魔法先生ネギま! 一時間目 おこちゃま先生は魔法使い

2005年1月20日発売/コナミ/77点

 さぁ、やってまいりました。
 いろんな意味でいろんな層のファンのいろんなところをがっちり掴んでいる赤松健氏のコミックが原作の、『女子校体感アドベンチャー』(パッケージより)です。

 因みに、氏の以前の作品を垣間見てみると、ヒロインがプログラムだったり東大受験生だったりと設定に違いこそあれ、とにかく『半裸でヒドイ目に合う』というのがお約束でして、当然のように本作もその路線を継承しています。

 いや、継承という言葉は相応しくないかもしれません。
 なにせ、今回はターゲットが女子校の一クラス、なんと31人! いくら甘党でも、パフェをバケツで持ってこられたら胸ヤケがしそうですが、斬新な設定と、脇役とメインヒロインを上手に振り分けることで、しっかりと読ませるところは流石です。

 さて、この漫画がゲーム化すると聞いた時、「お色気とは言っても、せいぜい『風呂上りのバスタオル』か『水着』という程度だろうな」と思ってました。
 実際、氏の前作「ラブひな」も多くの機種でゲーム化してますが、ある意味過激な作風とは裏腹に、家庭用ゲーム機の悲しさ、お色気はその程度でおさえられてましたから。

 しかし、コナミはそこらへんのメーカーとは情念が違ったようです。

 ああ、もうやってくれたさ! わざわざ18歳以上推奨のレッテルと引き換えに、そっち方面にやけに力の入ったイベントCGを見るまでも無く、わらわらと学園内を歩いている3Dモデルの女学生(古い表現)たちは、それこそ格闘ゲーム主人公の無敵対空技の如く、パンチラ程度なら標準装備。

 PS2で中学女児のブラチラをやらかした偉業の他にも、得意の魔法でセクハラ、ダッシュでぶつかって押し倒す、手を繋いで女子トイレに誘導など、本来の目的そっちのけでソッチ方面の目的を達しまくる不埒な輩が続出。

 この辺、「メタルギアソリッド2」をプレイしているときに、本来の任務そっちのけで死体で遊んでた感覚とそっくり。
 
遊びに幅を持たせる、真の意味でのエンターテイメント!

 た・だ・し
 そういう不埒な目的で本作を購入した大きなお友達をあざ笑うかのごとく、コンプリートクリアの難易度はけっこう高い!! そりゃもう、ふかふかなベッドに飛び乗ったらシーツの下はセメントだった、というが如しです。

 特にアクション場面では、魔法の入力は独特のクセがあり、動きながらいろんなことしなきゃいけないので、けっこう忙しいです。

 まぁ、どうしてもそっち方面に目が行ってしまうのは仕方が無いのですが、二周目以降のプレイを前提としたヤリコミ要素も多く用意されており、けっこう気合を入れていかないと置いていかれること間違いなし。
 また、ムフフなイベントが数多く用意されているわりに、ストーリーにイヤらしいところはありません。
 自由度が高く、メインキャラクターを中心にスートリーもよく練られており、ファンでなくても、とりあえずプレイして損はないと思います。

 複数回プレイを前提としているのに会話スキップができなかったり、ロードが多く長くかったり、カメラの視点を自由に変更できなかったり、気がきいているようできいていないシステム面は、次回作に期待、ということで。

(2005.06.15)