■ THE KING OF FIGHTERS 2003
業務用
2003年12月18日発売
SNKプレイモア
?円
ネオジオ
2004年3月18日発売
SNKプレイモア
41790円
プレイステーション2
2004年10月28日発売
SNKプレイモア
7140円
Xbox
2005年8月25日発売
SNKプレイモア
5040円
プレイステーション2(SNKベストコレクション)
2006年3月9日発売
SNKプレイモア
2940円
■ メイン・ストーリー
世界最大規模にして最高水準の格闘大会、「キング・オブ・ファイターズ」。
その舞台上でルガールは倒れ、オロチが封じられ、ネスツもまた崩壊していった。
繰り広げられていた数々のドラマ。
だが、それらは如何なる時も何らかの厚い幕で覆い隠され、大衆の目に触れることはなかったのである。
そんな因縁を含みつつ、今年もキング・オブ・ファイターズ開催が決定した。
大会の主催者はまたしても謎の存在であり、その不透明さを受け、さまざまな場所で、さまざまな憶測が乱れ飛ぶ。
しかしそれにも関わらず、続々と参加を表明する歴戦の格闘家たち。
知名度の高い参加者が多数いることを確かめると、それまで慎重だった各メディアも、一斉にKOFを取り上げはじめた。
今大会から導入される新ルール「マルチシフト」、つまり自由交代制の発表を境に、それは社会現象にまで発展し、世界中の話題を独占してゆく。
スピーディーな試合展開と、チーム単位の戦術が同時に要求されるこのルールを巡り、新聞・雑誌は毎週のように特集記事を組み、TVでは、にわか評論家たちが机を叩いて熱弁をふるう日々が続いた。
「まだまだ世界には、とてつもなく強い連中がいる」
牙刀、グリフォンマスク、デュオロン、シェン・ウー。
……そして、アッシュ・クリムゾン。
彼らの名前がネットを通じて次第に知られるようになったのは、まさにこのKOF騒ぎが契機であったのだ。
彼らはKOFに波乱を巻き起こす新星になれるのか?
それとも……。
熱狂の日々の中、着々と準備は進む。
地方大会のステージが決定され、日程が整い、初戦の地に続々と移動する観客たち。
ストリートファイトの雰囲気を演出すべく、会場は市中に設定されたが、試合の模様は巨大スクリーンで中継放送されることとなり、期間中、数万人収容規模のスタジアムが、あちこちの都市で確保されてゆく。
■ ユリ・サカザキ チームストーリー
「オヤジ、金が無いぞ」
「そんなことはわかっとる」
「お父さん、お米も底をついたわよ」
「そんなことはわかっとる! それよりとっととメシを食え!」
茶の間の真ん中に据えられたちゃぶ台。
上には大盛りのかけソバが一杯だけ置かれている。
これを親子三人で分け合って食べるのだ。道場を吹き抜けるすきま風が冷たい。
「うう、たまには月見ソバが食べたいっチ……」
「ぜいたくだぞユリ。月見は盆と正月だけだ」
「しくしく……」
「さ、食べたら門下生の勧誘活動だ。ユリは駅前でティッシュを配ってくるんだぞ」
「しくしくしく……」
「そういえばガスも止められていたな。リョウ、山に柴刈りに行ってこい」
「しくしくしく……」
「オヤジ、水道もとめられてたぞ」
「ユリ、ティッシュを配り終えたら、川へ洗濯だ」
「しくしくしくしく……」
「……ちゃん? ユリちゃん?!」
ユリは目を覚ました。上流から流れてきた大きな桃を拾ってしまう寸前で。
そこは極限流の道場だった。目の前にイタリア人の優男がユリを覗き込んでいる。
「しくしく…… あ、ロバートさん…… 私、寝てた?」
「気分良う寝てたで。師匠とリョウの組み手みながら舟こぐなんて、ユリちゃんもたくましくなったもんや。近所じゃ評判の鬼道場やのになぁ」
「ヒマだからつい、眠たくなっちゃったみたい」
「ヒマ? なんで……って、そういえばまた門下生減ったみたいやな」
道場は閑散としていた。
昔から閑散としているのだが、今は過去にも増して閑散としている。
「お父さんもお兄ちゃんも、修行がハードすぎるのよ」
「せやけど、毎年KOFに出場して、そのたびにTVで取り上げられて、そのときはごっつう門下生が増えるやんか」
「そして翌月までに、その9割が辞めて行くのよ。この前なんか久々に入門してきた新人を、そのまんま走り込みに連れていって……」
「連れて行って?」
「そのままいなくなったの。二度と戻ってこなかったわ。鉄ゲタはかされて10マイル走らされたら、馬だって逃げ出すわよ」
「よう、ロバート。来てたのか?」
極限流の双璧、無敵の龍と最強の虎。つまりリョウ・サカザキとロバート・ガルシアが顔を合わせた。居眠りしていたユリ・サカザキとて、今では相当な使い手であることを考えると、なかなか壮観だ。
「聞いたで、リョウ。また新人を追い出したんやて?」
「追い出したわけじゃない」
「ちょっとは手加減してやらなアカンで? 世間一般の皆さんは、サカザキ家みたいな他の星からやってきた人間と体のつくりが違うんやさかい」
