ザ・キング・オブ・ファイターズ2002 UNLIMITED MATCH

2009年2月26日発売/SNKプレイモア/88点

 ああKOF……ッ! 奈落の底までfollin' Loveだあ♥

実はそこまででもありません。実写映画は10回くらい見たけど。

 2002年に出たシリーズ一の名作といわれる格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ2002」を、さらにムリムリにチューンナップして再発売した一品。UMシリーズ第二段(第一弾は「KOF'98 ULTIMATE MATCH」)。
 一応「KOF2002」の名前は残していますが、背景は総て描きかえられているし、曲も変わっているし、バランスも調整はいりすぎて中身はもはや別物です。

 毎回(「KOF12」を除いて)登場キャラクターの多いシリーズですが、本作はシリーズの中でも突出して多く、その数はシリーズ最大の66人! マリオとペプシマンが戦うようなアジアの怪しい違法ゲームだって、なかなかこの数はないと思います。

「KOF'99」から始まった「ネスツ編」の全キャラクターと、「KOF'98」までに登場した人気キャラクターの一部を追加し、さらに新技・復活技をこれでもかと搭載した大ボリューム!
 さすがに著作権上の問題で再登場させられなかったK9999のみリストラを食らい、代わりに新キャラの「ネームレス」を追加。とはいえ、ネームレスはK9999の技の多くを受継いでいるので、結局は顔と性格が変わったK9999。
 MAX超必殺技の上を行く最強奥義「MAX2」も、ほぼ全キャラ新技になり、キャラによっては旧「2002」のMAX2がMAX超必殺技として簡単に使えるようにもなっています。

 キャラの数が数だけに、バランス関係は言わないのがお約束。バグの多さもいつものことだけど、対戦中に気になるバグはそんなに多くはない。
 ただ、隠しキャラクターやイベントイラストはCPU戦のクリアが前提の場合が多いのですが、このメーカーのゲームのCPU戦は心底つまらんので、一定時間プレイしたら目のためにも頭を冷やすためにもいったん電源を落とすのがよいかと。
 特にCPU戦ラスボスのオメガルガールが規格外の防御力を持ってて、超必殺技を何発当ててもほとんど体力が減りません。そのくせ卑怯くさい強さの必殺技を連発してきて、場合によっては手に負えないことになるので、ある程度腕を磨いておく必要はあるかも。

 あと細かいことだが、オリジナルゼロのボイスがえらくしょぼくなっているのにガッカリ。あの威厳ある風貌に甲高い声で「パッカーナ!」(馬鹿め、と言っているらしい)とか連発されると、笑いのせいでコントロールをミスりそうになります。
 さらに、クローンゼロの「ワキガ&オナラ・ダブル体臭アタック」も相変わらずのネタアタックぶりで、オリジナルがオリジナルならクローンもクローンだ。思わずクリザリッドに同情。
 新キャラのネームレスのMAX2や勝利デモに登場する女の子、個人的にはアンヘルじゃないかと思ってたんだけど、登場デモを見る限り、どうもクーラのことっぽいですね。このあと、どこかでフォローされるんだろうか、このネタ。

 しかし、全66人中16.5人に1人が草薙京、11人に1人が極限流、6人に1人がオロチ関係者、4.7人に1人がネスツ関係者。さすがに密度が高すぎやしませんか。ざっくり日本の人口が1億2000万人として、727万人が草薙京です。これはほぼ埼玉県の人口に匹敵します。
 埼玉県民がいっせいに炎の武術を操りながら襲ってきたら、そりゃハイデルンも警戒するでしょう。恐るべし草薙京。

 なお、本作はアーケードに進出した後、格闘ゲームの大規模な大会「闘劇」で対象ゲームになったことがあり、それにあわせてバランスを再調整した「KOF2002UM 闘劇Ver.」もPS2で発売されました。
 その結果、本作は無印PS2版、アーケード版、PS2闘劇Ver.の三つのバージョンがあり、すべてバランス調整が異なるという結果になりました(二年後にはさらにNESiCAxLive対応版も配信されました)。

(2014.10.01)