お姉チャンバラvorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜

2006年12月14日発売/D3パブリッシャー/80点

「水着やセーラー服の美女が、長ドス振り回してチャンバラ」「レーティングZで18禁」とだけ聞くと、青春真っ盛りの青少年があらぬ方向に期待してしまいそうですが、本作はそれらの期待をぶっちぎって、真逆方向にVorteX!!
 爽快&快感グロテスクアクションという公式ジャンル名と、美少女+水着+刀+ゾンビ+血という常軌を逸した組み合わせが、ぶちこむだけぶちこんで煮込みすぎて蒸発しちゃった闇鍋を思い起こさせます。

 なにせもう、画面全体が真っ赤に染まるほど豪快に血まみれです。
 前述の水着やセーラー服の美女が、様々なアクションを駆使して、襲いくる敵を斬って斬って斬りまくるわけですが、とにかくもう、どこを斬っても文字通り以上の出血大サービスで、ドバドバ流血スプラッタ。斬った手や首が飛びまくり、主人公の素肌を真紅に染め上げます。

 しかも「忌血」を受け継ぐこの主人公の綾、返り血を浴びれば浴びるほど強くなるという能力の持ち主らしく、それでやむなくビキニの水着+日本刀といういでたち戦ってるんだとか。
 いや、絶対それ後付けだろ(笑)。
 なんか「脱げば脱ぐほど強くなる」という、昔懐かしい「裸身活殺拳」を思い出したのは私だけでしょうか。

 PS2版に比べてできるアクションが増えてはいるものの、グラフィックは他の360タイトルと比べられるとちょっとキツイかも。顔の造詣も賛否が分かれそうですが
 ゲームの肝であるクールコンボがちょっと出しづらく、操作性には疑問を感じますが、操作自体は簡単で、慣れて上手くコンボが繋げられるようになると、ズビズバ斬りまくる爽快感はなかなかのもの。

 一応「エログロゲー」ということになるんですけど、意外にグロテスクさは感じません。というのも、あまりに大量に出血しすぎるモンで、逆に笑えてくるんですよ。フェイタリティー。
 エロ方面はちょっと物足りない気もしますが、条件を満たすごとに手に入るコスチュームはけっこう豊富。衣装を着けないと下着姿になるんですが、その格好のままでも戦えます。ヤバすぎる妄想に浸りたい方は、やってみてもいいかも。

 ただ、元がPS2版の「シンプル2000シリーズ」で、こっちは値段相応の出来だったんですが、移植されて値段が3倍以上になったのに、ゲームのボリュームはそのまま、というのはちょっと頂けません。
 ストーリーの分岐は無いみたいだし、カメラワークも悪くステージのオブジェクトにちょこちょこ引っかかって着いてきません。ステージの使い回しもあります。
 あと「腕輪」。なんであんなに取りづらいの?

 定価で買うのはちょっと高いかな、と思いますが、3000円くらいなら充分に値段ぶん楽しめます。大きな期待を持たずに「バカゲー」と割り切って、気軽に斬りまくる、そんなゲームですね。

(2007.02.23)