怒首領蜂 大往生

2003年4月10日発売/アリカ/90点

 アーケードでそれこそ狂ったようにはまり込んだ、思い出深いタイトル。今のところ、アーケードでは私がハマリにハマッた最後のタイトルです。
「弾幕シューティング」という、発狂したかのごときゆっくりと動く大量の敵弾と、極めて喰らい判定の小さな自機が特徴(それでも死にまくるんだけど)のジャンルを生み出した「首領蜂」シリーズの、実質四作目。
 なんでも、台湾のIGSに版権を許可して製作させた前作「怒首領蜂2」の余りの出来に腹を立てたスタッフが、怒りの余りに製作したとかなんとか。「大往生」というタイトルはいったい誰に向けられたものか。

 の二種類の自機に、  という三種類の「ドール」(オプション)のどれかを乗せてスタート。

 もうスタート直後からこれでもかと襲いくる弾幕弾幕弾幕! PS2版のパッケージ裏のキャッチコピーが「死ぬがよい」って、おいおいおいおい!
よくソニーチェック通ったな……。

 ショットは、ボタンを連打すれば通常ショットが、押しっぱなしで破壊力が大きい(けど自機のスピードが大幅に落ちる)レーザーを発射可能。
 レーザーを敵に当て続けるか、「蜂アイテム」とよばれる隠しアイテムを獲ることでメーターが上昇し、最大になると「ハイパー」という特殊攻撃が発動できます。これは、発動直後に無敵時間があるうえ、攻撃力が異常に上昇し、レーザーのように移動速度が落ちることもない、という超絶強化です。
 が、ハイパーは持続時間が短く、一度発動すると鬼のようにランクが上がる(発動しなかったときよりも、敵の攻撃がかなり激しくなる)ので、ボンバーに代わる回避手段に使うには、かなり勇気がいります。

 また、「ほぼノーミス(2ミス以内)」「ボム使用3回以下」「蜂アイテムを全部獲る」の三つの条件を充たすと、本作最大の魅力であり最大の鬼畜要素でもある「二周目」が始まります。
 条件を充たして一周目を終えると、わざわざ「このまま二周目にいきますか?」と丁寧に訊いてきます。「普通、二周目って無条件でいくもんだろ」とドヤ顔で思いながら「はい」と応えると、たいてい、直後に後悔します。
 一周目をクリアした腕に自信を持って上から目線で挑むと、二周目開始五秒くらいで死亡。しかも、一周目で獲得した残機はすべて没収され、たった一機でのスタート(二周目は面をクリアするごとに残機が与えられる)なので、一面はほんと、ミス=即ゲームオーバー。なんという鬼畜ぶり。

 PS2版付属のスペシャルDVDには、トッププレイヤーのプレイが収録されていますが、彼らは神です。私はアーケード版に1万円くらいつぎ込んだ割には、1000万点超がやっとでしたが、なんだよ18億点って(笑)。
(このDVDには、特典映像として「極殺兵器・緋蜂(ラスボス)」戦での「生き残り最長時間」なるものまで入っていました。18億点を達成するほどの腕でも、ラスボス戦では1分もたず、豊富な残機とボンバーを使った力技で撃破してました。それくらい、本作の難易度は高いです)

 PS2版だけの特殊モード「ノーバレットモード」は、本当に便利。「敵が弾を撃ってこない」という、シューティングにあるまじき邪道なモードですが、正直、こんなんでもなけりゃ、私ゃクリアできませんよ(^^;)。
(私、ノーバレットモードに慣れきった後で通常モード(難易度EASY)をプレイしたら、三面どころか一面で全滅しました。わははははは、は、はぁ〜……)

 ちなみに、もうひとつのおまけモード「デスレーベル」(いわゆるボスラッシュモード)の難易度も、とんでもなく鬼畜。「人間にはクリア不可能」とまで言われたこのモードの二周クリアがはじめて公式に報告されたのは、本作発売からなんと七年五ヵ月後でした。

 実はこのゲーム、密かにエンディングがかなり秀逸。たった数枚のCGと数行の文章なのに、こんなにドキドキするのは何故かしらーっ!?
 下手なアドベンチャーゲームよりもホロリときますぜ、ダンナ。

※一応、お奨めのゲームではありますが、上でも書いたように、非常に高難度で、あくまで私のような酔狂者か、バリバリのシューター向けのタイトルであります。だもんで、PS2本体を買ったついでに小学生の孫に買い与えるとか、セレブの奥様が気紛れの興味で買うようなゲームじゃありませんので、その辺、ご理解ください。
 もし買ってしまい、孫に嫌われたり、奥様が機嫌を損なわれましても、私は責任をもてません。

(2007.03.26)