トゥルー・ラブストーリー

1996年12月13日発売/アスキー/98点

EVE -burst error-」とは違う意味で人生を変えられたゲーム。私が人生で始めてプレイした「恋愛シミュレーション」です。
 どうしても「ときメモ」の絵には耐えられず、敬遠していたのですが、なぜかこれの絵にはすんなり入れてしまいました。

 主人公は父親の仕事の都合で、一ヵ月後に転校することになってしまいます。その最後の一ヶ月間で、特定のヒロインと両想いとなることが目的。
「最後に離れ離れになるのが前提」と言う設定以外は、必要以上に奇を衒わず、正道を地で行く恋愛ゲームの良作。
 キャラクターもイベントもBGMも、決して派手ではないんですが、必要以上に主張することなく、纏めるところをきっちり纏めてある、という印象。
 舞台は、春夏秋冬の四つの季節のどれか。全てのシーズンに登場する固定ヒロインと、その季節にしか登場しないヒロインがいます。

 いきなり合気道部の先輩に投げ飛ばされるとか、砲丸が直撃しそうになるとか、下手をすると一ヵ月後に転校するまでもなく、その場で人生から強制退場させられそうなデンジャラスな出会いもありますが。

 主人公にはパラメーターがあり、ヒロインの好みのタイプをそのパラメーターで表しています。ですが、育成要素はなく、ゲーム開始時に自分で自由にきめられます。
 なので、特定のヒロインを狙うために、あえてパラメーターを極め打ちすることもでき、難易度そのものは決して高くありません。

 キャラクターがみんな純情なんだ、これが! 仲良くなる前の会話はそれこそ他愛ないものなんだけど、それなりに親しくなった後の下校会話がまた、ドキドキしたんだよ、オラ!(なぜ切れる…)。

 綾音、みどり、育美、のぞみ、みさき、みさき、みさき!!!!!!(おちつけ!)
 なにせ、『パラメータよりも大切なものがあるんだよ!』などと、恥ずかしげも無く言ってましたもんね、当事(苦笑)。同人誌を書くのにネタにしたのも、これが一番多かったですな。

 私は、みさき、天野みどり、桂木綾音、草薙先輩がお気に入りのキャラでしたが、普段は自分のことを「ボク」と呼ぶ後藤育美が、ゲーム中一度だけ「私」と言ったときは悶絶しました。あれは最終兵器だろう。

 ゲームのサウンドトラックは買ったことがあったけど、ドラマCDを買ったのもこのタイトルが最初。
 ドラマCD「みさきのへやにおいでよ」のVOL.1とVOL.2にはおまけトラックで声優さんたちのフリートークが入ってるんだけど、それがまた声優さんたちがノリノリ。あまりに乗りすぎて、「骨折から始まる愛」「人非人」「スワッピング」など、純愛ゲームのCDとは思えぬ愉快な単語が連発される凄まじい内容になっておりました。これらをカットしなかったスタッフの英断に乾杯。

 このゲームに出演していた声優さんたちは未だに大好きです。ヒロイン「桂木綾音」役の菊池志穂さんが、その数年後「The King of Fighters」のウィップ役で「ほ〜ほほほほ」と高笑いしながらムチを振り回し、跪かせた相手の頭を靴でぐりぐりしていたのは、ちょっとショッキングでしたが。