2049年、東京は完全な迷宮と化した……。
超兵器会社A.R.M.A社のDNA研究施設暴走は、次元迷宮と呼ばれるダンジョンを作り出した。
事故の影響のため次元にゆがみが生じ、空間のつながりが不安定な世界。
そこに、次々と生み出される生体兵器……。
A.R.M.A社は事態収拾のため、最強の人型兵器「ミューティノイド」の投入を決定する。
「神速の
カプコンとスパイクが共同プロデュースし、ドリームファクトリーが開発したアクション(一応、成長要素があるので、公式にはアクションRPG)。
自動生成される数々のダンジョンを戦い抜きながら、次々と生み出される生体兵器の謎に迫っていきます。
「クリムゾンティアーズ」、翻訳すると「紅の涙」。
そういや、全然関係ない話で恐縮ですが、何年か前に「青い涙」というエロゲーがありましたね(Xboxにも移植)。
あちらは韓国風の儒教精神にバリバリに基づいた家族愛の素晴らしさをウザイほど刷り込んでくれるゲームでしたが、こちらは旧人類を超える力を持ってしまったが故に争わなくてはならない「ミューティノイド」たちの精神の葛藤を(微妙に)描いています。
主人公の三人の声優に雪野五月、釘宮理恵、関智一、主題歌にLISAと倖田來未を起用するなど、わりと金かけて作ってあるな、という印象なんですが、それはグラフィックにも現れてます。
トゥーンシェード処理を施された(たぶん)3D画面は、ややクセはあるものの、技術的にはけっこう良いカンジ。
これは、賞賛とエロ心の両方を最大に込めての真面目な感想ですが、ハイレグのコンバットスーツに身を包んだ主人公・アスカのお尻が、特に素晴らしい。
男のプレイヤーとしては、どうしてもオープニングムービーでも全開の「乳揺れ」に目を奪われてしまうのですが、ゲーム中はむしろ、アスカのヒップに心奪われておりました。
私がこれまで秘かに認めている美しいハイレグヒップは「スーパーストリートファイター2」のキャミィのみですが(「ストゼロ」はだめ)、そこにアスカを加えてやっても良い(なにその上から目線)。
ゲームの中心となるダンジョンは、数こそ8ヶ所(エクストラステージを入れると9ヶ所)と少ないものの、中身が自動生成されるだけあって、同じなのは階数だけ。
かなり乱暴な解説ですが、「シレン」をSF風味に味付けして頭身を上げるとこうなるかな、という印象。
武器の種類が豊富で、それぞれ別個にコンボや必殺技が設定されているため、攻撃に飽きが来ず、特に連続攻撃の感触が抜群に良いです。
街に戻ればアイテム合成で武器のレベルアップもできるため、それなりにヤリコミ要素もあります。
ただ、
というシステム的な欠点だけでなく、
など、開発スタッフの人柄がしのばれるような難点もちらほら。
また、ミューティノイドは必殺技を多用すると熱暴走する(一定時間、スピードが大幅に上がるが、効果が切れるとHPが激減する)のですが、これがまたあまりに頻繁に起こるので、面倒くさいことこの上ない。
A.R.M.A社の甲斐社長にはクレームを入れなければなりません。
さて、ストーリーを読むと、壮大なスケールを予想させるタームがばら撒いてありますが、ゲーム中はそんな期待と予想を置いてきぼり にして、ストーリーはわりとざっくり語られるだけで、なんとなくこじんまりした印象。クリアしても謎の部分がかなり残ります。
「結局、マイやシズカは何者だったのか」とか「主人公達とアベルの詳しい関係は?」とか、甲斐があんなことやらかした動機とか、肝心な部分はわからないまま。
また、ストーリーから考えると舞台は東京だと思うんですが、ゲーム中に確認できる街(タウン)の住人は、わずか12人。
いくらなんでも荒廃しすぎだろ。
(ちなみにこの12人は、エンディングのスタッフロールに総出演)。
ゲーム中、「長老」と呼ばれる人物に金を渡すと街が復興していき、最終的に「おかげで街が再生した」みたいなことを言われるのですが、そこまで金をかけて行われるのは、道具屋/銃器屋/ナイフ屋の品揃えが豊富になる「だけ」。
うーん、復興はめでたいものの、東京ってこういう街だったっけ?
さらに突っ込めば、「荒廃している」というタウンの周囲には、明らかに稼働中の高層ビルがいっぱいあるんだけど、なんで「タウン」だけこんなに取り残されて荒廃してるんですか? 周囲の街は全部ミューティノイドが動かしてるの?
面倒くさいところもあるし、ストーリー的には王道というかけっこうベタですが、全体的には(いらんとこも含めて)「丁寧に作ってあるな」という印象です。
ダンジョン自動生成とはいえ、できることは少なく、こじんまりとまとまっているので、クリアまでの時間もコンパクト。
難易度は三段階から選べますが、総じて難しいので、どちらかといえば中級者以上向けのゲームでしょうか。
(2010.10.30)