めろんちゃんの成長日記

1998年10月28日発売/ADK/36点

 ADK開発、SNK販売という組み合わせで、ネオジオポケット本体と同時に出た育成ソフト。
 本体が「I'm not BOY」と、任天堂ゲームボーイへの挑戦をあらわにしていただけあって、本作もなかなか野心的。

 プレイヤーは「めろんちゃん」と自分で名乗る、宇宙から落ちてきた未確認生物(容姿は女の子)と、小学校入学から高校三年生までの12年間を同居することになります。

 私だったらFBIとか自衛隊とかに引き渡すけどな。

 このめろんちゃん、容姿は可愛いんだけど、

 と、異常に安直なAV女優みたいなプロフィール。まあ、このめろんちゃんを「聖セイントプリズム学園」という、これまた非常に安直な企画モノのAVの舞台みたいな学校に入れるプレイヤーもプレイヤーですが。

 I'm not BOY !!(局地的な意味で)

 普通の育成SLGと異なるのは、リアルタイムでイベントが起こることと、キャラ(めろんちゃん)が擬似AIによって思考をすること。この辺りは携帯機でのメリットを良く研究しています。
 めろんちゃんはプレイヤーに教えてもらったことを少しずつ覚えていき、そのうち自発的に行動するようになります。目に見えて成長していくというわけで、そのへん、嬉しい人にはたまらないのでは。
 ただ、成長の基準として一応パラメータが存在するんですが、その動きが非常に大雑把で、また結果が計算できないコマンドも多く、思い通りに成長させるには、かなりの慣れが必要です。

 キャラクターパターンが1500種類以上と、初期の携帯機のSLGにしては多く、マルチエンディングなので、やりがいは非常にあります。
 しかし、コマンドやイベント、コスチュームが、やけにギャグに走ったものが多いし、また、作品全体に流れる空気の悪趣味さも、なかなか他に類を見ません。

 占いや時計機能など、飽きさせない工夫もありますが、上記の要素に合う人には最高の一品でしょうが、合わない人にはタチの悪いSMのゲームのようで、徹底的にあわないかもしれません。

 ……あと、やっぱり12年は長いわ。

(2006.11.01)