、手を貸してくれないかキング……。ごほごほっ」
電話越しに聞こえてくるタクマの音声が常に無く弱々しかったため、万が一のことまで考えながら花束を抱えて病院に駆けつけたキングであった。が、いざ見舞ってみるとどうも様子がおかしい。
一年近く入院しているはずのタクマの血色は妙に良かったし、筋肉も全く衰えていないように見える。看病疲れでやつれたと語っていたはずのユリとて同様だ。
「と、とにかくこれ、見舞いの花だよ。飾ってくれ」
「気を遣わせて悪いなキング……。しかしその花が散った時、このわしの命も」
「お父さん、そんな気弱なことじゃダメ!」
「ああ、ついにこのわしも極限流三代目の顔を見ることなく」
その時、通りがかった女性の看護師が、病室をのぞいて言った。
「あらサカザキさん、今日はどうしたんですか!」
「え! いやなに、何でも…」
「あらあら、いつも元気なサカザキさんが、おかしいわねえ」
「そそ、そんなことはないっ」
「そうですよ、これはその……。そう! ローソクの燃え尽きる前の最後の輝きだッチ!」
「せや! 師匠は余命幾許もあらへんのやで!」
まだな何か言いたそうな看護師を、ユリとロバートが病室から押し出した。
「あんたらね……」
キングは目頭を押さえて頭を振った。
「サカザキさ〜ん、診察の時間です」
先ほどとは別の看護師がやってきた。
(くそ、なんでこんな看護師ばっかり次から次へとやってくるんや!)
(たぶんここが病院だからでしょ!)
看護師はロバートの心情などどこ吹く風で、タクマの口に事務的に体温計をくわえさせた。
「そういえばサカザキさん」
「な、なんですかな、ごほごほ」
「最近、病院の食事が足りないのか、夜になって病院を抜け出して、向かいのドラッグストアに通ってる人がいるらしいんですけど、ご存知ありませんか!」
「さっぱり見当もつきませんな、ごほごほ」
「その人は顔がわからないように、天狗のお面を付けてるようなんですけど、それでも本当に知らないんですか!」
「し、知りませんな」
看護師曰く、天狗の面をつけた入院患者は抜群の運動能力を有しているらしく、2メートルはある病院のゲートを軽々と飛び越え、ドラッグストアでは必ずジャパニーズ・ソバ・ヌードルを購入しているらしい。
検温の結果は36度5分、平熱中の平熱であった。
「……と、いう見舞いだったわけさ」
「すまんキング、本当にすまん! ……あのバカ親父とバカ妹と最強のバカ虎め」
全ての身内を平等にバカ呼ばわりしつつ、リョウはキングに頭を下げた。
「もういいよ。それより相変わらず修行の虫かい?」
「え? ……ああ、まぁな。今、練習生が引き上げたところだ。これからが俺の時間さ」
喧騒から解き放たれた道場には、ちょっとした神聖な雰囲気があった。
隅々まで掃き清められた床。
神棚には瑞々しい榊。
折り目まできっちり揃えられた道着。
静まり返った空間。
「で、実際の容態はどうなんだい? 入院している以上、どこか悪いんだろう?」
「前の大会の後、襲われた傷か? あれはどちらかというと古傷の再発が主で、あっという間に完治して退院してるよ。今回のは検査入院だ」
「検査?」
「親父もトシだからさ。人間ドッグも兼ねて一週間病院に放り込んだ。調べりゃ血糖値だの肝機能だの、まぁ色々とな。おかげで静かな日々を過ごしてるよ」
「あまりヒマができると、また今回みたいなことを画策するよ」
「……それもそうか」
会話が途切れると、静寂が耳に痛い。
リョウはいつの間にか、会話を探してあちこちに視線を動かしていた。
「ま、まぁ親父の体調が万全じゃないのは本当だし、ロバートがKOFに専念できそうもないのも嘘じゃないらしい、俺とユリじゃメンツが不足してるし、門下生もKOFに連れて行けるやつとなると、正直厳しいよ」
