ゾイドインフィニティEX NEO

2006年3月30日発売/トミー/27点

 ゾイドです。もともとは「動物のような人口生物」を意味する「ZOIC ANDROIDS」から作られた造語だそうで、子供だった頃に小さなモーターで動く恐竜のプラモデルを楽しんだ人って結構多いんじゃないでしょうか。
 前身である「メカボニカ」シリーズから数えると20年以上という、わりと長い歴史を持つ玩具で、日本では発売当初からストーリーを全面に押し出していたこともあり大ヒット。1990年の「デスキャット」を最後にシリーズとしてはいったん終了しますが、1999年に新シリーズのスタートと同時にテレビアニメも始まり、再び人気を集めています。
 私が子供だった頃は、まだ「硬派なおもちゃ」というイメージがあったんですが、最近じゃ流行を取り入れようとしているのかこんな商品こんな商品こんなおまけがついているようで、時の流れというものを少々感じてしまいました。

 さて、ゾイドといえばそのゲーム化の歴史は長くファミコン時代からゲーム化されていますが、本作はアーケード版、つまりゲームセンターに出荷された業務用ゲームの移植。
 大型筐体の格闘ゲームで、感覚としては「電脳戦機ヴァーチャロン」の動物版といったところで、公式の「シューティング」というジャンルわけにはちょっと違和感があります。最近流行のカードシステムを導入し、自分だけのゾイドをカスタマイズできました。
 この業務用の移植は初めてではなく、PS2で先行移植されていますが、評価は散々。もともと原作と異なるところが多かったらしいんですが、その上でシステムが改悪されていたりと、わりと総スカン食ってましたね。だからってベタ移植すりゃ褒められるかって、そうでもないのが悲しいところなんですが。

 この360版も、グラフィックは頑張っていると思うし、ゾイドやアイテムの種類が豊富なのはいいんですが、そのアイテムの出現率が極端に低かったり、ショップに並ぶ商品がランダムで三つだけだったりと、あまり収集欲をかきたてられません。
 またゲームそのものも、ダッシュ→ブレーキ→ロックオンして攻撃の単一戦法でどんどん進めるため、奥が深いとはとても言えず、子供向けにしてもちょっと褒められた内容ではないですね。
 当然の如くXbox liveにも対応してますが、どうもメーカーにやる気が見えないのが残念なところ。一部の上位ランキング獲得者は元気みたいなんですが、あまり盛り上がっているようには……。ああ、あとアイテムトレードでの詐欺

 豪華購入特典としてジェノザウラーBLOXが付属!というのは良かったんですが、実際に大きくて豪華なパッケージは開けてみたら「上げ底」という悲しいオチがつき、どこまでも中途半端な印象を拭いきれませんでした。
 ちなみに、本作の公式ページ、開店したばっかりの時はトップページにNARUTOのイラストがあったり、リンクとページタイトルが違ってたりと、かなりいい加減な管理をしていたようなんですが、正式タイトルが「ゾイドインフィニティ360」になってたのはかなりまずいんじゃないかと。

(2006.09.18)