闘神伝3

1996年12月27日発売/タカラ/77点

 実は、私がPSで最もハマッた格闘ゲームのシリーズって、この闘神伝だったりします。プレステとサターンで結構たくさんシリーズがありますが、「にとうしんでん」とこの「3」あたりまでは一通り全部プレイしました。
 で、その中でも特にプレイ時間が長かったのが、この「3」です。

 元祖はプレステ本体とほぼ同時発売の3D格闘ゲームとして注目されました。奥行きを生かした3Dならではの空間を用いながらシステムは2Dゲームのそれをほぼ踏襲し、連続技や試合の駆け引きなどは、2Dと3Dのそれの両方を持つという、独特の感触がありました。
 そして、一気にポリゴン数が増えモデリングが綺麗になった「2」(と「2プラス」)を経て、この「3」に至るわけなのですが。

「3」をやってみてまず感じたことは、「なんか、えらくグラフィックが質素になっちゃったね」ということ。
 確かに登場キャラクターの数が前作のほぼ倍というインフレ状態で、ある程度ポリゴン数が減らされる等の処置がされるのは仕方が無いのですが、それにしても「2」と比べると思い切って削ってくれやがりました。一言で言うと、「ガビガビ」
 オプション画面で、キャラの動きがスムーズになる60フレームと、技のエフェクトなどの描写が細かくなる30フレームと選択することが出来ましたが、正直、あまり違いがわかりません。はっきりと違いがわかるのは、60フレームにすると背景が思いっきり手抜きにCGに変わってしまうことくらい。
 これなら、一人ひとりのキャラクターにもっと力を入れて描いたほうが、もうちょっとマシになったんじゃないかと、秘かに思ってしまいます。

 キャラクターと言えば、色んな方向に魅力的なそれが闘神伝シリーズの特徴の一つ。
 今回は新ストーリーに突入したことで、主人公が前作までの純粋戦士・エイジから薄幸の微少年・デヴィッドに代わり、既存キャラクターのライバルと言う形で同数の敵キャラクターが設定されました(とはいえ、基本的には既存キャラのコピペなんですが)。
 ……んですけど、どいつもこいつも、やっぱりちょっとヘンです(笑)。緑川ボイスで薄幸度全開キャラの癖にチェーンソーを軽々と振り回すデヴィッドとか。
 個人的には、カオスやテンカウントなど、いわゆる「アッチ系キャラ」の電波具合が、前作より大人しいのが残念です。電波全開だった「2」に比べ、見た目が地味になっただけでなく、技や動きまでちょっと地味なった感じがして、物足りなかったですね。

 さて、ここまで書くと、ちょっと敬遠されちゃいそうですが、その実、ゲームのシステム自体は良く出来てるんですよ、これが。
 全体的に技のダメージがかなり低めに設定されていること、前作まであった「リングアウト」の概念をなくしたこと、簡単な連続技として多数の「闘神連技」が導入されたこと、同じく簡単に逆転への布石が打てる「ソウルボム」の導入、そしてこれもシリーズ伝統の「一発必殺技」の存在。
 これらの要素によって、とにかく「攻めた者勝ち」という雰囲気があり、ヘタに待つよりはボタン連打でゴリゴリと押し捲る、熱い戦いが繰り広げられます。
 また前述のソウルボムと必殺技を組み合わせることで、キャラによっては簡単に20〜30ヒットの連続技を作ることができ、努力次第で得られる爽快感も、かなりのものです。

 まとめ。
 前述のように、グラフィック関係はかなり貧弱です。またエンディングもかなりしょぼく、一人プレイで済ませるとあまり面白くないかもしれません。
 二人以上の友達と、ただひたすら対戦できる環境があるなら、結構楽しめるのではないでしょうか。

(2005.09.04)