クォ・ヴァディス 13

3-1

 四月十六日の夜。
 正確には午前〇時。
 ミドルポートの軍船でひしめくオベル港に、一隻の小型船が接岸した。
 索敵に出ていたミドルポートの船だったが、その形状は惨憺たる有様だった。
 明らかに大砲による攻撃を受けており、沈没一歩手前というところだった。
 乗っていた船員十五名のうち、十二名は死亡しており、生き残った三名も健全なものは一人もおらず、皆が顔や腕などに、酷い傷を負っていた。
 驚いた港の警護兵に対し、その長身の船員は、オベル海軍が至近に迫っている、すぐさま領主に報告したいから会わせてくれ、と頼み込んだ。

「オベル海軍が来たというのは本当か」

「本当だ。気づいたときには時遅く、ご覧のように攻撃されてしまった」

「ばか者め、なんのための偵察隊だ」

「すまない、ご領主様にも報告したい。すぐに会わせてくれ」

「わかっている、ついて来い」

「外は敵が来ているが、島の敵はどうなっている?」

「散発的な抵抗が続いているが、宰相のセツは王宮に捉えてあるし、心配はない。時間の問題だ」

 どこか自慢げに肩をそびやかして、先導する警護兵は応えた。
 船員も頷いたが、それには別の意味が籠められていた。
 船員三名は、すぐさま「現在の」領主の前へと引き出された。

「何があったのだ」

 なかなか寝付くことができず、酒を片手に夜風に当たっていたシュトルテハイム・ラインバッハ二世は、報告を聞くとすぐに、豪奢な夜着に包まれた、やや大き目の腹をゆすって船員の前に現れた。
 そんな領主を、五人の屈強なミドルポート兵が護っている。
 傷を負った船員の一名が唇を歪めたことに、誰も気づかなかった。
 長身の船員はわき腹を押さえて呼吸を乱しつつ、悲鳴に近い声を上げた。

「オベル海軍が戻ってきました! 夜襲です。
 彼らは夜襲をかけんと、大型艦二隻・・・・・でもって、すぐそこまで迫っています!」

「なに!」

 報告を聞いたラインバッハ二世は、わざとらしく腹と長い髪とを揺らせて驚いて見せたが、内心ではそれほど動揺していたわけではない。
 待っていれば、いつかは必ずオベルを奪回せんと、戦いを仕掛けてくることはわかっていた。
 ただ、それが夜襲であったことに、やや意外なものを感じてはいたが。

「だが、二隻とは少ないな。奴らは大型戦力八隻で出撃したと聞いたが、残りはどうした?」

「はっ、八隻のうち、夕刻に半数がラズリル方面に向かうのを目撃した漁船がいます。
 どうやらラズリル艦隊が、連合艦隊から離脱したようです。
 残った四隻のうち、二隻はナ・ナル方面にそのまま向かったと、僚艦から連絡を受けました。
 戦力を分割して、オベルとナ・ナルとを同時に攻撃するようです」

「ふむ」

 ラインバッハ二世は、顎に指を当てて考え込んだが、それも短時間のことだった。
 災いを早く取り除くことができれば、彼にしてもそれにこしたことはないのだ。
 オベルの国民は意外と頑迷であり、ミドルポート側の支配を拒否する者や、未だにどこぞに隠れながら抵抗を続ける者もいて、ラインバッハ二世もなかなか手を焼いていたのである。
 ここで、彼らの心のより所であるオベル艦隊とリノ・エン・クルデスを屠ることができれば、オベルの支配経営もなにかとやりやすくなるだろう。
 敵の全戦力の半分ということだから、一回の戦闘で敵の全てを撃滅することはできないが、それでも大打撃を与えることにはかわりない。
 わずか二隻で攻めてくるとはなめられたものだが、それもミドルポートと自分を甘く見ている証拠であろう。
 ここらでその思い上がった面に手厳しい教訓を垂れてやるのも悪くない。
 女と若造が指揮を執るラズリル艦隊などいつでも叩き潰せるし、それこそ一石二鳥というものである。

