Wii 一言レビュー


斬撃のREGINLEIV

 北欧神話を舞台に、巨大な敵を剣や魔法でギッタンギッタンにやっつけるアクションゲーム。任天堂のゲームでは珍しく過激な表現が多いため、僕らのCEROも余裕でD判定(17歳以上対象)。
 操作にWiiコントローラーのポインターを使うため、かなり直感的に攻撃することができます。主人公のフレイとフレイヤの持つ武器はタイプ別によって能力に違いがあるのですが、特に「振る」系の武器(剣、大剣、ハンマー)は、タイトルどおりの「斬撃」を体感することが可能(ハンマーで「斬撃」と言われてもぱっとこんけど)。巨大な敵を切り崩し、大量の敵を吹き飛ばし、爽快感がちょっと尋常じゃないです。
 ただ、それ以外のところではかなり癖が強いように思います。スピード感覚必須のゲームなのに神速(ダッシュ)の扱いにくさがひどく、出したいときに出ないのに、出なくてもいいときに暴発するので、いわゆる「事故死」を心行くまで堪能できます。私は、今でもこれに慣れません。要、猛練習。
 また、システム関連もデフォルトでは癖のある設定をされているため、自分なりに快適な設定に変えなければならないのですが、ゆっくりと試すことができるモードがなく、すべて実戦中に変更しなくてはいけません。戦闘中はかなり忙しいので、これでは集中力が途切れてしまいます。
 合成できる武器の種類やステージの数も多く、ヤリコミ要素も豊富。……なのですが、難易度が高くなると敵の体力も、武器の合成に必要なアイテム(結晶)の数も右肩上がりで上昇するため、黙々と戦闘して結晶を回収→武器合成、、次の武器のために黙々と戦闘して……と、完全な作業になってしまいます。
 やはりモーション+は必須です。手ブレが気になってただでさえ高い難易度が、よりアグレッシブになります(それか、最初から割り切ってクラシックコントローラーでやるか。武器「槍」は、明らかにクラコンのほうが使いやすい)。
 ストーリーモードでは脇役がやかましいくらいに喋りまくり、後半ではエグイ表現も増えるため、上記の操作・システムの癖の強さもあいまって、かなり好き嫌いは分かれるとは思いますが、斬撃の爽快感は本物です。もちろん武器のコンプリートに血道を上げるのもいいですが、私としてはサクッとプレイしてサクッと寝るくらいがちょうどいいかな、と。あとあまりに熱中すると100%筋肉痛になるので、モーション+と一緒に湿布も必須。
(2011.11.21)

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プロゴルファー猿

 藤子不二夫の有名トンデモスポーツ漫画のゲーム化。
 原作から、プロゴルファーを目指す少年・猿谷猿丸(ひどい名前だ……)が、ミスターX率いるアンダーグラウンド組織と、とんでもないコースや必殺技が飛び交う「裏ゴルフ」で対決、という荒唐無稽なストーリーでしたが、ゴルフとしての下地はしっかり研究されており、猿が大人になった後の続編が描かれるなど人気作品となりました。
 さて本作は、この荒唐無稽な裏ゴルフのゲーム化……したら、ファミ通のクロスレビューで12点(3/3/3/3)という歴代最下位ポイント付けられてしまった一品。
 ……ていうか、これスポーツゲームじゃないよね。
 一応原作がゴルフ漫画だけあって、「ゴルフをするゲーム」のはずなんだけど、スイングの上手下手とか、風向きとか、風の強さとか、まったく関係なく、どんな打ち方をしても、ボールがコースの決まったところにしか落ちません。
 どうも、最初から「ここから打ったら必ずここに落ちる」と決まっているらしく、グリーン上でも打球の方向は指示不可能で、できることはパットを振るだけ。
 駆け引き要素もプレイヤーの腕も、ゲームに殆ど関与しません。
 また、原作では熾烈を極めたストーリーは、一応キャラゲーのはずの本作には、影も形もなく、対戦モードしかありません。
 一人プレイだと、黙々とこんなトンチキなゴルフもどきでCPUと対戦していかなきゃいけないんだけど、最初に選択できるゴルファーは、猿を含めて4人だけ。隠しキャラもいるけど、それをあわせても6人。
 一応、対戦ゴルフは二人でするスポーツであって、それなりに会話も発展しそうなんですけど、この敵さんたち、こちらのプレイはまったく見てないようで、ひたすら自分の都合ばっか喋ります。
 敵の首領であるミスターXも、部下の試合を見てないような喋り方をするので、まじめにプレイしている自分が馬鹿みたいです。
 あまりにもシンプルで、間違いなく誰でも、わけ隔てなく遊べるけど、歯ごたえはまったくない。D3のシンプルシリーズならまだわかるけど、これで新作6000円だからなあ。(もっとも、発売日にはもう買取1500円だったらしいが)
 CMやプロモーションビデオのデキがよかったせいか騙された人が多いようで、
「ワイは猿や!プロゴルファー猿や!」
 というアニメの有名なセリフに引っ掛けて
「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」
 という不名誉なキャッチコピーが付けられてしまっていました。
(2011.03.31)

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テイルズ・オブ・グレイセス

 移植や続編ではない「オリジナル」としてはWii初のカニタマ。今回は「(カニタマを)守る強さを知るRPG」。
 毎回、テイルズで話題になる戦闘システムは、今回は「スタイルシフトリニアモーションバトルシステム」という、舌を噛みそうな名前の新システムを搭載し、さらに先鋭化。「ディスティニー2」の「チェインキャパ」が基本なんで、TPの残量を気にせずに術式を連発できるのがたいへんいい感じ。また「アラウンドステップ」で回避行動も簡単。長いコンボは決めづらくなったけど、そのぶん「ヴェスペリア」よりも難易度は確実に落ちてる。
 ただ、性能の低い技が多いように思えたのと、エレスライズ(発動中は無制限に敵を殴れるようになる)が任意で発動できない(ゲージがたまったら自動発動)なので、「ヴェスペリア」の「オーバーリミッツ」ほど使い勝手は良くない。また、暴星魔物にダメージを与えるのが面倒くさいなど、人を選ぶところもある。
 ストーリーは、ぶっちゃけお約束の嵐をオラオラでねじこむ(というほど極端ではないが)いつもどおりなんで省略。序盤の子供時代が一番面白く、中盤に激しく中だるみして、それ以降はダレ、といういつものパターン。それでも雰囲気がいいぶん、「ヴェスペリア」よりは面白いけどね。
 テイルズといえば豊富なヤリコミ要素が思い浮かびますが、今回はDLC(ダウンロードコンテンツ)に頼るところが大きく、さらにそれがまた高価という悪徳商法そのものなので、コンプリートマニアにははっきりとオススメしません。
 独特の戦闘、独特のノリのシナリオ、バンナム特有のクソ商法、そしてバグとけっこう人を選ぶので、プレーするのならリサーチは欠かさずに。
(2010.11.10)

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