ビスコが1998年にアーケードで発売した格闘ゲームで、「ブレイカーズ」の続編です。格闘ゲームブームの真っ最中に登場した本作は家庭用移植が長い間なされず、ファンを嘆かせていました。初の家庭用移植はアーケード版発売から実に22年後の2020年に、エーツーがネオジオ用ソフトとして限定発売したもので、まずSNK非公認(つまり一部のネオジオでは動かない可能性がある)という点が気になりますが、価格も税抜き6万5000円(税込み7万1500円)と言う「ネオジオ価格にしても高過ぎだろ」というプレミア仕様で、一般のファンが手を出せる代物ではありませんでした。
それが3年後の2023年1月、今度はブラジルの会社が版権を獲得し、PS4、PS5、NintendoSwitch、Steamに移植。しかも前作の「ブレイカーズ」とセットで2000円ちょっとという手ごろな価格でファンを狂喜させました。ただし、勝利メッセ―ジなどの言語が日本語に対応していないため、基本的にキャラクターが喋っていることが分かりません。そこだけが残念でした。
ゲームは8方向レバー+4ボタンで操作します。元々バランスが良かった前作からさらにバランス調整がなされており、遊びがいはかなりありあす。特徴的には、通常技が目押しでモリモリ連続技になること、超必殺技が空中食らい中の相手を拾いまくってくれるので空中コンボが熱いこと、些細な行動でもゲージがどんどんたまるので超必殺技が打ちやすく、また基本技→特殊技→必殺技というKOFみたいな連続技も可能です。
では、攻める方はいいとして攻められる方は死ぬまで攻められ続けなきゃいドM仕様かというと、そうでもありません。本作では、一部の連続技(すべての連続技が対象ではありません)の食らいポーズをキャンセルしつつ無敵技で反撃できます。いわば「食らいキャンセル」であり、隙の多い通常技の目押しや、出の遅い超必殺技などを妨害できるようです。なので、細かく刻む系の連続技や、動きの速い連続技は基本的に抜けられませんが、それでも使いこなせると全然勝率が変わってきます。もともと爽快感が高いゲームなので、逆転技が決まろうものなら、相手に見えない位置でガッツポーズ確定ですよ。
操作キャラクターは全部で10人と少なめですが、全員良い感じに狂っているので、少なくとも一日で飽きるということはないと思います。私のお勧めはなぜかレオタード+ジャケットと言う素晴らしい衣装で戦うティア・ラングレー。こう見えても行方不明の兄を探して闘い続ける因縁の深いキャラで、移動スピードが速く必殺技も使いやすいものばかりで、使ってて速いうちに慣れると思います。ファラオ版ダルシムともいえるアルシオン三世も悪くない。最強は主人公ですけどね。
ただですね、唯一残念な点は、CPUの異常な強さ。特にストーリー後半に行くにつれCPUの攻撃力の上昇が半端じゃなく、甘く見てかかると瞬殺死体を量産することになります。私は難易度3(最強は8)でもクリアできませんでした(CPU戦で同キャラ対戦になると敵の名前が変わる、というお遊び要素がある)。
キャラクターは個性派ぞろいだし、遊んでて爽快感は確かにあります。必殺技もモリモリ出てくれます。CPU戦の異常な難度が気にならない方なら遊んでみてもいいのではないでしょうか。
前作の「KOF13」から6年ぶりの登場となる新作。今回は完全3Dということで、グラフィックはすべて描き直してあります。
まず家庭用(プレイステーション4)専用で登場し、約一年後にPC、アーケードへと進出しました。開発には「餓狼伝説」シリーズのスタッフがかなり関わったおかげか、シリーズ特有の悪趣味ぶり・盗作癖は少しなりを潜め、案外まともな格闘ゲームになっています。
このシリーズはジャンプ攻撃がなかなか強いというイメージがあったのですが、今回はそれほどでもないようで、無敵対空技以外ではそう簡単に落とされることはないような気がします(ただし、落とされるときは簡単に落とされます)。
ただ、私の腕がヘボいせいか、ジャンプ攻撃から地上技につなぐのが難しく、ジャンプからの連続技がちょっとむずかしい。新要素として、相手に接近して弱パンチを連打すると、専用の連続技「RUSH」が発動します。パワーゲージがあれば、自動で超必殺技まで繋がってくれます。
しかし、この「RUSH」も、相手に密着するほど接近しないと発動しないため、ジャンプ攻撃から狙うのはなかなか至難。
さて、今回のユリは、色々攻め手が豊富で、使ってて楽しいです。
全キャラで唯一、超必殺技が三つあり、走り百烈びんたや、すかしユリ雷神脚など、接近手段が豊富。しゃがみ強Kのリーチもかなり長く(なんとリョウより長い!)、牽制しやすいのが良い感じ。
やや火力に欠ける気がしますがそれはいつものことだし、よほど暴走しない限りそこそこ勝率は高いと思います。新バージョンの「ちょう!龍虎乱舞」は、最初に見たときひっくり返りました。
しかし、今回の主役は、なんといっても中ボスのアントノフです。
ムキムキマッチョのおっさんが、犬の映画で感動して大号泣したり、部下の一言で真っ赤に照れたり、誰よりも一億兆倍強かったりと、どこか間が抜けてて憎みきれないキャラクター。
桁外れの大金持ちが最後は夜逃げなど、このあとどうなるんでしょうね(笑)。たまには、こんな私欲ぬきのボスがいたっていいじゃない。
あと、誰にもわからないだろうから一人でつぶやくけど、キング・オブ・ダイナソーの声って、もしかしてグレン師匠!?