他人の一家を異星人扱いしておいて、ロバートは自分ひとり常識人のつもりらしい。
「人の家族を火星人みたいに言うな。異能なのはオヤジだけ。子供はちょっと二枚目で心が清らかなだけのノーマルな民間人なんだぞ」
「そうよそうよ」
「……ま、そういうことにしといたるわ。ところでな、今日ここにきたのは、道場の経営にも役に立つ提案があるからや。これを利用して、な」
ロバートは懐から一枚の招待状を取り出した。
リョウもユリも驚きはしない。彼らにももちろん、それが届けられているのだ。
「ええか、今回は、もうちょっとPRに気をつかわんといかんで?」
「PR?」
ロバートは得たりと語り始めた。
インタビューではさわやかな笑顔を忘れないこと。負けた相手は少々歯の浮くセリフで褒め称えること。事あるごとに「極限流」「サカザキ道場」を連呼すること。あなたの町の極限流。一家に一発覇王翔吼拳。ご家族の健康をお守りする極限流裏空牙。
「それと、そうやな……リョウ、おまえの道着の背中に広告縫い付けとくんやな」
「道場の名前をか?」
「それもいいけど、スポンサーを募集するんや。コンビニとかスポーツ飲料とか」
ユリは黙ったまま、心の底からため息をついた。ロバートは世間智のあるように自分では思っているらしいが、所詮はガルシア財団の御曹司である。一生かかっても使い切れない財力を、生まれた時から持っているのだ。今回のようなスケールの小さい話に、思考の焦点が合うはずもない。
「そうだな。スポンサーか。いいかもな」
(いいわけないでしょ!)
世事に疎すぎるユリの兄が、ロバートにあっさり同調した。これだからいつまでたっても貧乏道場なのだ。
「ほほう…… 神聖な道着に広告を縫い付けると……」
「そうなんですわ。今の世の中何事も派手に……って、し、師匠……」
「元気にしていたかねロバート君。門人のくせにしばらく顔を見せないと思ったら、今回は極限流を使って金儲けのご相談かな? はっはっは」
いつの間にかロバートの背後で仁王立ちしているのがユリの夢にも出てきたタクマ・サカザキ。サウスタウンでは知らぬ者とてないソバ打ちの達人……もとい、格闘家である。
「い、いやそのう、ホンマはですね……」
「でもお父さん、ロバートさんは道場の経営を心配してくれてるのよ」
振り向いたまま狼狽しているロバートの背中から、ユリが援護射撃だ。
「ふん。武道を志す者、金儲けなどに思い惑わされるものではない!」
「だけどオヤジ。いつも資金繰りにはピーピー言ってるじゃないか。メキシコ支部の運営資金だって……」
「ええいうるさい! 貴様らがそういうつもりなら、わしにも考えがある! 今年のKOFは特に強豪揃いと評判だが、わしは参加してやらんからな!」
「え?! お父さん抜き……」
「てことは……」
(ふふふ、多少腕が立つとはいっても、まだまだケツの青いヒヨッ子ども。強敵相手にわしが不参加ときけば、慌てて引き止めるに違いないわ)
「やった〜〜!! 今回はフリーだッチ!!」
「イヤッホー!」
「……は?」
「さすが師匠。粋なはからいですなあ!」
「いやその……。いいのか? わしは不参加なんだぞ? お前らだけで強敵とだな」
「任せてよお父さん。立派に戦って見せるッチよ!」
「そ、そうか。えーと…… まぁ、あれだ。がんばってこい」
キング・オブ・ファイターズ運営事務局にタクマ・サカザキから出場辞退の連絡が届いたのは、それから一週間後のことだった。
タクマは弟子たちの門出に、祝いのソバを打った。
■ コラム
KOF正伝としては、記念すべき10作目。「KOF10周年記念」として発売された、3タイトルのうちの一本です(他の2本は、「KOF'94 RE-BOUT」と「KOF MAXIMUM IMPACT」)。
このタイトルの広告を最初に見たときは、ゲームの出来がどうなるかを考える前に、「あー、もうそんなになるのか」としみじみ思ってしまいましたね。ホントに色々あったからね(笑)。
肝心のゲーム内容は、少々地味に纏まってしまったような気はしますが、私は好きです。手を後ろで組んで胸を張るユリが可愛いのなんの。
最も大きな変更点は、マルチシフト制の採用。これまでの勝ち抜きラウンド制と異なり、基本的には一本勝負の中で、自由に交代しながら全員の体力が尽きるまで戦います。要するに「MARVEL vs.CAPCOM」方式ですが、ストライカー採用時以上に賛否両論あったような気が。
また、デモ関係のグラフィックも綺麗で、私好みで大変いい感じ。地味に感じてしまうのは、リーダー時限定の必殺技が加わった代わりにMAX超必殺技が無くなってしまったり、効果音がやや地味になってしまったような関係でしょうか。いや、決してアーデルハイドがローズの影に隠れ…げふんげふん。
それでも、上手い人がやると、相変わらず狂った連続技が炸裂するんですが(笑)。あと電神 覇王翔吼拳つかえねー!
