クォ・ヴァディス 56


「あの方は、痛みも憎しみも味方に変えることができたのです。ただそれが、あの方を救うことはなかった」
(ターニャ著「パニッシュメント・ブリーフィング」第83巻より、ミレイの証言)

「いかなる礼賛も、いかなる冒涜も、信仰という言葉の持つ別の一面に過ぎません。
 その事実を知ってなお私は、当時の彼を冒涜する者がいるのなら、この身の全てをえぐられようとその者を決して許さないでしょう」
(ミッキー著「薔薇の騎士の物語」4巻より、シュトルテハイム・ラインバッハ三世の証言)

「人間の幸福は、忘却という現象があって成り立っている。ただ、真の紋章はそれを持つ人間から、忘却という概念を取り去ってしまう」
(アンダルク・ベルグマン著「クールーク史後記」)

「人間が自由でいるためには、神というものがいてはならない。
 しかし、実際に真の紋章というものがこの世にはある。それが幸か不幸かはしらないけどね」
(エレノア・シルバーバーグがターニャに語ったとされる言葉)

「この六月、誰か幸福な記録を残した人間がいるか? 少なくとも、私は知らない」
(ヤンセン提督が知人に当てた手紙より)


「俺は、透き通る夢を見ていたんだ。柔らかな風のような、清らかな雲のような、心地よい永遠の中で。
 自分の罪を置き去りにして、俺だけが夢を見ていた。人間のふりをして」
(ターニャ著「パニッシュメント・ブリーフィング」第84巻より、マクスウェルの独白とされる言葉)

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(初:14.5.18)