グラフィックを一新した前作「KOF12」(以下「12」)のシステムをほぼ全廃し、ハイパードライブモードやEX必殺技などの新システムと、旧作からの復活キャラを追加した新作。
……というよりも、未完成のまま強行発売された「12」の完成バージョン、という位置づけのほうが正しいかもしれません。
「12」ではストーリーもチームもありませんでしたが、本作では「KOF11」の続編として、アッシュ編のストーリーが完結。キャラクターが20人から31人に増え、三人一組のチーム制も復活しました。
前作でも賛否両論だった濃い目のグラフィックは、キャラクターが全体的に小さくなり、背景の色調が抑えられたせいか、前作ほどの 吐き気はありません(慣れもあるでしょうが)。
その中でもユリは、かなり幼くなった印象はありますが、無事、可愛い部類に入ります。
当初、これまで一貫してロングだった髪をショートにしたことがファンの間では騒がれましたが、発売後はそれ以上に、「パンツ+ニーソックス」というアナザーカラーのエロさや、いわゆる「脱衣KO」の復活が「素晴らし……けしからん!」と話題になりました。
また、本作にはシリーズで初めて全キャラに試合前の掛け合いが用意されているのですが、そのときに表示される顔グラフィック数は、ユリは舞の8パターンに次ぐ、2位タイの6パターンが用意されています。
(ちなみに、もう一人の6パターン所持者は、意外にもケンスウ。女性格闘家チームは3人合わせて18パターンと、全チーム最多)。
なお、この「KOF13」は「KOF12」に続いて特殊な手法でキャラクターが構築されています。
まず各キャラクターに簡単に色を乗せただけの専用3Dグラフィックスモデルを用意し、ポーズをとらせたり光を乗せ、それを2Dフレームとして出力、さらにその上からイラストテイストの表情やドット絵を乗せていくという、かなり手間のかかる手順を踏んでいます。
自然な動きとともに格闘技らしい派手な動きを再現するため、わざと荒々しい(ゲームキャラクターらしい)アニメーション修正も行われています。
3Dモデルに多くの骨格が仕込まれたことによって、2Dモデルでも例えば「舞のバストが本体とは別のスプライトで動く」という複雑な処理を可能にしたようです。
なお、「KOF13」の解発が終了した後、実は「'98UM」「2002UM」に続く新しい「UM」シリーズの開発の話が進行していました。ストーリー上で放り出されていた「飛賊」と完結した「遥けし彼の地」シリーズのキャラクターで新しい「UM」を新しいシステムで(グラフィックを2002以前のレベルに戻して)企画の話が進んでいたのですが、これ以降SNKプレイモアはパチスロ業界に進むようになり、続編の開発は立ち消えとなりました。
ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート! 刻むぞ血族の
荒木飛呂彦の大長編漫画シリーズの格闘ゲーム化。いかにも「ジョジョマニアが作りました」と言わんばかりの、大馬鹿3D格闘ゲーム。
何がすごいって、原作へのオマージュがすごい。ステージごとのギミックは総て原作同様の仕掛けがあり(花京院が水タンクに吹っ飛ばされて死亡したり、車が襲い掛かってきたり、ステンドグラスが落下してきたり)、キャラの必殺技なども、勢作側が思考を放棄したんじゃないかって思えるくらいすべて原作準拠。キャラパターンも発生する効果音のエフェクト(メギャンとか、ドーンとか文字が出る)も、たぶんこれ全部原作からのコピペなんじゃないか?
登場キャラクターは左上からジョナサン・ジョースター、ウィル・A・ツェペリ、ディオ・ブランドー、カーズ、ジョセフ・ジョースター、シーザー・A・ツェペリ、ワムウ、エシディシ、DIO、空条承太郎、花京院典明、ジャン・P・ポルナレフ、モハメド・アブドゥル、ホル・ホース、東方杖助、虹村億泰、広瀬康一、岸辺露伴、ジョルノ・ジョバァーナ、ブローノ・ブチャラティ、グィード・ミスタ、音石明、川尻浩作、空条徐倫、エルメェス・コステロ、エンリコ・プッチ、ナランチャ・ギルガ、ディアボロ、ジョニィ・ジョースター、ジャイロ・ツェペリ、ファニー・ヴァレンタイン、東方定助と、1〜8部の有名どころは大抵使えます。声優陣が、大体キャラクターのイメージに合ってるのも素晴らしい。
弱パンチ連発で簡単にコンボがバリバリ繋がってくれるし、戦闘パターンも波紋、吸血、流法、スタンドなどキャラによって多彩なので、ここは眉を引き攣らせながら牽制しあうのではなく、大笑いしあいながらブン殴りあうのが正しい楽しみ方。
ただし、シナリオモードがかなり短い、キャンペーンがオンラインでしかプレイできないなど、対戦できない状況(特にオフライン)では遊べるモードは貧弱なので、ジョジョネタの解る対戦相手も必須。
同名格闘ゲームのPS3移植版。ペルソナワールドが、新たな世界に、あ突♥入♥
アーケード版も収録されていますが、ここはオリジナルのアドベンチャーモード(ストーリーモード)をプレー。マヨナカテレビに映る「P-1」グランプリなる格闘イベントのPVが流れます。
相変わらず「P-1グランプリ」などというふざけた格闘イベントに巻き込まれたメンバーは、主催者らしきクマの真意を探るために、再びテレビの中に入り込みます(このPVで選手紹介のアナウンスを担当している立木冬彦さん、ノリすぎて笑ってしまいます。すごいなぁ)。
しかし、仲間はバラバラな場所に落とされてしまいます。いざメンバーに遭遇しても、いつものチームワークが嘘のように悪口を言い始めます。どうやらこれが敵の策略のようです。
仲間同士の決戦を勝ち上がると、どうやら勝者しか先に進めない模様なので、仕方なく仲間をおいて次のステージへ。「見えない壁」に苦戦しつつどうにか放送室を目指します。ようやく辿りついた放送室には、久慈川りせと見知らぬ少女。この子がラビリスでした。
どうやら、悩みを抱えている模様で、一戦交えて冷静にさせます。すると、今度はラビリスそっくりな女の子がもう1人登場。実はこの子が諸悪の根源で……。
あとは、ゲームでご確認ください。
ゲームの難易度が細かく設定できるので、私のようなヘボプレイヤーでもクリアは容易。そのほか、弱攻撃連打で超必殺技までつながるP連打や、様々な回避手段、特殊なペルソナ攻撃など、他の格闘ゲームとは一線を画すシステムを多く搭載している本作。非常に面白いできになっています。
私としては、千枝の投げ技「ヒップドロップ」に一撃で惚れました。弱攻撃を連打しながら、どうにか投げにもっていくのが私のスタイルになりつつあります。弱キャラと強キャラの差が激しく、ペルソナ攻撃にはクセの強い攻撃が多いので、練習は必須。難易度は高くないので、クリアを目指しましょう。
ところで、試合中に久慈川りせの実況(というか煽り)が入るのですが、今回釘宮さんはどれだけボイスとったんだ……?