実はファミコン以前からある、歴史の長い野球シミュレータ。野球選手としてプレイするのではなく、監督として選手を指揮し、チームを優勝に導くのが目的のゲーム。
だから、ボールを打ったり、打球にダイビングキャッチしたり、といったアクション要素は全くありません。選手の頭身も、(PC版に比べれば遥かに上がりましたが)他のリアル系野球ゲームとは比べ物にならないくらいデフォルメされてます。ゲーム自体も一試合に全力を尽くすのではなく、長い100試合以上のリーグ戦を戦い抜く、根気の要るものです。
その代わり、試合後に記録される選手の「成績」は実に豊富。打率や本塁打、防御率や勝数はもちろん、出塁率や奪三振率など、実際のプロ野球でも生涯成績として残る数字は、殆どがランキングとして確認することができます。
私のように、スポーツとしてのアクションは苦手だけれども、成績としての数字が大好きなマニアックな人間には、本当にもうたまらないゲームです。
選手一人ひとりに、実に細かなデータが振分けれており、しかもそれを自分で自由に変えることによって、オリジナル・リーグを好きなように製作することが出来ます。
ファミコン版が出た当時、物凄い広島カープファンだった私は、こつこつとデータ入力をしたものですよ。
……物凄い根気と時間がいったけどね。なにせ、1チームあたり、野手18人、投手12人いて、さらにそれが6チーム(2リーグなら12チーム)居るもんだから、膨大な時間をかけて作業をすることに。
これ、正味の話、一度PC版(ベストプレープロ野球'00。すでに生産終了)に触れてしまうと、他の機種のには我慢できなくなります。
なにせ、PC版は最新データはもちろん、1940年代まで遡ってデータを公開しているサイトもあり、ネットで一発ダウンロードできるし、テキストデータを移植すれば簡単に選手のデータが変わります。
更に、SKIP機能を使ったシーズンが早い! なんと1シーズン140試合が2分くらいで終わっちゃうんですから。
それに比べ、PS2版はデータ入力は全部コントローラーで手作業だし(しかも、漢字の変換が異様に使いにくい)、1シーズン130試合をSKIPで終わらせるのに40分以上かかります。途中の試合を自分で指揮しようという気すら起こりません。
……まぁ、根強いファンの方はじっくりと全試合指揮をとるんでしょうけど……。
また、これはシリーズ全作を通しての特徴ですが、二遊間(セカンドとショート)の守備力が、投手の防御率に与える影響が大きすぎて、オリジナルデータを作る時にバランスとるのが割りと大変です。この辺、もうちょっとなんとかならなかったものか。
とにもかくにも、真面目にプレイすると膨大な時間が掛かるこのPS2版、なにごとにも腰を据えて、じっくりとプレイする人で、更にコアなプロ野球ファンの人向け。これも言ってみればニッチ商品なんですかね。
……あと、このPS2版。PS2のゲームなのに、なぜか媒体がDVD-ROMではなくCD-ROMです。選手を全員3Dにしたうえでそんなに容量少ないなら、もっと工夫できるとこ、いっぱいあったんじゃないの?
(2005.05.18)