ドラゴンボールZ バーストリミット

2008年6月5日発売/バンダイナムコゲームス/6点

 鳥山明の代表作にして、連載終了から10年近く経つ現在でも、日本のアクション漫画の代名詞とも言えるお化け漫画「ドラゴンボール」の格闘ゲーム。
 最近ではハリウッドで実写映画化され、予想通りのデキで日本のファンを安心させましたが、それでもフランスでアニメが放送された際には、平均視聴率がなんと87.5%!
「子供たちが教会に行かなくなってしまった」という社会現象まで引き起すモンスターぶりを見せ付けました。

 で、その偉大なるドラゴンボールは、当然、山のようにゲームが発売されているのですが、多くはバンダイが作っているため、個人的に良い思い出がないのが残念。
 本作はXbox360ということもあって、さすがにグラフィックは綺麗。
「ドラゴンボール」という原作をゲーム化するには、ほぼ格闘ゲームしかジャンルがないとは思いますが(特に亀仙人弟子入り以降は)、ファミコン時代に微妙としか言いようがないカードゲームとかアドベンチャーとかを乱発した過去を今になって反省しているのか、ありきたりな2D格ゲーの枠にとらわれずに、「ドラゴンボール」の世界を独自に構築しようとした努力は良し。
 最近の格ゲーはいくらか簡略されてきたとはいえ、それでもややこしいコマンドをいちいち入力していたのでは、ドラゴンボール特有のド外れたスピード感は出ないわけですが、攻撃も防御も操作を簡略することで、すさまじい速度を再現してます。
 原作つきの格闘ゲームの中では、必殺技などの再現度は頑張っているほうなのではないでしょうか。

 ただ、開発の労力までスピード感を優先してしまったせいか、グラフィックの使い回しが多すぎ&あからさま過ぎて、プレイし慣れてくるとかなりゲンナリ。
 あと、肝腎の戦闘中にいらん要素が多すぎ。
 恐らく派手さを優先したのでしょうが、ことあるごとに揺れすぎなほど画面が揺れます。もうちょっと大人しくならんか。
 また、ことあるごとにカットインが挿入されるのは賑やかでいいんですが、それも一度見れば充分で、これほどしつこくしつこくしつこく挿入されると、邪魔以外の何者でもなく、異常にウザイです。
 キャラが少ないのも減点要素ですが、そもそもこれ作った人、原作読んでないよね?

 ゲーム自体は手抜きの集積以外の何者でもなく、これに7800円という定価をつける頭は、正常な人格の存在を疑います。
 360のゲームでオンライン要素がおまけ程度(というか、まともに作っていないので、とてもじゃないが普通にはプレイできない)というのも珍しいですが、オフも大したことないので、気にはなりません。というか、お話になりません。
 360の全ゲームの実績解除に命をかけている人くらいにしか、お勧めできる人種が思いつかないのが、非常に残念です。

(2010.01.10)