「よろしい。すぐに艦隊に出撃命令を出せ。
 負傷者には治療を与えよ」

「相手は二隻ということですが、こちらは何隻を出撃させますか」

「六隻だ。六隻出せば勝てる。
 万が一ということもあるから、二隻は港で警戒を怠るな」

 部下に指令を出しておいて、ラインバッハ二世は自室に帰り、これまた豪奢な特別あつらえの私服に着替えると、戦場となるであろう海域を一望できる場所に移動するために、大勢の部下を引き連れて王宮を出た。
 傷だらけの船員たちはその場に残されたが、すぐに別の兵士によって先導され、治療のためにやはり王宮を退出した。
 だが、その場にいたミドルポート兵・・・・・・・は、誰一人として気づくことは無かった。
 連れ出されたその船員の集団は、一人だけ欠けていたのである。
 ラインバッハ二世に報告をした、長身の兵士である。

 誰も彼もが王宮から出て行くのを確認して、その長身の男は、柱の影から口の端を吊り上げて笑った。
 誰一人として、素早く身を隠した彼の存在に気がつかなかったのだ。
 なかなかどうして、自分にも意外な才能があったものだ。
 これまでは遊び人のようなヤクザな生活をしていたが、意外にスパイとして生計を立てることもできるかも知れぬ。
 その特技も身のこなしも半ばは、風来坊をしていた経験によって培われたものではあるが。

 その男の名をロウセンという。
 オベルの軍人ではないが、今度の戦いにおいては「オベル側」に属する人間であった。
 ロウセンも、二年前の「群島解放戦争」において、マクスウェルの指揮下でクールークと戦った人間である。
 だが彼は他の者のように、クールークに恨みがあったわけでもなければ、群島の利益のために身を捨てる覚悟があったわけではない。
 生来の小悪党ぶりを発揮して、日の出の勢いのあったマクスウェルの名を語り、ある温泉であこぎな商売にせいを出していたのだ。
 だが、当のマクスウェル本人に出くわしてしまい、こっぴどく叩きのめされた後、やむなくマクスウェルに従ったのだった。
 そして戦後は、再びケチであこぎな商売にせいを出していた次第である。

 そんな彼が元々、望んでこの一連の戦いに参加したわけはない。
 彼はあろうことか、オベルを出発する直前の旗艦オセアニセスに、盗みのために侵入したのである。
 かつて自分が乗っていた船だから、船内は手に取るようにわかるし、一大作戦の直前であるからには、船内に金目のものがたんまりと積まれているだろう、と踏んだのだ。
 だが、世の中そんなに上手くはいかないもので、目的の金目のものは殆ど無く、しかも未練がましく船内を探索している隙に肝心のオセアニセスは出航してしまい、どこにも脱出できなくなって狼狽しているうちに見つかってしまう、という体たらくであった。
 そして、とりあえずの措置でオセアニセスの牢に入れられ、一八〇センチを超える大きな身体とヒマとを持て余しているときに、ラインバッハを牢に入れるのに同行したマクスウェルと顔を合わせることになった。

 オベル国王リノ・エン・クルデスは、彼と取引をした。
 彼がある重要な任務を達成すれば、旗艦に侵入した罪を不問にするばかりか莫大な恩賞を下す、と約束したのだ。
 もっとも、「取引」というのはあくまで言葉の上での名目に過ぎない。
「この取引を受ければ良し、受けなければ死んでもらう」などというのは、とても取引を持ちかけた相手へ発する言葉ではないが、要するにロウセンとしては他に選択肢はなかったのだ。
 せめて恩賞の額が巨大であったのが救いであった。たまには大金のために命をかけてみるのも、男の生きがいというヤツであろう。