「じゃあ、どうするんだい?」
「今年は諦めるさ、いい機会だ。そろそろ俺も道場経営に本腰を入れてみてもいいかなって考える時もあるしな」
「……ふーん」
全ての窓が解き放たれた道場に、風が吹きぬけた。
「リョウはさ、『極限』にたどりついたんだね」
「え?」
「ここは極限流の道場だろ? もう極限の強さを身に付けたんだなぁ、ってさ」
「そんなわけないだろキング」
リョウは言った。武の道は長いし険しい。俺なんかまだまだヒヨッ子だ。積まなきゃならない修行と実戦は山ほどあるんだ……。
「じゃあ戦いなよ、あんたらしくないだろ。KOFくらいレベルの高い格闘大会は、そうそう開かれるもんじゃないんだ」
「しかしメンバーが」
「リョウ、ここは素直に「手を貸してくれ」って言えばいいんだよ」
「……そうだな。すまんキング、今回も頼む」
「さすがはキングさん、ユリの巧みな演技も通用しなかったッチ」
「わしもこのままでは、本当に三代目の顔を見ることなく……」
「せやから師匠! 極限流の三代目はワイとユリちゃんでふげぁっ!」
「サカザキさん、病室で正拳突きはやめてください!」
「とにかく次の策だ。二人とも耳を貸せ」
「……」
■ コラム
アトミスウェイブ版KOF第二弾。これまでの西暦付属のタイトルから、スピンオフの「NEO WAVE」を挟んで正伝に立ち戻り、普通のナンバリングになりました。
吹っ飛ばし攻撃が「Eボタン」で独立したほか、「ジャッジメント・インジケーター」「スキルゲージ」等の新システムが搭載されています。過去の「KOF」といえば、キャラクター選択画面等、やや濃い目のイメージがありましたが、本作(を含むここ数作)はそういったシステム周りや(選択画面の)キャラクターグラフィック等、随分あか抜けた感じがします。
ストーリーやエンディングについては…正直、語るとこ無し。ギャグ担当からコメディ担当になったくらいでしょうか。まぁ、リョウだけでも正気に戻ったようなので、良かった良かった。
でも、ユリとまりんの因縁は、ちょっと無理があったような。
で、そのユリ・サカザキは、「細かい部分では色々変わっている」らしいのですが、感覚的にあまり変化が感じられません。ただ一点を除いては。
「リーダー超必殺技」として加えられた新技「空中飛燕鳳凰脚」が、また超強力なんだこれが。ガード崩しや連続技に大活躍。今回の極限流チームは、誰をリーダーにしてもそこそこ強いような気がします。
これで、企画段階でボツになった「空中当て身技」が採用になっていれば、もっと面白いキャラになったかもしれないのにな〜と、ちょっと残念。
あと禍忌強すぎ。
■ 必殺技コマンド
燕翼

+A
刺燕

+B
昇燕

+D
ゆり降り
空中で

+B
■ 勝利メッセージ
汎用(A)
「えへへへ、やるもんでしょ。ご近所じゃ極限小町って呼ばれてるんだから♪」
汎用(B)
「スピードもパワーもあるけど、ちょっとだけ工夫が足りないよ」
汎用(C)
「ユリ伝説はこの試合から始めるのだー!」
汎用(E+A)
「やさしいユリお姉さんが師範をつとめる極限流道場のお申し込みはこちら!」
汎用(E+B)
「今日はこれくらいでかんべんしてあげるッチ!」
汎用(E+C)
「よいしょ……と。ほら、しっかり立ってよね。そんなに痛くしてないはずだし!」
汎用(E+D)
「このユリちゃんを負かすには、まだまだ修行が足りないッチね!」
vs.リョウ
「優勝はユリがいただいてくるッチ! お父さんとロバートさんによろしく!」
vs.キング
「(ほらお兄ちゃん! こういう時にキングさんに優しくするのよ!)」
vs.影二
「如月さん! お願いがあるの。「にんにん」って言ってくれません?」
vs.ガイ
「天童くん、あのその…… えっと…… 「はりけーんあっぱー!」って叫んでみて?」
