デッド・オア・アライブ4

2005年12月29日発売/テクモ/89点

 どうもXbox360本体は売り上げが伸びないようで、発売以降最初の三日間の売り上げは、先代機Xboxの半分だったらしいですな。2006年最初のランキングでも、本体の売り上げは市場の1.2%に過ぎません(NintendoDSが一週間で102万3000台と、売れすぎたせいもあるでしょうが)。
 理由は色々考えられますけど、不具合の発覚と、本体と同時発売予定だった期待ソフト(ローンチタイトル)の発売日が次々と延期されちゃったのがやはりまずかったのではないでしょうか。あと広告で「ハイデフ・ハイデフ」とやかましかったのも原因。
 で、このまま360の売り上げが不振だと、後者の理由のA級戦犯にされそうなのが、「ナインティナイン・ナイツ」と、本作「デッド・オア・アライブ4」。製作した「チームNINJA」の発表する発売予定日をそのまま信じるのは、良く言っても純心無垢の極みですが。

 先代機Xbox、国内で一番売れたソフトが「デッド・オア・アライブ3」というのはまだしも、それに続くのが「デッド・オア・アライブ エクストリーム・ビーチバレーボール」だったという事実は、マイクロソフトにとっては喜べばいいんだか苦笑すればいいんだか解らない結果だったのではないでしょうか。
「HALLO」とか「FABLE」とか、洋ゲーでも充分面白いものはけっこうあったんですが、ジャパニーズ・Xboxユーザーは、そんなもんより「乳バレー」を選択したというわけで。もちろん「バレー」も、たいへん良く出来たゲームですが、どう足掻いても印象は「乳」というわけで、このまま「乳」「乳」と連発すると本稿の信憑性が損なわれてしまうので止めておきますが、これを書いてる本人への信憑性はまた別の問題。

 さて、前置きが長くなりましたが、Xbox360の購入を考えていた人の八割が期待ソフトに上げていたのが本作。
 まぁですね、以前の作品からも定評があったとおり、本作もグラフィックに関しては間違いなく神レベル。D3&D4対応(VGAでも可)ということもあって、直前に「ソウルキャリバー3」をプレイしてたと言うことを差し置いても、少々驚きました。
 これに関しては男性キャラが素通りされちゃうのが可哀想ですが(笑)、やっぱりまずは女性キャラの衣装に目がいくのは必至。チームNINJAは、乳揺れとパンチラにこだわり続けて十年ですが、本作もその拘り方は充分に炸裂。なにせ、ぱんつの描き込みが尋常じゃねぇ。18歳以上推奨ソフトということもあって、やりたい放題です。霞の衣装の公式カラーが黒になったのがまた、たまんねえええ!
「格闘家がセーラー服やミニスカで闘うな」という常識的な意見は、この世界では禁句中の禁句。
 男性キャラクターや背景も、ハイデフ連呼でやかましかった本体の広告に負けることなく、超美麗。桜の木の幹や河の水面の表現なんか感涙ものです。関係ないけど、天狗デカすぎ。

 あと、演出繋がりなんですが、試合前後の演出やエンディングがまぁ、喋る喋る喋る!!!
 そりゃ、昨今のゲームの演出で動きまくりの喋り捲りは珍しくもなんともありませんが、本作はそれを出来の良さで圧倒。
 一部でキャベツの奪い合いでストリートファイトが始まったり恐竜を蹴っ飛ばしたりと、なかなか常軌を逸した部分もありますが、元のストーリーが良く出来ているため、霞、あやね、エレナあたりのストーリーは見ていて凄いです。
 エレナのエンディングが7分近くあるのも別の意味で凄いんだけど。

 で、肝心のゲーム本編について。
 真っ先に思ったんだけど、やっぱり格闘ゲームでマニュアルに技コマンドの表記がないのは、少々不親切かな、と。スパーリング〜エクササイズ起動で見れますし、技の見本も見ることが出来ますけど、慣れないとやはり困りますね。
 あと、CPUキャラ強ええええ! 隠しキャラを使うにも、キャラのコスチュームを増やすにも、ストーリーモードをクリアするのが一番手っ取り早いんですが、これがかなりの難関。
 本作独特のシステムに「ホールド」に関する三竦システムがありまして、しっかりジャンケンの要領で優劣が決まっているので駆け引きが生まれやすいのですが、同じく三竦システムを採用してる「ソウルキャリバー」に比べると、かなり大変。慣れないうちは、連携を上中下段にばら撒かれると、ホールドするのはまず無理。中段になるとPとKでコマンドが違ったりと、更にややこしい。 これはもう、慣れてしっかりと見て判断するしかありません。
 このゲームで上手くなるには、ホールドを憶えること、相手を浮かせるまでの手段を覚えること、その後で空中コンボを憶えること、でしょうか。

 あと、これ書いてる時点ではまだあまり知られてないかもしれませんが、本作にはセーブデータが消失するバグがあります。
 これについてはテクモがきちんと対応するそうで、同種のトラブルに対して全然対応する気がないコナミ、ソニー、セガ、ナムコ等も見習ってほしいものですが。
 とりあえず
1. DOA4のディスクを挿入した状態で、ディスクトレイの開閉ボタンを押して本体を起動する。
2. ゲーマーカードに実績などのゲーマープロフィールがすべて表示されるまで待つ。
3. トレイを閉じてDOA4を起動する。
 という手順で、このバグは回避できるそうです。ご注意の程を。

 しかし、開発費14億円の本作、初週の売り上げは6万3000本。日本の業界で一番重要視されるのは、発売後一週間の売り上げなんですが、このペースで採算がとれるのだろうか…。(DOA3は全世界で300万本売れたそうなので、そこまで見越せばOKなのかもしれませんが)

(2006.01.18)