ADK開発、SNK販売という組み合わせで、ネオジオポケット本体と同時に出た育成ソフト。
本体が「I'm not BOY」と、任天堂ゲームボーイへの挑戦をあらわにしていただけあって、本作もなかなか野心的。
プレイヤーは「めろんちゃん」と自分で名乗る、宇宙から落ちてきた未確認生物(容姿は女の子)と、小学校入学から高校三年生までの12年間を同居することになります。
私だったらFBIとか自衛隊とかに引き渡すけどな。
このめろんちゃん、容姿は可愛いんだけど、
と、異常に安直なAV女優みたいなプロフィール。まあ、このめろんちゃんを「聖セイントプリズム学園」という、これまた非常に安直な企画モノのAVの舞台みたいな学校に入れるプレイヤーもプレイヤーですが。
I'm not BOY !!(局地的な意味で)
普通の育成SLGと異なるのは、リアルタイムでイベントが起こることと、キャラ(めろんちゃん)が擬似AIによって思考をすること。この辺りは携帯機でのメリットを良く研究しています。
めろんちゃんはプレイヤーに教えてもらったことを少しずつ覚えていき、そのうち自発的に行動するようになります。目に見えて成長していくというわけで、そのへん、嬉しい人にはたまらないのでは。
ただ、成長の基準として一応パラメータが存在するんですが、その動きが非常に大雑把で、また結果が計算できないコマンドも多く、思い通りに成長させるには、かなりの慣れが必要です。
キャラクターパターンが1500種類以上と、初期の携帯機のSLGにしては多く、マルチエンディングなので、やりがいは非常にあります。
しかし、コマンドやイベント、コスチュームが、やけにギャグに走ったものが多いし、また、作品全体に流れる空気の悪趣味さも、なかなか他に類を見ません。
占いや時計機能など、飽きさせない工夫もありますが、上記の要素に合う人には最高の一品でしょうが、合わない人にはタチの悪いSMのゲームのようで、徹底的にあわないかもしれません。
……あと、やっぱり12年は長いわ。
(2006.11.01)