パーフェクトダーク・ゼロ

2005年12月10日発売/マイクロソフト/77点

 レア社が自身を持って世に放つアクションゲーム。
 前作も良く出来たアクションでしたが、本作も「ダーク」の名に恥じないデキ。すでにパッケージの主人公ジョアンナの顔からダーク効き過ぎ。
 絶対なんかヤクをキめてるだろ!と、普通の社会なら職質確実なその目元が頼りがいありすぎでいい感じ。

 まずストーリーの出来がいい。前作より前、つまりジョアンナが一流のスパイになる前のストーリーなので、前作を知っていたほうがより楽しめるかもしれませんが、キャラクターがドイツもコイツも濃く、盛り上がります。
 潜入アクション+狙撃というゲームシステムはどっかで聞いたことがありますが操作性はよく、一連のアクションを使いこなし、武器を使い変えて敵を倒していく様はなかなか壮観。
 ただし、敵の動きがいい加減で戦略性は低く、一人を殺すと集中的に狙われる為、隠れて狙撃するよりも突撃して大暴れした方が効率がいいというのは、スパイ失格のような気がしないでもありませんが。
 また広い場所もあるのになぜか狭い場所での戦闘が多く、自由度が高いとは言えませんし、早い動きをすると周囲のグラフィックがすこ〜し処理落ちするのが、少々気になりました。こういうとき、グラフィックの質が高すぎるのは考え物かも。
 更にストーリーの尺が前作より明らかに短く、ロックアイテムがなくなりヤリコミ要素が減ったのも残念。

 恐らくオンラインプレイを前提に製作されたんでしょうが、いざオンラインに挑戦してみると周囲はみんな英語。知能作戦で頭ブチ抜かれた気分です。
 ……というか、オンラインの方が断然楽しいですが、生半可なテクニックではついていけません。気軽に頭とか出したら、ホントに即死。
 ネットゲームを楽しむには、色んな技能が必要なのだなぁと、菩提樹の下で座禅。

 かなりのFPSの上級者向けですので人を選ぶし、更に「HALO2」と比べられると木っ端微塵ですが、そんなに悪いゲームじゃないです。こちとら「プロジェクト・ミネルバ」という経験値があるので、あれに比べりゃ遥かにやりがいがあります。

 はからずもFPSという土俵では、釈由美子(ジョアンナの声を演じた)のほうが藤原紀香(〜ミネルバの主人公のモデル)は、釈由美子の圧勝で幕を閉じたようです。

(2006.08.23)