で、予想通り、場はその話題で盛り上がったのだが、その最中、最年長の一人が、こんなことを言った。
曰く、
「自分を感動させられない者が、他者を感動させられるワケがない。
自らに向き合えない者が、他者に向き合って勇者たりえるはずがない。
つまるところ、『頑張る』というのは、そういうことだ。どんな競技、どんなジャンルにおいても、例外は無い」
なるほどね。
その人は、今でこそ営業をやってるけど、学生時代はずっとラグビーをやってたバリバリの体育会系だ。「ならでは」の言い回しだが、説得力は確かに有る。
激しくジャンル違いだが、心当たりが無いわけじゃない。
自分で書いてて面白くない小説を、他者が面白いと思うか? 感動モノのつもりで書いて自分が感動できない作品で、読者が感動するか?
いつも、書いてて自分で悩む。いくら表現力が身について、いくらそれで取り繕っても、面白くないものは、はっきり言って面白くないのだ。
自分の才能は兎も角、「頑張る」という行為に限界は無い。
一人で書いて満足するなら、今のままでもいい。多くの人に見てもらえているとわかっている今、自分で「頑張る」切っ掛けにする、いい機会なのかもしれない。
いっちょまえにそんなことを思いつつ、ビール二杯でダウンした私であった。