3-2

「さて……」

 ロウセンは大きな身体を縮めるように前かがみになり、身を隠すように王宮の中を移動する。
 彼に与えられた役目は二つ。
 一つはオベルに残っているはずの重臣の誰かと接触をもつこと。
 そして、可能な限り早く、オベル国内で騒ぎを起こすことだった。
 ミドルポート兵に変装し、彼と共に潜入したオベル兵には、独自の指令が与えられているようだが、それは気にする必要は無いだろう。
 オベルに潜入した早々、宰相のセツが王宮に監禁されているという情報を得ることができたのは幸運だった。
 思ったよりも早く、ことを成し遂げることができるかもしれない。

 廊下を通り中庭を横切り、地下への階段を目指す。
 オベル王宮とその周辺の地図は、ロウセンの頭に叩き込まれているから、迷うことは無い。
 その巨体に似合わない俊敏な動きで、闇夜の中を影から影へと移動する。
 どうあがいても彼の才能は、他人を騙す方面に集約されているようであった。

 そうして、大きな階段を降り地下へともぐる。
 王宮の地下も、地上部分とあまり変わらぬ造りとなってはいたが、気のせいかやや冷たい印象を、ロウセンは受ける。
 それは果たして、夜の闇の冷たさのせいか、それとも、地上では声を大にして行えない内容の政策が決定される施設が多くあるせいか。
 そんな印象を振り切り、ロウセンは四方に伸びる廊下を迷うことなく進んでいく。
 そして、西の突き当たりに、目的のフロアを発見した。
 一直線に続く廊下には、不自然に頑丈そうな扉が取り付けられた部屋が並ぶ。
 地下牢である。
 王宮内にセツが監禁されているとすれば、ここしか考えられない。
 そしてその予想を裏付けるように、一つの扉の前に、屈強な二名のミドルポート兵が立っていた。

「深夜だってのに、ご苦労なことだ」

 まるで他人事のように呟くと、ロウセンは懐から二本の太い【くない】を取り出す。
 彼の得意とする武器である。
 彼は剣を持って正面から戦うタイプではなく、いわゆる「投げ暗器」に長けている。
【剣聖】とか【剣豪】とか呼ばれるような、常軌を逸した腕こそないが、こと自分の得意分野である限りは、彼はまず名手と呼ぶことができる技量の持ち主だった。
 そしてそれを証明するかのように、ロウセンの手元から音も無く飛んだ【くない】は、正確に二名の兵士の喉に突き刺さったのである。
 不幸なミドルポート兵は、空気が漏れるような小さな悲鳴を発して、その場に倒れこむ。
 それを確認し、さらに周囲に注意しながら、ロウセンは静かに、ゆっくりとその死体をまさぐり、鍵を手に取った。

「さて、それではご対面といきますか」

 薄暗い中、慎重に鍵と鍵穴を見比べ、ガチャリと音がしたのを確認してから、ゆっくりと扉を開く。
 中は、実に簡素な部屋だった。
 狭い部屋の中に、四角いテーブルと椅子が一対、そしてかろうじてベッドと呼びうる粗末な寝具が一つあるだけである。
 その中に、その「宰相」はいた。
 ろうそくの明かりをつけ、片腕をテーブルに、片腕を膝の上に置き、深夜の無礼な侵入者に正面から対峙した。
 体躯は小柄で、腹も出っ張っているが、その視線に籠められた意志の強さは、流石に一国の政治を預かっていた重臣の責任の大きさを思わせる。
 それも過去の栄光ではあるが……。

