GOLFパラダイス

2000年3月23日発売/T&Eソフトウェア/19点

 さて、ファミコン時代ならば兎も角、世代がPSに移って以降、ゴルフゲームといえば「みんゴル」になれなかったタイトルがのたうちまわった挙句、それらの屍山血河が築かれる昨今ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
 この「GOLFパラダイス」、世間ではそんなに評判は悪くないんですが、個人的には最近プレイしたスポーツゲームの中では、一番闇に沈めておきたいタイトルです。

 製作のT&Eソフトといえば、古くは「3Dゴルフシミュレーション」「遥かなるオーガスタ」と、ゴルフゲームの良作・名作を発表してきた、このジャンルでは老舗中の老舗。
 だもんで当然、本作も普通のゴルフゲームで終わるはずも無く、通常のプレイに加え、けっこう激動のストーリーが待つシナリオモード、自分だけのコースが作れるゴルフコース自動生成システム「Genesys-G」、自分だけの分身を作れるプレイヤーメイキングなど、プレイヤーを楽しませようというサービス精神に溢れています。

 ……が。思いっきりぶっちゃけ言わせてもらうと、どれもこれも中途半端。

Genesys-G」は、その大仰な名前のわりにかなり適当なシステムで、プレイヤーが自由自在に作れるわけではありません。
 また、シナリオモードにも関わってくるんですが、キャラクターやキャディーが、どのゲームに輸出しても人気投票の際には真ん中より下で安定しそうな面々で、薄いわりにやかましく喋り捲るので、全然プレイに集中できません。

 で、一番きついのが、とにかくボールを真っ直ぐ飛ばすのが難しい!
 システムとしては、ゴルフゲーム定番(?)の、半円のゲージ上を移動するカーソルをタイミングよく止める、というヤツ。で、スウィートスポットで当てると真っ直ぐ飛び、早くても遅くてもボールが左右に流れるんですが、なんじゃい、このスウィートスポットの極端な狭さは!
 特に、ホールの一打目に使うべきウッドのそれは、10メートルの距離から定規の1ミリ部分に直撃させろと言わんばかりに超凶悪
 とにかく、ボールをまともに飛ばすには第三の眼やら心眼やらチャクラやら色々なものを開く必要があるんですが、残念ながら私はチベットでもインドでも修行してないので、まっすぐ飛ばすことがほとんど出来ませんでした。

 これらの特徴に比べれば、『選んだキャディーさんの言うことが全然当てにならねぇ』とか『やっぱりPS2専用ソフトなのに媒体がCD-ROMで、プレイ中にPS2本体がやたら煩い』とか『そもそもロードがやたら多い』なんてところは、些細なもんですわな。

 ま、税込み105円で買った品だから、値段どおりっちゃ値段どおりなんだけど。

(2005.07.07)