ちゃらんぽらん

 私は元来、細かなことを全く気にしないちゃらんぽらんな性質なせいか、細微なことを気にする人がわりと苦手である。

 例えば、車の運転。
 私は、よほど時間が切迫しているのでないかぎりは、「時間通りに到着すればいいや」と考えて、多少遠回りになっても国道など広い道をマイペースで走ることが多い。
(そもそも、そんなに運転に自信がある方でもない)

 しかし、これが許せない人がやっぱりいるんだな。
 助手席に座るやいなや、自分の気になることを細かく騒ぎ立てなければ気がすまない。
 通る道が違う! 速度が遅すぎ! ギアはセカンド! ブレーキが早い! 運転中にしゃべるな!
 ……とまあ、「貴様は車校の教官か!」と叫びたくなるような人。
 実際に私は、知り合いがあまりにやかましく鬱陶しいので、ドライブの途中で喧嘩になって、某県の道の駅(地元から四つくらい離れた県)に置き去りにしたことがある。

 私は、人の車に乗るときに、そんな失礼なことを言う感性がわからないし、自分では言ったこともない。
 そりゃ、今にも事故を起こさんばかりのデスレース2000年なクレイジーでタクシーな運転をされれば別だけど、そうでないかぎりは「郷に入れば郷に従え」で、相手のスタイルを尊重すべきだ。

 私は煙草が嫌いなので、煙草を吸うときには一言ほしいけど、求めるとしたらそれくらいかな。

(原文:2017/06/26→改稿:2025/5/21)