KOF MAXIMUM IMPACT 2

発売機種発売日発売元価格
プレイステーション22006年4月27日発売SNKプレイモア7140円
プレイステーション2(SNKベストコレクション)2007年5月24日発売SNKプレイモア2940円

 メイン・ストーリー

 サウスタウンで開催された、前回のキング・オブ・ファイターズ――。
 これが、<メフィストフェレス>という一ギャング組織による、対抗勢力の殲滅と活動資金を得るための非合法な格闘大会だったと見る向きは少なくない。
 その決勝の舞台で、“キング”デュークがアルバ・メイラに敗れたことにより、デュークと<メフィストフェレス>はサウスタウンから姿を消した。と同時に、デュークによって押さえつけられていたマスコミも息を吹き返し、くだんの事件について、その情報源も定かではないセンセーショナルな記事をこぞって書き立てた。
 だが、あの大会を開催した<メフィストフェレス>の裏に、さらに巨大な組織が存在していることを知る者は、今はまだほとんどいない。

<アデス>――。

 その名前だけが、裏社会の深い闇の中に、まことしやかに流れている。
 圧倒的な力でサウスタウンを席巻した<メフィストフェレス>さえ、<アデス>が持つ無数の下部組織のひとつに過ぎないという。
 いつ、誰が組織したのか、本拠地がどこにあるのか、どれほどの規模を持っているのか――。
 誰も<アデス>の真実は知らない。

 そして今。
<アデス>の黒く長い手のうちのひとつが、忌まわしい死神の鎌でもって、あらたな闘いの幕を切って落とそうとしていた。

 もうすぐ、死神に魅入られた強者たちのもとへと、白い封筒が届けられることになる。

 ユリ・サカザキ ストーリー

「リョウ、ユリ」
 その日、渋い着流し姿で自室から出てきた極限流空手の創始者タクマ・サカザキは、朝稽古で汗を流していた我が子たちを道場に呼びつけた。
 キング・オブ・ファイターズの開催を告げるユリとリョウにあてた招待状が、この道場に投げ込まれてから、すでに半月が過ぎている。
 ユリもリョウも、あすの朝にはそれぞれの最初の試合がおこなわれる会場へ向かって出立することになっていた。
 その前に、武道家としての気構えやら何やら、父からひとくさり説教されるのだろうと、ユリと兄は顔を見合わせて肩をすくめた。

『<メフィストフェレス>とやらは壊滅したが、まだまだこの街の混乱は続くだろう』
 床の間を背にして板張りの床に正座したタクマのかたわらには、サウスタウンでのギャング同士の抗争劇を伝える新聞が置かれている。
『――こうした混迷の時代にこそ、我が極限流空手が真価を問われるはずだ』
 いっときはサウスタウンの裏社会を完全に制圧するかに見えた<メフィストフェレス>が崩壊してから、街はかえって混迷の度合いを増していた。<メフィストフェレス>の支配下にあった無数の組織が自由を取り戻し、<メフィストフェレス>なきあとのサウスタウンの覇権をめぐって激しい抗争劇を繰り広げ始めたからである。
 そのせいか、このところ、格闘技を習おうという人間は多い。
<メフィストフェレス>に骨抜きにされてしまった警察はあてにならない。ならばこの物騒なご時勢、自分の身は自分で守るしかない――セルフディフェンスの必要性を肌で感じている市民たちが、少しずつ増えているのだろう。
 実際、あちこちのジムや道場の門下生募集の広告が、その新聞にも掲載されていた。
 しかし、極限流空手の広告は、そこにはない。

 得々と語っている父をよそに、ユリはそっとリョウに耳打ちした。
「――いってることはいちいちごもっともっていうか、まあまあ立派なんだけど、おとうさん、ちょっと頭カタいのよねー」
「ああ。質実剛健というかアナクロっていうか、オヤジはハデなPRとか軟派な経営方針が大嫌いだからな」
 リョウも溜息混じりに相槌を打つ。
 サウスタウンに少しでも住んだことのある人間なら、いまさら説明するまでもなく、極限流空手の強さは誰でも知っている。
 Mr.BIGやギース・ハワードといった暗黒街の大立者を相手に、これまで幾度となく披瀝されてきた極限の拳、まさに地上最強の空手――。
 だが、そんな抜群の知名度にくらべて、極限流空手の道場経営は決して楽ではない。
 武道かに虚飾は不要と主張するタクマの意向で、よそのジムや道場のように派手な新聞広告を打たず、そのために入門希望者が集まりにくいところへきて、稽古のあまりの厳しさゆえに、数少ない門下生までもがすぐに辞めていってしまうのだ。
 それもこれも、タクマの昔気質な不器用さが原因だった。

