PETER JACKSON'S キング・コング The Official Game of the Movie

2005年12月22日発売/ユース/50点

 タイトル長ッッ!!
 ついでに一言。ナオミ・ワッツが全ッ然似てねぇ!

 キング・コングです。映画第一作目が1933年といいますから、もう70年以上も前。
 今でもたまにテレビで映像が流れますが、怪獣映画の楽しみというのは、この頃の映画が一番輝いていたのかも知れませんね。怪獣映画というものは、どれも現代文明に対するアンチテーゼが、多少なりとも入っているものですが、それも必要以上に思想がどうとか自然の摂理がどうとか、しつこく押し付けがましく入れられてくると、もう見る気が起きません。
 ストーリーが無いのもまた考え物ですが、怪獣映画は基本的にドカーン!バキーン!で充分楽しめるもんです。
 で、本作はその第一作目をピーター・ジャクソン監督がリメイクした2005年版「キング・コング」のゲーム化。

 さすがにPS2と比較することは出来ませんが、まずちょっとグラフィックに違和感を覚えた。ムービーとプレイ画面の差がありすぎるのがその原因。
 映画版の監督ピーター・ジャクソンといえば、「キング・コング」以前にも「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で驚異的な映像美を魅せた人なんですが、その彼の名を冠しているにしては、ちょっと淋しい感じがします。

 このゲーム、アクションゲームなんですが、主人公が二人います。
 仲間を守りながら島を脱出するのが目的の「ジャック・ドリスコル」と、我等が「キング・コング」。
 ジャックのモードは、自分視点でストーリーが進みます。映画と同じストーリーなんですが、良くあるタイプのFPSで、正直あまり語るところはありません。あえて言えば、グラフィックがかなりグロいところが特徴?
 画面が暗くて見辛く、敵も強めで、かなり難しいです。また何をやればいいのか解りづらいところも多くて、ストレスたまりまくり。

 ところが、これがキング・コングのモードになると一変。
 あれだけ梃子摺ったモンスターたちを、その巨体とパワーにまかせて、ブン殴るわ掴むわ引き裂くわでやりたい放題。T-REXとの大格闘なんて失禁モノです。
 爽快感と一緒に、綺麗なグラフィックによる美麗な残虐っぷりも全開で、悪魔将軍も真っ青。この辺がこのゲームが15禁になった原因ではないかと思ってみたり。
 ただ、惜しむらくは自分視点だったジャックのモードと違い、このコング・モードが三人称視点であること。視点移動ができないもんでかなりプレイしづらく、また動きもスローモーなので、ジャックのほうとは違う意味でストレスたまります。

 いかだによる急流下りとか、かなりグッとくる場面もあるにはありますが、自由度はかなり低く、単純な内容だけあって、複数回プレイするにはちょっとキツイです。
 せめて半額くらいなら、充分に値段ぶんの価値があると思いますが……。

(2006.09.15)