。 2016年の「KOF14」から6年ぶりに発売された、2022年現在の最新作「KOF15」です。本作に関しては2021年秋ごろからゆっくりと情報が小出しにされ、今か今かと発売を待つファンの心を公式が弄んでいました(笑。
(公式に大黒歴史である「K9999」が、「クローネン」として再登場が決定したときの盛り上がりは凄まじいものでした(笑)
グラフィックは前作からすべて書きなおされ、システムも若干変化。また新技の他、キャラによっては過去作からの復活技があったりと嬉しいサプライズも豊富。ユリは特種技の「刺燕」が「KOF11」以来16年ぶりの復活! しゃがみ弱K×n→刺燕→飛燕鳳凰脚という往年の連続技が可能になりました(ただし、刺燕のコマンドが「3+B」から「3+D」に変更になっており、若干使いづらさを感じる)。
システムは前作からより遊びやすいように変更され、連続技RUSHのラストの攻撃がボタンで選択できるようになった、ゲージさえあればEX必殺技がいつでも出せるようになった、クイックMAX、シャッターストライク(追い打ち可能な打撃防御攻撃。要ゲージ1本)の追加など、深く考えなくても適当なガチャプレーでそこそこ試合らしい試合になるのも好印象。
ユリは前作同様、空中投げが鳳翼時以外に削除されたのが残念ですが、虎煌拳がタメ押しで画面端まで届くなどの変更点もあり、もともと使いやすいキャラクターなので、従来どおり楽しむことができます。
試合以外の要素では、隠しエンディングが存在するほか(当サイトで全部公開しちゃってますが……)、なんと過去作のBGMを300曲収録した「DJステーション」、過去にアニメ「餓狼伝説」などを手がけたアニメーター・大張正己氏によるショートムービーの収録など、楽しみ方は色々です。
(ネスツのクローンキャラは必殺技コマンドが一部変わっていますが、旧コマンドでも必殺技が出ます)
気になったのは、CPU戦をやってて敵の「食らい〇〇(食らい投げなど)」「置き〇〇」が非常に強いこと。あきらかにこっちの強キックでめくっているのに、逆に平気で連続技を叩きこまれて三割持って行かれる、などままあります。また敵の通常技の判定が異様に強く、対空技を出されたら、それが通常技でもこちらの飛び込みはほぼ100%落とされます。
そのため、アッシュ、紅丸、明天君、クリス、シェルミーなど対空がほぼ完ぺきな相手の時は、ただ飛び道具を連射するだけの、非常につまらない作業になります。
しかし、「KOF13」から「14」までの開発期間が6年、「14」から「15」までやはり6年かかったことを考えると、次の「16」は2028年かぁ。
謎の迷宮屋敷にとらわれたSNKの女性ファイターたちが、タッグを組んで謎の悪役を倒して脱出する格闘ゲーム。この直前に発売された大型格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS 14」に登場した女性キャラを中心にキャラクターが選別されています。
といっても操作系が少し特殊で、「格闘ゲーム」とは言い切れないかもしれません。「しゃがみ」という動作がなく、必殺技、通常技、投げ、超必殺技(ドリームフィニッシュ)、アイテムの使用がすべてボタン一つで行えます。試合中は様々なアイテムで試合をかく乱出来ます。
格闘ゲームというより、パーティー向けのアクションゲームと理解した方が楽しめるかもしれません。
チームは二人一組で、体力ゲージは二人共通、気力ゲージはキャラ独自に増減します。
敵キャラクターの体力を一定以上減らすと、一定の技(大量の気力を必要とするドリームフィニッシュ)を当てないと決着になりません。全体的に通常技の攻撃力が低すぎ、必殺技では気力を消費してしまうため、ドリームフィニッシュのための気力を温存して戦わねばならず、意外と戦略性もあります。
ゲーム内コインで衣装やアイテムを揃えたり、カスタムボイス(コインが必要)をあてるとキャラクターの性格までだいぶ変化します。演出系はだいぶ頑張ってます。
またラスボスの陰キャ具合がちょっと普通ではないので、エンディングデモは一見の価値あり。
キャラクターグラフィックは、ちょっと残念なレベル。DLCのコラボキャラがスカロマニアと盗賊アーサーで、「他社のファンから怒られないだろうな」というギリギリのところを突いた、企画者の気も回しようを感じます。
また男性が女性化したキャラクター(ミスX、テリー・ボガード)の演技がちょっとわざとらしく、そこだけ残念でした。