「――ちゃんと聞いているのか、ふたりとも?」
 眉をひそめ、タクマはユリとリョウをじろりと睨んだ。
「もちろんよ」
「当然だろ?」
 しれっとしてうなずくふたり。
「要するにあれでしょ? ねえ、おにいちゃん?」
「ああ。とにかく今度の大会で優勝すればいいってことだろう?」
「それはそうだが、ワシがいいたいのは――」
「みなまでいうなよ、オヤジ」
 リョウは片手をあげてタクマの言葉をさえぎると、その手を握り締めて不適に笑った。
「――極限流空手の強さは、俺がこの拳で見事に語ってきてやるぜ」
「わたしとおにいちゃんとで、極限流の強さを世界中にアピールしてきてあげるから、道場のほうはよろしくね、おとうさん」
 兄の言葉を受け、小さくガッツポーズをとってウィンクするユリ。
「う、うむ――」
 自分が言わんとするところをふたりに先取りされて何も言えなくなったのか、タクマはことさらに渋い表情でぎこちなくうなずいただけだった。

「本当に不器用だよなあ、オヤジも」
 道場をあとにしたリョウは、大げさに溜息をついてかぶりを振った。
「確かにお父さんを不器用だけど、おにいちゃんがそういうこというかなあ?」
「は? どうしてだよ?」
「だってねえ――」
 ユリからすれば、父に負けずおとらずリョウも十二分に不器用な男だ。不器用という言葉が悪ければ、世渡りが下手といってもいい。リョウのそれは、完全に父親ゆずりだった。
「いや、そりゃあ確かに俺だって、自分が要領のいい人間だとは思ってないけどな」
 ユリに指摘され、リョウは苦笑いを浮かべて頭をかいた。
「――けど、オヤジのはスジガネ入りだぞ?」
「まあね」
 おそらくタクマは、ふたりの闘いを見て本気で強くなりたい人間、それだけの覚悟を持った人間だけが入門してくれればいいと、そんなことを考えているのに違いない。軽い気持ちで極限流の門を叩く人間など、最初から相手をするつもりはないのだろう。
 その考え方は、武道家としては正しくても、道場の経営者としては完全に失格だった。
「――でもわたし、そういうおとうさんって、けっこう嫌いじゃないんだよね。おとうさんのおかげで昔っからいろいろと苦労させられてるのに」
「ん? なにかいったか、ユリ?」
「ううん、別に〜」
 怪訝そうな顔をする兄をその場に残し、ユリはさっさと自分の部屋に戻っていった。

 コレまでの人生、ユリは兄の庇護のもとで育ってきた。
 父が戻ってきてからは、父に空手を習って、自分の新たな可能性に気付いた。
 これからは、少しでも父や兄のためになにかしてやりたい。
「――ふたりとも、ホントに不器用だもんね。ここはこのユリちゃんががんばって、少しでも練習生を増やさなきゃ」
 今度の大会は世界各地を転戦する長丁場になる。
 ささやかな使命感に人知れず燃えながら、ユリはトランクに荷物を詰め込んでいった。

 コラム

 まずは、本作のストーリー関連を担当している小説家・嬉野秋彦氏に感謝。
 これまで一部の「KOF」のチームストーリーやエンディングを書き写す作業は、剥き出しの痛覚を鉄製のヤスリでがりがりと削るかのような苦行だったのですが(ファンサイトなのに…)、本作では、久しぶりにストーリーを「無心で書き写す」ことが出来ました。そうだよ! ユリもリョウも、まともな人なんだよ!