■ 敗戦メッセージ
vs.オズワルド
「コールする前にギブアップとは…… Mr.KARATEの足元にも及ばないですね」
vs.リョウ
「オマエはまだまだ未熟! アレンジの前に基本を叩き込め!」
vs.ラルフ
「極限ってのはな、町中よりゃあ戦場に転がってるもんなんだよ!」
vs.まりん
「卑怯だなんていわないでよ! まったくわかってないんだから!」
vs.香澄
「あなたの技は亜流。極限流を倒したとは思いません!」
vs.影二
「心配するな。貴様ごときを倒した程度で、極限流打倒が成ったとは思わぬわ!」
vs.禍忌
「進化と猿真似の区別すらつかないとは…… つくづく人には失望させられる」
■ ステージ4終了後
紫苑
「キング・オブ・ファイターズは問題なく進行中……だそうだぜ、『マガキ』さんよ」
禍忌
「気楽なものだな紫苑。オロチが応じなければ、全ては単なる茶番劇と化すのだぞ」
紫苑
「冬眠中の大蛇様は、今から叩き起こしてくるさ。……それで文句はねぇだろ!」
■ ステージ6終了後
紫苑
「ぐ…… ゴホッ! ちくしょう……オロチの野郎、まだ目覚めやしねえ」
リョウ
「何を企んで、こんなことをした! 答えてもらうぞ!」
紫苑
「鈍い連中だぜ……ムカイが封を解いた今。オロチは再びこの世に……」
紫苑
「ぎぃやぁあ〜ああああああああああぁあ!!!」
禍忌
「……無界なら、こう言うだろう。『この世に転生しているはずのオロチの力を我が主に満たす』とな」
禍忌
「貴様らの全てを、『大いなるオロチ』とやらに捧げさせてもらうぞ」
■ ステージ7終了後
禍忌
「……………………ふむ。私がここまで力を放っても、何の反応も示さない……ということは」
禍忌
「単なる『気』ではなく、まだ何か足りぬものがある……ということだろうな」
ユリ
「バッカみたい! 負け惜しみ言っちゃってさ!」
禍忌
「ほざけ虫ケラ。次の機会に改めて相手をしてやる」
禍忌
「……クク…… クハハハ!! そうだ! そうでなくてはな! この私がここまで手を汚したのだ。オロチが何も反応しないわけが……」
禍忌
「バカ……な……こ、これは……シ……紫苑……め……」
リョウ
「どういうことだ! 何がどうなっているのか、さっぱりだ」
キング・オブ・ファイターズは、今年も波乱の幕切れとなった。前大会で封印を解かれた地球意思、オロチ。その力を追い求める、禍忌たちの組織。事態はますます、混迷の度合いを深めてゆく。
その日の夜半。地元警察が検死中の禍忌の死体が、何者かの手によって運び去られた。
■ エンディング
リョウ
「ユリのやつ、遅いな。人にこんなカッコさせておいて……」
キング
「……まさかユリ、妙な気を利かせてるんじゃ……」
ウェイトレス
「急がなくても大丈夫ッチ! ……じゃなくて、大丈夫ですよ」
ウェイトレス
「お、お客様、何のことだか私にはさっぱりだッチよ」
リョウ
「ちょうどよかった。ここに偽店員がまぎれこんでるから、つまみ出してくれ」
ウェイター
「偽? はて…… なんのことやらわいにはわからへんなぁ」
ウェイター
「ロ、ロバートとは誰のことです。わい、いや私には見当もつきませんが」
ウェイトレス
「とにかく私たちは赤の他人ですから!」
キング
「帰るわよ、リョウ。こんなとこで食事なんてできないわ」
店長
「どうしました。当店の方針に、なにかご不満でも?」
リョウ
「オヤジ、テメェ……いいトシこいて、何バカやってやがる!」
店長
「仰る意味が解りかねますな。いったい何を根拠にそのような」
店長
「お客様、当店のサービスがお気に召さないご様子ですな」
ウェイター
「当ホテル最上階、スイートルームをご用意させていただきました」
リョウ
「そういうことじゃない! キング。これはその、ご、誤解というか」