カルドセプトサーガ

2006年11月22日発売/バンダイ/採点拒否

このレビューは、かなり感情的な文章を含んでいます。ご注意ください。

 えーもうね、最初にこれだけは声を大にして言っておきたい。

 まともにやる気が無いなら、ゲームなんて作るんじゃねえ!

 これは完成品ではありません。ベータ版ですらありません。もう地雷どころの騒ぎじゃないです。スタッフの真面目に作るという気合が欠片も感じられない酷いゲームです。
 再び声を大にして言います。

 本作を購入する、という行為は、そのまま「金をドブに捨てる」という言葉と完全に同じ意味です。
 本作の扱いには、細心の注意を払ってください。

 あえて、ゲームの内容は説明しません。面白くないからじゃありません。語りたくないからです。
 このシリーズには、カードデザインとして実に多くのイラストレーターが関わっています。このゲームは、プレイヤーだけではなく、その人たち外部スタッフに対する完全な侮辱です。

 これほどまでに私がゲームに(ネタに出来ないほど)腹を立てることもあまりありませんが、その原因は、ゲームそのものがまともに成立しないほど酷いバグの山です。

 一人用でプレイすると、必ず途中で進行不可能になります。
 オンラインで対戦すると、ほぼ確実にフリーズします。
 デッキを編集する時、カードが全部丸見えになります。
 ダイスの出目がランダムではなく、一定の法則に則っており、次の出目がバレバレです。
 ロード時間の長さは過去最悪です。

 ……などなど。一説には、ゲーム進行に影響ある、40を超えるバグが報告されているそうです。まともにデバッグ一つしていない証拠です。
 それでいて、発売して半月、12月10日現在、公式サイトではなんのアナウンスもしていません。まさしく、「売ったら売りっぱなし」状態。
 年内に修正パッチで対応するという話も出てますが、パッチでどうにかなるレベルじゃないです。スタッフを全員入れ替えて、ゼロから作り直せ!
(2007年以降の対応については、Wikipediaなどを参照)

 これはゲームに限ったことではないのですが、お金を払って買っていただくものをつくるのには、それなりの覚悟も(人間的な)資格もいるのだ、ということが分からない人が多すぎる。
 こんなの、サービス業、製造業の基礎中の基礎だ。少なくとも、サービス業でずっと働いてきた私は、そう現場で教え込まれましたけどね。
「ゲームが好き」という理由だけでゲームを作ってるんなら、そんなヤツラに商業作品を手がける資格なんかありません。

 私がこんなにも怒っている理由は、ゲーム自体がダメだから、というものだけではありません。
 本作が遺作になったイラストレーターの方がいらっしゃるんです。
 製作者に問いたい。
 お前ら、この作品を、その方の墓前に供えることができるか?
 この人だけではないけれども、病のために片足を切断してまで、プライドを持ってこの仕事に参加したその方に、お前ら顔向けできるのかよ?

 本作と本作を制作したスタッフ(ゲストイラストレーターなどを除く)は、完全否定されるべきだ。

(2006.12.09)