 詳しい情報は発売後に追加。ちょっと楽しみ。

 必殺技コマンド(★はスーパーキャンセル対応)

必殺技コマンド
★虎煌拳+L.P or S.P
虎煌拳
(フェイント)
虎煌拳中にL.K or S.K
覇王翔吼拳+L.P or S.P(押しっぱなし)
覇王翔吼拳
(フェイント)
覇王翔吼拳中にL.K or S.K
雷煌拳+L.K or S.K
★砕破+L.P or S.P
★百烈びんた+L.K or S.K
空牙
(ユリちょうアッパー)
+L.P or S.P
裏空牙
(ダブルユリちょうアッパー)
(強・空牙中に)+S.P
闇空牙
(トリプルユリちょうアッパー)
(裏空牙中に)+S.P
夢空牙
(ユリちょうアッパーフィニッシュ)
(夢空牙中に)+L.P+S.P
★超ビール瓶斬り+L.P or S.P(タメ可)
超ビール瓶斬り
(フェイント)
超ビール瓶斬り中にL.K or S.K
超必殺技コマンド
飛燕鳳凰脚+L.K or S.K
天翔覇王翔吼拳
(ゲージ二本消費)
+L.P or S.P
芯!ちょうアッパー
(ゲージ三本消費)
+L.K or S.K

 スタイリッシュ・アート(連続技)コマンド

@ L.P 〜 L.P 〜 L.P 〜 S.P 〜 +S.P
A +L.P 〜 +L.P 〜 L.K 〜 S.K
B +L.P 〜 +S.K 〜 +S.K 〜 +S.K(燕翼 蹴り上げ ダブルサマーソルト)
C L.K 〜 L.K 〜 S.P 〜 +S.P
D L.K 〜 S.K 〜 S.K 〜 +S.K
E +L.K 〜 +S.K
F +L.K 〜 +L.K 〜 S.K
G +L.K 〜 +L.K 〜 +S.K
H +L.K 〜 +L.P 〜 +S.K 〜 +S.K 〜 +S.K
I +L.K 〜 +L.P 〜 +S.P
J +L.K 〜 +L.P 〜 +S.P 〜 S.P
K +L.K 〜 +L.P 〜 +S.K
L +L.K 〜 +L.P 〜 +S.K 〜 S.K
M +S.K 〜 +S.K
N +L.K 〜 S.K
O +S.P 〜 L.K 〜 S.P 〜 S.K
P +S.P 〜 L.K 〜 +S.K 〜 +S.K
Q +S.P 〜 S.P 〜 S.P
R +S.P 〜 +S.P
S +S.P(押し続け) 〜 S.P 〜 +S.P(ユリちょうナックル 空牙 裏空牙)
21 +S.K 〜 S.K(旋回脚 あびせ蹴り)
22 +S.K 〜 S.K 〜 S.K

 対戦前演出

vs.リョウ・サカザキ リョウ「押ー忍!」
ユリ「うぉーっす!」
vs.八神庵 ユリ「そんなに深刻ぶったって、なんにも良い事ないよ。もっと、笑ったら?」
「死にたいのか、貴様」
vs.ソワレ・メイラ ユリ「ばみょーんっ!」
ソワレ「お、かわい子ちゃん発見! これってひょっとしてラッキー?」
vs.チェ・リム チェ・リム「そこのあなた、私とテコンドーを学んでみませんか?」
ユリ「そういうあなたも、極限流に入門しない? 今ならお月謝、安くしとくよ」
vs.K' ユリ「そんなに深刻ぶったって、なんにも良い事ないよ。もっと、笑ったら?」
K'「チッ…」
vs.ロック・ハワード ロック「極限流か。俺の知り合いにも一人、使い手がいるぜ」
ユリ「そぉ? でも、私の極限流は、一味違うのよ」
vs.デューク ユリ「ばみょーんっ!」
デューク「エスコートが必要かな、お嬢さん。もっとも、私が案内できるのは、地獄だけだが」
vs.Mr.カラテ ユリ「お兄ちゃん!? ど、どうしたの? 急に渋くなっちゃって…」
Mr.カラテ「それじゃあ、始めるか」
vs.ニノン・ベアール ニノン「あなた、誰か呪いたい相手とかいない? 私が呪ってあげるし」
ユリ「(驚いてちょっとひいてしまう)」
vs.ナイトメア・ギース ギース「(腕を組んで堂々と立っている)」
ユリ(呆然として)「そんな…」

 エンディング