ディアーリオ リバース・ムーン・レジェンド

2007年2月8日発売/アイディア・ファクトリー/27点

 23年前。古代遺跡から発掘された謎の物体「CUBE」。
 その「CUBE」の持つ特殊な力が発見されてから、歴史は変わりはじめた。
 人類は「CUBE」を生成し、史上最強の武具「想具」を作り出したのだった。
 そして現在。旅の商人であるイレスと父親のレグライトは、瀕死の男から一つの「CUBE」を託される。
 それは、自然界には存在するはずの無い「黒いCUBE」だった……。

 PS2で発売されたRPG「リバースムーン」のブラッシュアップ移植版。
 PS2版の時は、キャラクターが可愛く、ムービーもまずまずで、発売前こそある程度の期待はあったものの、いざ発売されてみると、戦闘ウザい、テンポ悪い、ロード超長い&多い、脇役の声優の演技が下手、持てるアイテムが少なすぎ、最初のセーブポイントまで長すぎ、サモンナイトの更なる劣化版とまぁ、叩く人はわりとボロクソに叩いてた感のある本作ですが、まぁあの、開発者全員マゾなんじゃないかと思えるほどのゲーム後半のキツさを思えば仕方のないことかな、と思わないでもありませんでした。

 ま、アイディア・ファクトリー(以下IF)のゲームに良作を期待する愚かさを充分に理解しつつも、たまーに突然変異の良作ミュータントをなにかの間違いで突然生み出してしまうことがある会社なんでシカトもしきれないという、なんともユーザー泣かせなメーカー様なわけですが、本作の初期流通量の微妙な少なさを思うと、売るほうもかなり入荷数量に悩んでいたようで、色々なところで関係者を悩まさずにはいられない、ぶっちゃけ厄介なメーカー様であらせられます。

 で、上位機種への移植となる本作は、突然変異のミュータントではないけれども、クソゲーと断じるほどでもない、実に微妙な出来。このあたり、IFらしいっちゃらしいんだけど、あえて一言で言うなら、つまらん。

 せっかくの上位機種移植なのに、PS2版に追加要素を加えてほぼそのまま移植した、という印象しか残らないのが残念。
 OPムービーとか悪いとは言わないんだけど、PS2版の映像とイベントムービーを編集しなおして曲を変えただけ、という微妙さ。せめてこのあたりは完全新作で録りなおすくらいはして欲しかったのだが……。
 あれ、そういえば鵜鳥仁丈さんって、いつの間に復活してたの?

 そして最初から最後まで気になるのはグラフィック。360タイトルの中でもドンケツ争いしてるんじゃないかな。つーかコレ、もともと出来がいいとはいえなかったPS2版の絵を、360の解像度にあわせて拡大しただけだよね?
 さすがに大不評だったロード時間は大幅に短縮され、それだけでゲームのスピード感は全く違いますが、それでなおテンポが悪いと感じるのは、私にスキルが足りないからですか?

 戦闘システムが少々ややこしく、フリーバトルはノイズネットがきちんと使えるようになってからやるのが無難。ロックの意味を理解しないままにバトルを続け、ショットがいきなりワイドショットにスキルシフトして、仲間まで巻き込んで射殺しちゃった人、けっこう多いんじゃないでしょうか。
 フリーバトルでキャラを鍛えておかないことには、後半の戦闘はニッチもサッチもいかなくなるんですが、いざ鍛えに鍛えまくって攻撃力を上げまくって、戦闘でブイブイいわせている最中に、単体攻撃が突然広範囲攻撃にスキルシフトした日にゃあーた、敵だけじゃなく味方にまでステータス異常をブチこんで駆逐する有様で、とてもじゃないけど目も当てられません。
 そうかといって想具(武器)なしじゃ全然ダメージになんないし、想具使って連携を狙えば、こっちのターンが回ってくる前に敵さんに殴られまくります。
 どんだけMやったら気ぃ済むネン。相変わらずバランス悪いし、コツがつかめないと王様のクエストで身も心もボロボロになりますよ。

 あと、倉庫の仕様が悪すぎる。アイテムの種類じゃなく個数でカウントしているらしく、すぐに満タンになってしまいます。また、PS2版に比べてぐっと増えた新イベントのおかげで売れないアイテムがアホみたいに増えたのも、この使いにくさを冗長。
 どっかで足を引っ張らないと気がすみませんか。

 ムービーは美麗で、キャラクターも悪くない(リィルのおっぱいとか。どうでもいいんだけど、ライカの髪の毛どうなってんだ)。
 シナリオそのものも容量的な意味で言うならボリュームはかなりあるんだけど、ワクワクしながら進めると言うよりは、「まだ続くのか……」とゲンナリすることのほうが多く、実績の解除も辛いものがあります。
 良くも悪くもIF節全開で、覚悟して取り掛からないと、ちょっと辛いかもね。

 あと、誰もが思っているだろうけど、日本一ソフトウェアのパクリするのも、いい加減にしておいたほうがよくないか?

(2007.02.28)