あ〜あ、やっちゃいましたね、コナミ。
もともと製品の不具合に対する対応ではなかなかメーカーの誠意を感じづらい業界ではありますが、本作のPS2版でもコナミのツンデレっぷりをいかんなく、というよりも120%全開のようです。
有り余るバグを隠し通し、交換を要請した人にのみ修正版への交換に対応、さらにその事実に対する口封じともとれるコメントを社員が残していたりして、ホンマにこの会社は丸ごと、飲酒運転を繰り返す悪質ドライバーみたいな会社やなとつくづく思いながら、交換に応じて渡された修正版がまた、製品版に負けないくらいバグ・不具合が多いってんだから、ホントに笑うに笑えないこの皮肉感たっぷりの喜劇は、シャレがわからないと怒るだけです。
正直、ゲーム内容自体は極端に悪いわけではないです。シーズン開始直後の発売なんで、どうしてもこの時期にやると選手の移籍や能力値に激しく違和感を覚えますが(言っても仕方ないけど、日本ハムに稲葉はおらんのかい)、3Dの野球ゲームとしてはきっちり基本を抑えています。ゲーム自体の難易度がかなり細かく設定でき、また投打に守備・走塁でそれぞれ難易度が個別設定が出来るので、腕に合わせて変えていくといい感じ。
どちらかというと投高打低。広島・横浜あたりが異常に弱いあたりに少々作為的なものを感じてしまいますが、モードはそれなりに押さえてあり、XboxLiveに対応している時点でPS2版を派手にがぶり寄り。
投手を操作するのが基本的に楽しいゲームですが、走塁も独特の味があっていいです。打撃の操作が難しい割りにCPUにはバカスカ打たれるので、この辺の理不尽さは個人の能力不足では説明できないと考える私はヌルゲーマーですか?
選手のモデリングは個人的には……うーん。正直、わざと微妙に崩して似せてないような印象を受ける。ま、普通に全員怖いので、何人かはそのままスーツに着替えさせたらヤ●ザで通用しそうです。なんで多村、あんなにニヤけてるんだ?
解説者は、田尾、達川、宮本、西崎の四氏。まあこのあたりはノーコメント。解説者役で声優使って喋らせても野球ファンは喜ばないだろうけど、正直、期待しないほうがいいです。やかましいくらい喋ってくれますが、達川氏の解説は実際に試合で聞くのが一番面白いと、改めて実感。
と、まあ、野球ゲームとしてのデキは決して悪くはないんです。この辺はコナミの「企画力」なんでしょうが、前述の通り、PS2版に負けず劣らず様々なバグ(それもかなり基本的なところで)があるせいで、違う意味で緊張感が抜けません。
どのくらい基本的かというと、
という、基本的なクンフー不足としか思えないところまで、まああるわあるわ。
試合中に冷や汗と同じくらいの脂汗をかけます。ダイエットにはいいかもよっ。
この細かな細かなバグの山が、背中を這い上がるアリの様に、プレイ中に地味に、しかし確実に効いている本作。
ゲームとして向かおうとした方向は決して悪くないので、この辺をどう乗り越えるかどうかが腕の見せ所です。
(2006.09.25)