いわゆる「疑似科学」系では、「私の理論と合わないから、現代科学は間違っている」などと書いてある本がごろごろしている。現代科学の基礎となった数々の理論は、発表された当時は異端とされたものが多いのも確かなので、こう主張することが悪いとは言わないけど、内容は科学的考証とは程遠いものが多い。
(余談だが、こういう本の中で「現代科学では説明できない現象」とされているものは、実はほとんどが現代科学でちゃんと説明できる。要は著者が知らないだけだったりする)
これが心霊やUFO、宗教や予言など、「オカルト」系になると、もうしっちゃかめっちゃかだ。どこまでが事実でどこまでが著者の妄想なのか、それすら解らない。
(ほとんどの場合、最初から最後まで著者の妄想なんだけど、中には丹念に調査を重ねた読みごたえあるものもある)
それゆえに、このジャンルの本を読むのが一番面白い。何が飛び出すか解らない、びっくり箱みたいな魅力がある。(もちろん、中には心底、頭が痛くなるような本もある)
私は、こういう類の本の著者を凄いと思うし、面白いとも思うけど、一方で内容的には全く信じていない。
テレビで、心霊写真やUFOの番組を見るときもそう。私はこういう番組を見るのは大好きだけど、幽霊の存在なんかこれっぽっちも信じていないし、「未確認飛行物体」=「全て宇宙人の乗り物」だとも全く思わない。
日本のUFO業界の第一人者である矢追純一氏の、各所でツッコまれている余りのトンデモぶりは笑って済ませられるレベルを超えているし、かといってツッコミを入れる側でも、「プラズマ」で有名な大槻教授の著書の科学知識のいい加減さもよく知られている。
要はあれだ、手品と同じ。最初からエンターテインメントとして楽しむ目的で見るから面白いのだ。
(そもそも「宇宙人の乗り物」だと「確認」されているのなら、それはもう「未確認飛行物体」ではないんじゃなかろうか)