バレットウィッチ

2006年7月27日発売/AQインタラクティブ/60点

 魔女と聞いてまず思い出してしまうのが、PSでバンダイが99年に出してた「魔女っ子大作戦」。
 1982年までに放映された懐かしの魔女っ子(一部違う人も混じってますが)が大集合して地球を救う、というファンにとっては感動で卒倒モノのゲームになるはずが、バンダイが開発会社にクリスタルダイナミックス(クリーチャー系とかトカゲ系ゲームで定評のある会社)を選んだお陰で、魔女っ子がお友達(一般人)と一緒に、集団でアメリカン怪物軍団を撲殺するというデンジャラスなバトルゲームになってしまいました。
 あらゆる意味であらゆる予想を木っ端微塵にうち砕いたその内容に、ファンは本当に卒倒したとかしなかったとか。そりゃあなぁ、「花の子ルンルン」がトカゲの死体の上で雄叫びを上げるようなゲーム、日本人のセンスじゃなかなかできませんって。

 と、実はこれだけじゃないんですが、どうも「魔女」というキーワードではロクなゲームやってない私です。本作も、悪魔の跳梁跋扈する人類滅亡直前の地球に降り立った黒衣の主人公アリシアはズバリ魔女。
 CMに井上和香が起用されるという話は前に聞いていたので、2D絵をムリヤリ3Dに起こしたペラペラの井上和香が、同じくペラペラの悪魔を素手でぶん殴るという悪夢のような光景を想像していましたが、私は見ることができませんでしたので真相は不明(歌を歌っただけらしいが)。
 本作で開発を担当したキャビアについては「ゼーガペインXOR」の項目を参照。でなもんで、「真っ当にゲームを楽しむ」という意味とは全く違う観点から楽しみだった本作。こんな期待を寄せられるメーカーのほうこそ、いい迷惑というかいい面の皮というか。

 西暦2013年、戦争やウィルス、食糧難など度重なる危機に直面し、更に突如出現した悪魔の攻撃に晒されて今にも滅亡の瀬戸際にある人類。
 だが、その悪魔の前に、魔女アリシアが巨大な銃を持ち立ちはだかる。その正体も目的もすべてが不明のまま、人類は彼女の存在に一縷の望みをかけるのだった。

 ゲームは基本的に三人称視点でのアクションシューティング。身長ほどもあるホウキ型の銃「ガンロッド」を操り、倒した敵の魂を「弾丸」として使用する設定がなかなか面白いです。面が進み、アリシアのパラメータが上がってくると銃の性能も変化。「マシンガン」「ショットガン」「キャノン」の三タイプを状況に合わせて使い分け、ステージクリアを目指します。
 また、「魔女」と呼ばれるからには魔法も使用可能。敵を倒して魔力を溜め、「魔法詠唱リング」を呼び出して数々の魔法を使いこなせ!

 凄まじくグロいうえに難易度激高だけどな!
 色んな意味でグラフィックのデキは良いんですが、肝心のアクションがどれも中途半端にデキが悪く、最初はかなりストレスがたまります。照準が合わせづらい、射撃中に弾丸がどこに飛んでいるのか解りづらい、回避アクションが使いづらい、などなど。かなり慣れが必要。
 また、武器や魔法をパワーアップさせるには「スキルポイント」が必要なんですが、これがまた信じられないくらい膨大な量が必要なので、何度も何度もプレイしなきゃいけません。このあたり、ゲームに嵌れないと完全に「作業」になってしまいがち。
 魔法を完璧に使いこなして銃と併用するとかなり面白いんですが、そこまで行くのが大変です。

 良い意味でも悪い意味でもキャビア節全開な本作。残弾を殆ど機にしなくて良いマシンガンは爽快感があるし、リロードする時のなんともいえない色気(駄目人間)、上手く使わないと自爆確定の「メテオ」、ガトリングで打ちまくるとビクビク動きまくる敵の死体、キまくってる敵ガイストのセリフなど、所謂「裏の楽しみ」もしっかり網羅してあります。
 その反面、前述のシステムの辛さに加え、キャビアらしいブッ壊れた難易度の設定(ノーマルでもかなり辛い)、とにかくマップがわかり辛い、2コントローラーでは撃てない魔法がある、普通にゲームオーバーになったのではセーブできないなど、バグなんだか仕様なんだかわからない不具合も多く、かなり人を選ぶのも事実です。

 ところでこのゲーム、新コスチュームなどがLiveで配信されるのですが、新コスの配信に二ヶ月かかるようで、新ステージの配信なんて可能なのかね?

(2006.10.01)