「誰だ。この夜更けに、このものものしい登場の仕方は、ミドルポートの者ではなかろう」

「おうよ、あんたがセツさんかい」

 その存在感に少し気おされていたロウセンは、我に返って部屋に足を踏み入れた。セツは何も言わない。

「だいたい想像はつくだろうが、俺は、リノ……なんとかいう、長ぇ名前の国王さんに頼まれて、あんたに会いに来たモンだ」

 正体のめぼしはついていたのだろうが、やはり聞かされると安心したらしい。
 セツは身を乗り出すと、口を開いた。

「陛下は、陛下は無事なのか。無事なのだな」

「今はまだ、な。そろそろオベル近海でドンパチ始めるころだ。
 その結果によっちゃ、いちがいに無事とは言えねえな」

 安心したり緊張したりと忙しいセツに近寄り、ロウセンは懐から国王からの親書を取り出した。
 セツはそれを貪るように読み、忙しく表情を変える。
 ロウセンが間をおかず、声を低める。

「さて、セツさん。俺はまだこの島でやらなきゃいけないことがあるんでね。
 今はまだあんたを連れて、ここから出て行く余裕は無い。そこんとこ、わかってくれ」

「わかった。それで、私は何をすればいい」

 先ほどからのセツの落ち着いた態度に、ロウセンはやや意外な印象を受けた。
 先の戦争のときは、小心者で口が悪い、という噂ばかり聞いていたから、少しばかり構えていたのだが、見ると聞くとは大違いだった。
 それとも、何かが老境に至った彼を変えたのだろうか。
 だが、ロウセンは手早く目的だけを口にした。

「この島のどこかに隠れて、ミドルポートに対する抵抗勢力の指揮をとっている者がいるはずだ。
 そいつに会いたい。どこにいて、どうすれば会える」

 セツはしばらくロウセンの長身を眺めていたが、意を決したように頷く。
 そして服の袖を破り、それになにかを記して、ロウセンに渡した。

「この島の北には、黒の森カーラ・ネミと呼ばれる未開発の広大な森林が広がっている。
 彼らはその中を移動しながら戦っているはずだ。これを見せれば、私の紹介だとわかるだろう」

「指揮官の名は?」

「トリスタンだ。やけに白い顔をした男で、時おり咳き込むから、会えばすぐにわかる」

「わかった」

 ロウセンはセツから預かった布切れを大事に胸元にしまいこむと、セツに背を向けた。

「急ぐんでな、俺はもう行くぜ。死ぬんじゃないぞ、爺さん」

「私はまだ利用価値があるから、殺されはせん。
 そんなことよりも、自分の心配をせい。死ぬなよ、若いの」

 言葉を返すことはせず、だがロウセンはセツに対してニヤリと笑うと、一つだけ頷いた。
 だが、セツの言葉は、わずか三十秒足らずで裏切られることになる。

 一つの仕事を成し遂げた満足感に少なからずひたったロウセンは、それでも注意を怠らず、静かに部屋から出ると、ゆっくりとセツの部屋の扉を閉める。
 その瞬間だった。
 肉と布が裂ける鈍い音と、背中が焼けるような熱い痛みが、ロウセンの感覚を直撃した。

「あ……?」

 一瞬の感覚を置いて、背中に何かが突き刺さったのだと分かった。
 分かった瞬間に、急激に全身の痛覚が悲鳴を上げた。
 背中から下半身にかけて、熱い液体が流れ落ちる。
 大量の出血が、彼の背中を真紅に染めた。
 自分の手を背に当てて、ようやくそれを自分で確認する。

「な、なんだってんだ……」

 自分は何かで撃たれたらしい。
 背中に突き刺さった細い物体を、何気ない動作で、だが全身の力を籠めて引き抜く。
 引き抜いたときに、新たな出血が、彼の背中と地面を染めた。
 急激に視界が狭くなる。
 四肢の先から、温度と感覚が失われていく。

(ああ……、なんだってんだ……)

 自分は死ぬ。
 それだけを、彼は失われていく意識の中で確認する。
 なんて唐突で、なんて無様な死に様だろう。
 だが、ロウセンはせめて自分を背中から撃った者の顔を確認したくて、倒れることだけはしなかった。
 全身の力を足に総動員して、先ほどまでの俊敏さが嘘のように緩慢に、ロウセンは振り向く。
 彼の失われていく視界の中で、だがその存在は、不気味なまでにしっかりと確認できた。

