えー……。レビューを書くだけで気がヘンになりそうなのが、そのタイトル。
手にとって、真っ先に目が行くパッケージの帯のキャッチフレーズに「こんなのゲームじゃない」と、いきなりPS専用で発売することの意義を全否定するようなことが書いてありますが、これをプレイした誰もがこう思うはずです。
ホントにこんなのゲームじゃねぇ!
と。
本作のジャンルは、「ドリーム・エミュレーター」。
普通の人はあんまり聞き慣れないジャンルですが、要はゲーム内に広がる視神経に異常が出そうなガビガビのポリゴン世界を歩き回り、色んな物体を見て色々感じる、と、それだけ。
いや、嘘じゃなくて、ホントにそれだけなんだってば。
ならば、それだけの内容の中で、どのような「ドリーム」を「エミュレート」してくれるのか、というと……。
ふ、ふふふ……、はははっははは、きーひゃひゃひゃひゃっひゃッ!!
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……すいません、思い出しただけで思わず発狂しそうになりました。
決して、モノホンのLSDキメちゃったわけじゃないんで、警察には通報しないでください。
一応、歩き回ってマップを埋めるとか、条件を揃えてムービーを見るとか、隠しイベントを見るとか目的はあるんだけど、正直、本物のヤク中患者を集めてスタッフにしたんじゃないかと思えるくらい、冗談抜きですべてが異常。
「京都」にはのっぺらぼうの舞妓さんが空中浮遊してるし、力士は空を飛んでるし、飴に赤ちゃんを埋め込んだような謎の物体には追いかけらるし、女の子の首が落ちるし、実写でやたら不気味なムービーを長時間見せられるし、普通に死体があるし、それを蹴り続けるオヤジはいるし、東京惑星だし……。
それ以外にも言葉では説明しづらい物体(動物)がいっぱいいて、フラグの立て方はワケわからんし、BGMやテクスチャは無秩序にどんどん変わっていくし……。
緑の空に浮かぶ赤い太陽の下、ワケ解らん文字がびっしり書かれた世界とか、子供がひたすらソーセージを貪り食うムービーとか、マジで正気のサタじゃない。
おまけに画面が粗すぎる上に上下動が激しいので、ちょっとでも弱いとマジで酔えます。
ちなみにこのゲーム(?)、新進気鋭の 詐欺師 ゲームデザイナーS氏がマッキントッシュで展開していた「東脳」「中天」と続くシリーズの完結編、という位置づけらしいです。では先の「東脳」「中天」がどのような作品だったかというと、どっちもこんな感じです。
初回出荷のみで確か5000本しか出なかったこのゲーム、今はもう中古でも入手は困難かもしれませんが、手に入れないほうがいいよ、マジで。
とは言え、ハマる人にはホントにハマるタイトルなんだろーな、これ……。
初回版についてたオマケCDだけは、いい出来だったように思うが……。
(2005.10.12)