パッケージでそのセクスィーな背中とお尻を惜しげもなく晒しているヒロイン・アユミを見て、「ああ、これがうたたねひろゆきの絵だったらなぁ」と思ってしまった私は、その時点で本作を楽しむ資格を失ってしまっているかもしれません。
銃と剣と魔法を駆使して、モンスターを薙ぎ倒して薙ぎ倒して薙ぎ倒しまくる、FPSの猛スピード剣撃アクション。
一応、ロシア人が作ったので分類的には洋ゲーになるんですが、一番の問題点は、日本のアニメ好きなロシア人が作ったということ。
「ガイジン・エンタテインメント」という明らかにジョークな社名からして、日本のオタク文化に対してリスペクトしているのかそうでないのか、よくわかりませんが(笑)。
ヒロインの「アユミ」という名前からも分かるとおり、本作は日本のアニメや漫画などを全面的にフィーチャー。銃による射撃よりも、むしろ剣撃に攻撃の重点を置いている辺りもその表れか。
個人的には、やけにねっちりむっちりと情念で表現された美麗なヒップと、乳揺れこそあるものの、おざなり感を感じざるを得ないバストとの差に、日本人とロシア人の間には、埋めがたい嗜好の差があるのだと痛感。
そりゃ、北方領土も戻ってこんわ。
ただ、声優に釘宮理恵を起用したり、ローカライズが意外にしっかりしていたりと、オタク方面の研究は徹底しているわりに、微妙に日本と中韓あたりの区別がついてないデモなど、少し微笑ましい部分もありますが、「ファットマン」とか「モータルコンバット」とか、過去の強烈な先駆者に比べれば遥かにマシ。
ユービーアイのゲームはローカライズがいい加減なものがあるので、その中では出色と言えるでしょう。
アクションとしてはステージの変化や特殊攻撃の数が多く、また1ステージが適度に短いので、サッとプレイするにはちょうどいい感じ。
闇属性のスキルを購入すると徐々にバッドエンドに向かったり、なかなか嫌らしいボスの思考回路など、よく考えられてます。
ただ、よく考えられてはいるものの、作りこまれているか、と言われると、残念ながら回答は「NO」。
特に致命的なのは、アクションなのに戦闘があまりに単調で、物凄く飽きやすいこと。
色々と攻撃方法はあるものの、結局はボタン連打からゲージ貯めて魔法ドカン、最後までこの繰り返し。
ザコキャラが多いのも良し悪し。肝心のロックオンや回避行動が非常に使いづらく、魔法しかきかないボス戦などでは、関係ないザコキャラにロックオンしまくってものすごく苛立ちます。
あと、せっかくの釘宮を、もうちょっとうまく使おうとは思いませんでしたか?
うまく料理できそうな要素はかなりあるものの、残念ながら「非常に雑にまとめてしまったな」、という印象ですね。
高級食材をいっぱい買ってきて、結局、闇鍋にしちゃいましたー、という感じ。
できがったのは、立派な苦行ゲーというか、典型的な作業ゲー。
サクッとプレイしてクールに切り上げるならいいのですが、やりこみ要素も殆ど無いし、長時間のプレイにはむきません。
最初から色々とカミングアウトしてたり、好意的に受け取れる素質も多いだけに惜しい。もし次回作があるなら、オタクスキルだけではなく、ゲーム製作のスキルレベルを上げてチャレンジしていただきたい。
待ってます!