 背の高い男だった。
 だが、何もかも色素が薄い。
 短い髪は白に近い金色。肌も白い。
 ただ、やはり薄い色の瞳は、その蒼さを闇の中でもはっきりと際立たせている。
 不気味なほどに。
 ロウセンの中で、薄れゆく視覚で得た情報と、機能を停止する直前の脳の中の記憶が完全に一致した。

「て、てめぇは……」

 だが、その後の言葉は出なかった。
 男の左腕が、ロウセンに向けて上げられた。
 腕の先が光った。
 次の瞬間、新たな激痛が、ロウセンの胸の中央で弾けた。
 二本目の「矢」が、ロウセンの胸板に生えていた。
 今度こそ、彼は立てなくなって、かつと眼を見開いたまま、地面に倒れこんだ。
 口からこぼれたのは、言葉の続きではなく、大量の血液だった。
 そんな彼の上から、声がかけられた。

「ふん、まったく、ドブネズミはどこに出るか分かったものではないな。
 ミドルポート兵も、存外にだらしない」

 そして、何かが自分から遠ざかっていく足音だけが、ロウセンの死にかけた脳に響く。

「ドブ……ネズミ……だと、待ち、やが、れ……」

 その恫喝も、声にはなっていない。
 そして、その足音は消えた。
 倒れこんだら終わりだった。
 最後の意志でなんとか抑えていたが、自分の足で立てなくなった瞬間、一気に四肢の先から温度が、熱が失われていく。
 ただ、背中と胸から失われ続ける血の温度だけが、妙に熱く感じられる。
 自分ではもう動かせないのに、その意思を無視して、手足は細かく痙攣した。
 それすら失ったとき、自分は死ぬのだ。
 死にたくない。
 だが、どうしようもなかった。
 なにも、思考すら動かせなくなりつつあった。

(もう……、俺は……)

 力が全身から抜けきって、自分の血の海の中で横たわっているという事実すら分からなくなりかけたとき、誰かが、彼の頭を軽く抱き上げた。

「誰……だ……」

 すでに、ロウセンの感覚器官で機能しているのは、耳だけだった。
 視界は暗黒に染まり、自分を抱き上げたのが誰かすらわからない。
 その相手が応えた。

「私はケイト。少なからずお前とも縁がある者だ」

「その……が……何の用だ……」

「セツの爺さんに接触を取りに来た」

「オ……ル……の……?」

「違う。オベルとは異なる者たちからの依頼だ」

「マク……ウェル……ち……とは、会うか……」

「そのつもりだ」

 ロウセンを抱き上げている者は、最後の言葉を発した。

「お前は助からん。悪いが見捨てていくぞ。
 言い残すことはあるか?」

 ロウセンは、人生で最後の苦笑を浮かべると、必死で胸元を動かした。
 相手がそれを察し、ロウセンの胸元からセツから預かった布切れを取り出す。

「それを……トリス……タンと……やらに……」

「承知した」

 その言葉を残して、その気配もロウセンの感覚から消え去った。
 彼は再び、冷たい床に取り残された。

(すまねえ、ロウフォン……。すまねぇ、ロウハク……)

 急速に意識が闇の中に落ちていく中、最後の力を振り絞って、彼は妹と弟に詫びた。
 オベルの事情など知ったことではない。
 好き勝手に生きてきて、欲には執着があるかと思っていたが、不思議と自分に対しての悔いもない。
 ただ、妹と弟にとって、兄らしい兄でいてやることができなかった。それだけが心残りだった。
 最後の力を、彼は何も映すことができなくなった眼を閉じるのに使った。
 次の瞬間、ロウセンの身体から、全ての感覚が抜けた。
 抜けたまま、二度と戻らなかった。

COMMENT

(初:08.11.10)