■ 必殺技コマンド
燕翼

+A
刺燕

+B
昇燕

+D
ゆり降り
空中で

+B
■ 勝利メッセージ
女子高生チーム
「そっちは華やかでいーなぁ。ユリもそっちに行きたいよ……」
女性格闘家チーム
「私もそろそろ大人の魅力を押し出していこーかなー」
ランダム
「プリティな外見に騙されないでね!これでも極限流師範なんだから♪」
「これが極限流よ! お〜〜っす! ……ってね♪」
「ユリちゃん、ちょー絶好調♪ この勢いは止められないよ!」
「覇王翔吼拳を会得しない限り、ユリちゃんは決して倒せないのだ♪」
■ アーデルハイド戦前
?
「あら? こちらから出向くまでもなかったようですわね」
ローズ
「そしてここはスカイノア。私達の空の居城ですわ」
「スカイノア? どうなっているのか、訳がわからないわ……」
アーデルハイド
「私はアーデルハイド。この不肖の妹が失礼したかな?」
ローズ
「率直に申し上げますわ。貴方達にわたくしのお兄様と闘っていただきます」
ローズ
「まぁ結果は確かめるまでもないと思いますが」
ローズ
「ご理解いただけましたかしら?……それでは」
ローズ
「……さぁ、高らかに鳴り響け!わたくし達の福音よ!」
■ アーデルハイド エンディング
ローズ
「……! 帰さない…… この者達を生かして帰してなるものか!」
アーデルハイド
「よせ! ローズ 彼らを地上に戻してやるのだ。……スカイノアを着陸させろ」
ローズ
「何かの間違いよ、お兄様! もう1度……もう1度戦えば!!」
アーデルハイド
「勝つまで戦いを繰り返すことに何の意味がある……」
信ずるものの敗北……それはまた新たな物語の始まりを告げる前奏曲のようでもあり……そしてまた……
■ ムカイ戦後
ムカイ
「クククッ、ハァッハッハッハ! それこそヒトのもつチカラだ! トキにハカれぬそのチカラ! それこそヒトのもつチカラだ!」
ムカイ
「ガイアにアイされしオロチ。カノウセイをユダねられしヒト。そして、スベてにイミされしワがアルジ。だがそれもここまで!」
ムカイ
「ツギにアうまでに……サラなるカノウセイを……そしてススむべきミチをヒラいてオくがいい!」
■ 真エンディング
リョウ
「また何かがKOFの影で起きつつあるみたいだな」
ロバート
「せやな。このことは師匠にも報告しとかなあかんな」
タクマ
「ふむ、下馬評通りの優勝か。あいつらも逞しくなったものだ」
タクマ
「これで少しは極限流道場への入門者も増えるというもの」
タクマ
「ところで今回の賞金額は、どこに掲載されているのやら」
ロバート
「優勝チームとなると、大会後もなかなか解放してくれへんね」
リョウ
「この程度で疲れるとは、修行が足りないぞ、ユリ!」
ユリ
「ユリはお兄ちゃんと違って、か弱く可憐な女の子なの!
ただいまー♪ お父さん」
リョウ
「おい、しっかりしろ! 生きてるんだろ?!」
タクマ
「ぐうっ、リョ、リョウか。わしとしたことが、ぬかったわ。年には勝てんな……」
タクマ
「奴らの事は昔聞いたことがある。あいつらの目的は……。こ、今回のKOFに仕組まれた罠は……」
ロバート
「師匠は襲ってきた連中を知ってはるみたいやったけど」
リョウ
「ああ。しかし一体何が目的のおやじを襲撃したっていうんだ」
ユリ
「お金目当てのドロボー……じゃないッチよね?」
リョウ
「うちの道場に金があると思ってる連中がいると思うか?」
ロバート
「ま、何にしても、もう一度自分自身を鍛え直しておいた方がいいみたいやで」