THE KING OF FIGHTERS 2003

2004年10月28日発売/SNKプレイモア/64点

 一作目から数えて10年目という、長い歴史を持つ格闘ゲームで、シリーズ10周年の記念作品群のひとつ(他の二つは、「KOF MAXIMUM IMPACT」と「KOF'94 RE-BOUT」)。

 とりあえず、本作をやっての第一感想は、地味

 一応、コンシューマーの格闘ゲームにあるべきシステムは全部あるし、対戦やCPU戦をやっててもちゃんと楽しくはあります(バランス悪いけど)。

 でも、地味

 毎年、あくの強い新キャラをもってくるKOFシリーズですが、本作はそれがゲームを地味にする遠因の一つになってます。

 ストーリーが変わり、それに合わせて世代交代した主人公チームは、見事に「キモい+地味+地味」の三羽烏。
 いや、アッシュは濃いといえば濃いし、デュオロンも充分個性的なんだけど、一番アツい性格のはずのシェン・ウーがボイスもモーションもなんであんなに地味なんだ。
 加えて、ボスがまた地味。
 石人間(?)のムカイはともかく、アーデルハイドはバトルするわけでもない妹の存在感に押されちゃって、可愛そうなくらい存在感の無いボスになっちゃってます。

 また技と言えば、各キャラクターの必殺技もだ〜いぶ地味になってます。

 せっかく前作でド派手なMAX2(超必殺技を上回る最終奥義)が加わったのに、それらの殆どが削除され、新たに加わった「リーダー必殺技」は既存の技の地味なパワーアップか単に地味な新技に過ぎず、やっぱり地味すぎる効果音との重奏効果で、地味さ三倍増。
 いや、中には山崎の「狂拳」や八神の「三神技ノ弐」とか派手な技にもあるにはあるが……。

 システム的には、これまでの三対三のチーム戦方式は継承しているものの、一試合ごとの勝ち抜き戦ではなく、途中交代自由の一ラウンド制による「死亡抜け」方式に変更。
 試合の途中でいつでも他のメンバーに交代可能で、交代したメンバーが画面斜め上から突撃してきます。この「交代攻撃」にも攻撃力があり、「相手の食らい判定をのこしたまま打ち上げる→交代→次のキャラの交代攻撃が空中の相手にヒットしてそのまま空中連続技へ」という荒業も可能。
 当然、次々に交代しながら相手をお手玉することもできますが、連続技の攻撃力補正が尋常ではない(連続技のダメージが異様に低い)ので、即死にもっていくのは要根気&テクニック。

 デモ絵やエンディングのCGなど決して悪くないし、入力のレスポンスも良く、連続技もやりやすいだけに、非常に残念な一本です。
 一人だけ飛びぬけた神がかり的な強さを持つデュオロンの存在など、バランスの悪さは、まぁKOFの伝統ですが……。

 あと、この2003のチームストーリーを書いた人は、知恵遅れの障害の人ですか?

(2005.05.18)