エレクトロニック・アーツは、本当に「●●ブレイカー」ってシステムが好きだよね(笑。
エルドリック・タイガー・ウッズといえば、生後九ヶ月でゴルフを始め、黒人プレイヤーとしてはじめてメジャータイトルを制覇。20代で計55勝を上げ、天才の名を欲しいままにしてい名ゴルファー。今やその名前は個人名を飛び越えて男子ゴルフ界の一大ブランドと化し、このゲーム他様々な商品のイメージとしてCM界でも大活躍しています。
平均アベレージ68.30という数字はゴルフを知っている人なら驚愕の一言でしょうが、95億円という年収(2004年)はゴルフを知らない人でも目が飛び出るのではないでしょうか(ちなみに、8637万ドルの収入のうち、ゴルフによる獲得賞金以外の収入が8000万ドルに上る)。米スポーツ界長者番付2位のアンドレ・アガシ(テニス)が4568万ドルですから、文字通りのダントツの稼ぎ頭。
で、その彼の名を冠したゲームを製作するのがエレクトロニック・アーツ(EA)。レースゲームでは大バカ満載(褒め言葉)の壊れゲーを連発していますが、むしろスポーツゲームのほうでは非常に真面目。
本作も、究極のリアルを追い求めたグラフィックはお見事。「みんなのゴルフ」や「ゴルフパラダイス」など、「いかにもゲーム」なグラフィックではなく、きちんと作りこんであります。ゴルフゲームでは逆に珍しいんじゃないですかね?
タイガーの笑顔は怖いけどな。まるで獲物を捕食する寸前の野生のタイガー
収録されているコースは12。全て、本物のPGAツアーで使われるコースであり、風向きや天候の変化はもちろん、前の組みがまわった後のディボット(ショットの後のえぐれた穴)まで再現してあるコダワリ方で、その本気度合いがひしひしと伝わってきます。
タイガー・ウッズになりきってツアーを戦うほかに、オリジナル選手を作ってタイガーに挑むことができるのも面白いところ。容姿や体格、服装までかなり細かく設定できます。このあたりはEAの得意技。
これでプレイできる「ライバルズモード」がまたカッ飛んでて、なんとタイムスリップをしながら、その時代時代のチャンピオンと戦っていきます。どこかを捻らないと気がすまないEAスピリッツがこんなところで発揮。
同じくオリジナル選手で挑む「ツアーモード」は、素人から腕を磨いてPGAツアーの出場を目指すサクセスストーリー。かなりイベントの数が多くていいんですが、「上司との接待ゴルフ」とか生々しいイベントは勘弁してくれ。
また、作ったばかりのキャラクターは当然ながら弱く、飛ばない・寄らない・曲がりすぎるの三拍子で、勝つのは凄まじく大変。虎狩りに成功するのはいつのことやら。
少々クセが強いところもありますが、AIの強さの設定も絶妙で(たまに発狂するが)、これまでのゴルフゲームとは違う楽しみ方が出来るのは確かです。
(2006.09.17)