まあ、あれだ。スポーツゲームの業界にも色々と事情がありまして、本作は日本が優勝した野球の世界大会・WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が遊べるということで話題になりましたが、実は本作以前に、同じくWBCが遊べるということをウリにしたゲームが某社で開発されてたんですが、「キューバの選手は基本的に公務員だから、ゲームには出演できない」という凄まじい理由で実名の許可が下りずに結局お蔵入りになったことがあります。
また話に聞くに、本作を開発したスパイクがMLBと独占契約したせいで、以前に同じくメジャーリーグ関連の良作を製作していたエレクトロニック・アーツがMVPシリーズを出せなくなりファンが腹を立てた、という話もちらほら。
(ま、それを言うなら、EAもESPNからNFLの独占契約を横取り同然にかっさらっているので、どこも事情は似たようなものなんだけど)
で、肝心の「メジャーリーグベースボール2K6」なんですけど、なんで海外で評判が悪いゲームを、わざわざ国内で売るかな。
先行発売された北米版は、データを前年発売の「2K5」と入れ替えただけ、グラフィックもほぼ流用という、なんともいい加減な出来だったんですが、日本版もどうやらそのままのようです。そういうのが許されるのは「ファミスタ」までだぜ。
基本的に投高打低のゲーム。というか、打つほうの操作がかなり難しく、爽快感は皆無。ヒットを打っても、「え、なんで今のがヒット?」という不思議感覚のほうが先に来て、往々にして首を捻ることが多いです。
ま、福留が右打ちにされている時点でスタッフの本気具合を感じてやってください。
選手のグラフィックは元々あんまり似てないんだけど、特に日本チームの選手の顔面は、呆れるのを通り越して大爆笑できます。
イチローなんてアメリカでも有名人なのに、これどこの星の猿人よ?
オンライン対戦での対戦相手には事欠かないので、操作に慣れてくると対戦が楽しいんだけど、その「操作に慣れる」までがかなりの苦行。人を選ぶね、これは。バグ多いし。
ところで、本作のPS2版とPSP版は、発売予定日の二週間前にいきなり発売延期が決定したんですが、二週間前といえばもうソフトのプレスが終わっている時期。普通なら、重大なバグが見つかっても、そのままゴリ押しで出荷しちゃいそうなもんですが、なんでまたわざわざ延期したのかね。著作権関連で重大なミスでも発覚したのかな?
(メジャーリーグの有名選手の中には、肖像権を選手会に渡さずに自分自身で管理している選手もいるので、その辺の調整が大変なんですよ。バリー・ボンズなんかが特に有名ですが)
(2006.10.13)