ギガウィング

1999年11月11日発売/カプコン/82点

 なにからなにまで発狂しているカプコンのシューティング。
 その中でも、もっとも発狂しているのが「スコア」。このゲームは、アイテムである勲章を、とればとるほど倍々ゲームで得点の「アップ率」が上がっていくシステムを採用しているため、それこそ得点表示が天文学的な数字をたたき出します。

 私のようなそれなりの腕の人がそれなりにプレイしても、点とか、物凄いスコアに。それまでのシューティングが、高くても「千万点」とかいうレベルだったことを考えれば、凄まじいインフレっぷりです。
 もちろん、上手い人がやればそのインフレぶりは更に加速、現在の最高スコアは「億」も「兆」も飛び超えた「京」までいっちゃってますが、理論上では更にその上の「垓」まで到達するそうな。日常生活で初めて使ったわ、「垓」なんて単位。
 だれか、スコアの1/100でいいから、現金で祝ってくれないでしょうか。

 当然、搭載されているシステムの全てがスコアを暴騰させるようにできてます。その最たるものが「リフレクトフォース」。
 敵弾をひきつけ吸収して跳ね返すバリアみたいなものですが、この跳ね返した敵弾で敵を倒すと、得点アップのための「勲章」の数が、普通に倒したときよりも劇的に増えます。アホみたいに増えます。
 画面上が金色の勲章で埋め尽くされる様は物凄いインパクトです。

 しかも、基本的に難易度は高く、ちゃんとハイスコアを狙おうとすると、どのような順番で敵を倒し、どのタイミングでリフレクトフォースを使うかなど、きちんと計算してプレイしないといけないようにアルゴリズムを組んであります。
 スピード感があり、リフレクトフォースを多用させるために弾幕も激しく、油断してるとあっという間に死亡。
 ですが、経験したことの無い桁違いのスコアのため、「ひょっとしたら、俺ってシューティングがめちゃめちゃ上手いのか?」という、とんでもない錯覚をプレイヤーに植えつけるため、気がつけばプレイを再開している、恐ろしい吸引度。人間、金の桁の魔力にはなかなか打ち勝てません。

「好きなだけ稼げます!」と大判広告をうっといて、実は細かい配慮がないと稼げないという、小市民の欲のありかたを計算しつくした、実に爽快で、実にせちがらいシューティングです。

(2009.02.01)